自分の才覚にかける度胸のない者に大事に任せられない。将来はない。
昔、張儀は、窃盗の疑いがかかり袋叩きに合い、妻子にも見放されたが、俺の舌はあるかと問い、あると言われたら舌先三寸あれば再起は可能だと言ったと言われる。孔明だって太公望だって己の策に命をかけて主との出会いを待った。
己を信ぜずして何を信じるというの。わずかばかりの成功と、名声に囚われたただ墜ちていくだけさ。
お前は、お前。自分が信じられないなら、自分の名前を捨てる事だね。
侍は、名こそ惜しめと言われたものだがね。わずかばかりの金や地位に目が眩んで義を忘れる事は、一生の不覚さ。 末代まで汚名を残すと言われたものさ。
自分が信じなられないのなら、その他大勢に甘んじるしかない。
どんな一流大学出たとしても実力が伴わなければ、かえって害となる。
自分の名に自分が責任を持て。
自分の名に恥じないような生き方をしようとするから、未練・卑怯な態度がとれないのだ。
お前の価値は、俺に、百万出させる価値か。一千万出させる価値か。一億円出させる価値か。それとも、命、全財産、全人生をかけさせる価値か。それはお前が決めるんだな。
男は、男を売るのよ。
男一匹。全てをかなぐり捨てて裸で相手の懐に飛び込めばいいだろう。それがお前の魂の価値だ。
覚悟しだいでは、生きるも死ぬも共にできるようになるさ。人生意気に感ず。
所詮、出会いさ。めぐり逢いさ。
内の親父はいつも言っていたよ。縁だって。俺もそう思うね。
苦しくなった時、困った時、いつも助けてくれる仲間が現れた。出会えた。要は、相手を信じて受け入れるかだな。
周囲の期待に振り回されているうちは、いつまでたっても自分の人生なんて歩けないよ。お前は、お前になるんだな。自分の名前に負けないようにね。自分の人生は勝ち取るものさ。誰も認めてくれないと嘆く前に、為すべき事を為せ。
今のお前に要求しているのはな。ホームランを打つ事ではなく。
思いきっりフルスィングをして三振する事。
僕らにとって長嶋は、ヒーローだけど。長嶋がヒーローになったのは、デビュー戦で金田から四打数四三振喰らった事。これは、長嶋の数多い逸話の中でも今でも語られている逸話。
ケチなもの背負って一生苦しむの。友達も、親も、兄弟も、仲間も、皆失うよ。砂を噛むような味気ない人生になる。
裸で勝負するなら、今、しかないよ。
ケチな条件なんて付けるな。
義理と人情。人生劇場。
お前は、俺や専務に命を人生をかけさせるだけの価値のある男だろ。
自分の逃げ道を作り、保険を掛け、退路を確保している限り、己の真価は発揮できないぞ。
若いうちは二度ない。気が付いたら年寄りになっている。覚悟を己の意志で決めろ。
そうしないと女にだって惚れる覚悟はできないぞ。
惚れて惚れて振られてふらて。どん底を見て来い。
つまらない見栄だの外聞を気にしていたら、自分には戻れないぞ。
俺は、俺だと叫びたいんじゃあないのか。なら叫べ。
男一匹。最後は己に賭けるしかない。お前に惚れているのか、学歴に惚れているのか、お前の勤めている会社に惚れているのか、お前の財産に惚れているのか、見極められなければ惚れたはれたもないだろう。
一生、己の看板に振り回されるだけさ。いいかげん、自分の名で勝負しろ。