我々は、以下のように聞いた。教わった。

トップというものは、わけのわからない指示をするし。
指示しても忘れるし。
指示したそばから、気が変わる。
指示した次の瞬間に気が変わるんだから。
間違いもする。
最初から、完璧に整理して、指示するわけではない。
大概は、その場で考えながら指示している。
だから、最初と最後では、話の筋が変わってしまう事がよくある。
矛盾していることなど日常茶飯事。
まともな指示が出される方が珍しい。
きちんと整理して指示するほど、トップは暇ではない。

上司なんてそんなものだと思っていろ。
上司に期待するより、任された仕事を期日までに責任を持ってやり抜く事を考えろ。
困るなら、どうしたら、仕事ができるかを考えろ。

仕事のするのは、指示された側だ。

お客様だって同じ。
それでは仕事にならない。
注文を聞き、記録を取り、確認をして、その上で、何をするかを決め、関係者に指示する。
それではじめて仕事になる。

指示されたら、この一連の動作を速やかにする。
何もせずにいたら、外されても文句は言えない。
なぜなら、仕事には相手があって期日もある。
責任もある。
やりませんでした、出来ませんでしたでは、許されない。
だから、聞いて、記録して、確認して、どうするかを決めて、指示する。
それで初めて仕事になる。
その場で聞いて、記録し、確認しなければ、始まらないよ。

大体、何もしないで、半日も放置したら。
「そんな指示したっけ。」
「そんな指示、忘れた。」
「あれは気が変わったから止めた。」
「嗚呼、あの仕事、お前が何にも聞いてこないから、他の人にやらせる」と言いわれても文句は言えない。
なぜなら、指示された側が何もアクションを起こさなかったから。
営業ならわかるだろ。
客の注文を聞いても何の行動も起こさなかったらどうなるか。

客に、期待するのは野暮よ。
仕事にするのは、俺達なのだから。
聞かないお前が悪い。
記録しないお前が悪い。
確認しないお前が悪い。
決めないお前が悪い。
指示しない、やらないお前が悪い。
と簡単に片付けられたものさ。
文句言うお前が悪いと。

聞いて、記録して、確認して、どうするかを決めて、第三者に伝えるから、相手は、逃げられなくなる。とぼける事もできない。
上司などそんなものと思っておけ。
最初から期待するから間違うんだ。

今は、教えてくれないから、やってくれないからなんて言ってるから、いつまでたっても仕事ができない。それでは、チームでは仕事はできない。

上司と部下とは、貝合わせの様に、一対になる事で完成する。
表裏の関係にある。
上司だけでも、部下だけでも片割れなのである。

相手がいるから成り立っている。
仕事は一人ではできない。
最初に完璧な指示なんて出ない。
指示した傍から、状況、環境、全て条件も変わってしまう。
ある一点をとらえて、ああだこうだ言ってもはじまらない。

指示を受けた者が紙に書いて確認する事で、指示に間違いがないかを、指示した側も確認する。
だから、聞くのも、記録をとるのも、確認をするのも、どうするかを決めるのも、そして、その先の指示をするのも、指示された側の人間である。

紙に書いてみて初めてわかることもある。
だから、紙に書いて確認する必要があるのだし。
紙に書く事で指示の矛盾や間違いを、指示した側に気がつかせる事にもなる。

人間は、思うだけで伝わるような超能力があるわけでもない。
座っただけで客の注文がわかるなんて。
自慢にもならない。
最初から完璧な指示が出せる人は、めったにいないし。
大概の客は、メニューを見て注文を決める。
最初から決めつけている人は少ない。

我々は、上司から、「あの仕事どうなっている。」と聞かれたら負けなんだと、それくらいの気持ちでいないと、満足な仕事もできないと教えられたものさ。

わからなかったら聞く。
確認する事で指示は確定する。
言われたままでは、指示は、未完成だ。
待っていては駄目だ。

仕事をするのは、受けた側で。
仕事にするのも、受けた側。
仕事をするのは、客ではなく、注文を受けた側。
勘違いをしないよう。
客が、料理をしないと文句を言うレストランはない。

社長の指示を仕事にするのは部下の仕事。
社長が仕事をしないと文句を言うのはお門違い。
社長の指示が。未完成なのは当たり前。
指示を完成させるのは、部下だから。
仕事にするのは指示を受けた側。
なぜなら、仕事をするのは部下だから。

客の注文を聞いて料理をどのように作って、最終的に、いつ出すかを決めるのは、店の側の仕事。
客の仕事ではない。

なぜ、社長は注文しているのに聞かない。
記録しない。
確認しない。
何をしたらいいか決めない。
なぜ、関係者に指示しない。(厨房の注文を出さない。)
それでなぜ、客に料理ができないと文句を言う。
仕事ができないのは指示された側の問題。

仕事ができない。
仕事がないと言う事がわかってないんだよ。
仕事があると言うのは、自分が必要とされている証だからな。
仕事がないと言うのは、自分が誰からも必要とされてないと言われてるようなものさ。
失業をしたり、退職をして。
確かに収入がないと言うのは辛い。
しかし、自分は必要とされていないと思うことのほうがもっと辛い。
仕事もなく、帰るところも失えば。
生き甲斐までなくしてしまう。

好かれたくてするのと、その人のためにするのとは違う。
仕事をするのは、人の好かれたいからではな。
人気取りのために仕事をしているわけではないさ。

なぜ、誰のために働いているのか。
問題はそこさ。
気になるのは当たり前。
本当に役に立つように考えないとね。
意味がなくなるよ。