認識の作用反作用は対になっている。
外に対する働きかけと、内に対する働きがあり、それは均衡している。
名をつけるという外に対する働きかけは、同時に、対象を識別するという内に対する働きと対になる。
外に対する行為は、内には意味を持つ。
総ての経済主体は、「お金」と「財」の「入」と「出」によって機能している。
経済主体の経済活動には、必ず相手がいる。
なぜなら、「お金」を「入れる」という行為は、対極に「お金」を「出す」相手の存在を前提としているからである。
逆に、「お金」を「出す」という行為は、「お金」を「入れる」相手を前提として成り立っている。
この関係が経済の作用反作用の要因となる。
そして、この行為は対称している。
対となる取引は経済価値が均衡している。
つまり、取り引きの経済価値は、ゼロ和に均衡する。
市場取引の総和は、ゼロ和に均衡している。
故に、市場取引のエントロピーは常に増大し続けている。
利益は圧縮されていく。
経済主体は、「お金」と「財」の「入」と「出」によって結び付けられる。
「お金」は「交換価値」を象徴しており。
「財」は。「使用価値」と「交換価値」の双方を保有している。
「お金」は、名目的価値を形成し。
「財」は、実体的価値を形成する。
「お金」の「入」と「出」によって経済主体間の関係は形成される。
「生産」、「分配」、「消費」は、関連付けられる必要がある。
「生産」、「分配」、「消費」は、一体である必要があるからである。
つまり、「生産」された「財」が「分配」され、分配された「財」を「消費」することで生活が成り立つ。
経済主体は、必要な「財」を他の経済主体から「お金」を支払って購入する。
経済主体が「財」を手に入れる為には「支払準備」である「お金」を保有しておかなければならない。
「お金」が手元になければ、他の経済主体から「お金」を借りてくる。
ここで、「お金」の「貸し」「借り」の関係が生じる。
「貸し」「借り」の関係は、「債権」と「債務」を成立させる。
「支払準備」の「お金」は、予め、「消費者」の手元に配布されておく必要がある。
故に、市場経済は、基本的に、「貸し」「借り」が先行する。
このような事情から「お金」を融通する機関として金曜機関が成立した。
現在の紙幣は「借金」を土台として成立した。
故に、「お金」は、「負」の空間を形成する。
それに対し、「財」は、実物を根拠に成立する。
故に、「財」は、「正」の空間を形成する。
「お金」の流れる逆方向に「財」は流れる。
「お金」の「入」と「出」だけでは、「お金」の流れはつかめても、「お金」の効用は把握できない。
それで、「お金」の効用を短期的の働きと、長期的働きに区分して計測しようとして、近代会計は、成立した。
「お金」の効用を「財」と「お金」の交換に直接結びつけられる取引を「売り」「買い」の関係でとらえて計測した結果を集計したのが」損益」で」。
長期的効用を「債権」と「債務」の関係と結び付け計測し集計したのが「貸借」である。
ただ、気を付けなければならないのは、「損益」も「貸借」も、直接「お金」の「入」「出」、即ち、「収支」を反映したものではないという点である。
経済的取引で「売り」「買い」が成立しても、即、「お金」の「入」と「出」が実行されるとは限らないからで、その場合」、「売り」「買い」の中にも「貸し」「借り」が混在する事になるからである。
貸借対照表では、「お金」の効用と「財」の効用を区別し、「お金」の効用は「貸方」に、「財」の効用は「借方」に記載する。
また、「借方」は「実質的勘定」で「貸方」「名目的勘定」を形成する。
「借方」は「資産」と「費用」。「貸方」は、「負債」「資本」「収益」かなり。
「貸方」は、「出」。「貸方」は「入」を意味する。
「お金」は回転、循環しないと効用を発揮しない。
一方向に流れたら、作用反作用の関係が維持できないからである。
「お金」の循環は、「お金」の過不足によって促される。
「お金」は使えば、失われるからである。
「お金」が失われれば新たな「お金」を働くなどの何らかの手段を講じて調達しなければならない。
「お金」は、使う事で効用を発揮する。
「お金」は、使うと「支払準備」の貯えが減少する。
残高が計算が基本となる。
「金利」は、時間価値を形成する。
時間価値は、時間の経過によって生じる差である。
「金利」は、時間価値のよって生じる差によって「お金」を流通させる働きがある。
支払準備である「お金」を、円滑に循環させるためには、ある程度、余裕が必要である。
故に、ある程度の余剰な「資金」は用意しておく必要がある。
しかし、市場に流れる「お金」の量が過剰になると貨幣価値を制御するのが難しくなる。
貨幣価値は人工的価値であって自然になる事とは違う。
人や物と言った「財」は有限であるのに対し、「貨幣価値」は上限が開いている。
有限である実物に対し「お金」は、上に無限に開いている。
「お金」は「分配の手段」であるから、上限を閉じておかないと役に立たない。
ところが、貨幣価値は相対的基準であるから、上限は制度的に設定するしかない。
それが経済を不安にする要因となっている。
分配主体には「お金」の過不足を調整し、「お金」の流れを整流する役割がある。
例えば、「売上」は一定しておらず、不定、不確実、不安定、波がある。
「費用」は一定、固定、確実であり。
分配主体である企業には、「お金」の過不足を整流する働きがある。
また行政府は、所得の再分配よって分配の偏りを是正する。
極端な格差は、「お金」の循環を阻害する。
重要な事は、「資産」や「所得」の偏りを是正する事にある。
経済は基本的に「入」と「出」。二進数である。
故に、システムと親和性が高い。
今日のAI技術の進化は、経済に革命的変化をもたらせられる可能性を秘めている。