誰が何と言おうと揺るがない心、周囲がどんな状況になろうと動じない心を養うことだよ。
それが、不動心、平常心。
総ての武道家が求める境地。
安心立命の境地。
何事にも動じないで自分の信念を貫き通す心を得るためには、先ず、自分を知る事だよ。
自分を知るためには、自分はなによって生かされ。
なにによって生きているかを知る事だね。
最初から、他人に合わせようとしても無理。
自分を他人に合わせられるのは、己(おのれ)があっての事。
己がなければ、相手に合わせることなく、吞み込まれてしまう。
己を知らなければ、他人に合わせる事はできない。迎合するだけ。
それは、礼を失する事でもある。
自分を知ったうえで自分の惑いの本を断つ。
未練を断つ。
己に克ちて礼に復れ。
己を知らなければ、魂など、こもらない。
士たる者、
事に臨みては、明鏡止水の心境になれ。
どの様な事態にも、慌てず騒がず。
ただ、おのれの決断に身をゆだねる。
決断とは、決して断じる事。
日本人の人生の根本は、道。
道は、自分で見出す。
自分が何によって生かされ。
何によって生かされているかは、自分で見出す。
自分の道は自分で見出す。
そのために、瞑想をするもよし、座禅を組むもよし、試合をするのもよし、素振りをするもよし、花を生けるのもよし、茶をたてるのもよし。
日本人が、指導する道とは、答えの出すための手段であっても、答えではない。
心静かに、穏やかに、そして、裂帛の気合、抜刀する覚悟をもって生きる決断をする。
その下にあるのが道。
それが道義、道理、道徳。天道。
だから、道を外さぬように生きよ。
道は、自分で見出すそれが、日本人の魂。生き方。
人間とは何か。
汝、己を知れ。(古代ギリシャの格言)
刮目して(かッと目を見開いて)己を見よ。
黙想して、己の心の叫びを聞け。
己の形が定まれば。押されても、引かれても、姿勢は揺るがない。
何を、剣道で学び。空手で学んだのか。
道を求めて生きる。
それが、求道精神。
ただ、ひたすら、自分の進むべき道を求めて生きていく。
自分の道を自分で切り拓く。それが、開拓精神。
坐して死を待つくらいなら、進んで道を切り拓け。