今のお前に、何ができると聞いても、言葉に窮するんです。
経歴を聞いて、実績聞いてもですね。
それで、人生を、語らせたんです。
成功より失敗した事、どんな気持ちで就職し、生きてきたか。
そうしたら、その人の真価が見えてきたんですよ。
說明するんではなくて、語れと。
そのほうが、その人の本当の価値が。
どんな考え、精神、魂でトップを支え、若者を指導したいの。
洗練され、先端をいっているけど心無い事。
それとも、稚拙で、泥臭いけど、心のこもった事。
自分が望むところに根ざさなければ、自分を生かせないでしょと。
これからさ。
原点に帰れば。
心から笑い、心から泣いた時を思い出せば。
いつまでも、うぶだよ。
うぶなんですよ。純な心は。
いつまでもうぶ。
うぶに戻れれば。
自分が、教えたいこと。
伝えたいことは何か。
それが、わからなければ、何をどう指導するというの。
それは、今まで、自分が生きてきた中にしかない。
だから、人生を語れと。
若い子は、できないで、悩んでいるのに、簡単だよと言っても。
僕だって、この歳をして基本も、できていない。
ハッキリ、言えばいいんだよと、簡単に言いますけどね。
それができないから、悩んでいるんですよ。
困ってるときは、困ってると言えと。
でも、それが言えずに、引きこもってしまう。
簡単にできっる人は、何でもない事で。
できないのが、わからないのかもしれない。
でも、できない人には、簡単ではない。
できないから、苦しんでいる。
恥ずかしくて言えない。
それを一つひとつ乗り越えようとしている。
だから、語るんです。
自分が、若いころ、うまく自分の考えを伝えられなくて。
夜、悔しくて一人で泣いていたことを。
語るんです。
できなったこと、失敗したことが。
自分が恥ずかしくて、隠していた失敗や欠点が本当は、宝なんだって。
簡単にできれば世話ないよ。
親父は、そう語りかけたんです。
簡単にできないから、苦しんじゃないか。
でもな、できるとか、できないなんて考えてられない時もあるんだよ。
戦場では、できなければ、死んでしまう。
だから、やるしかなかったんだ。
やってみないと、わからないじゃないかって。
失敗を恐れず。兎に角、目をつぶってやれと。
親父たちそうやって、僕たちを導てくれたんですよ。
説明するんではなく。
語れ。
自分の人生を語れ。
そうしたら、本当の、自分の価値が見えてくるよと。
経歴を説明しても、終わったことで、自慢話、苦労話にしか聞こえない。
それより、人生を語れと。