筋が通ていないだろ。
筋を通せ。筋の通らない事はしてはならない。
筋が通らなければ、道理が引っ込む。
筋が通らなかったら、けじめがつかなくなるだろう。
物事には、通すべき筋がある。
やくざもんだって、悪党だって筋くらいは通すさ。
筋道があるんだよ。
道理てもんがある。道を外したら救いようがないよ。
筋を通せ。
僕らは、若い頃から、何でも筋を通せ。筋を通せと厳しく言われた。
何かにつけ、筋が通ていないだろ。けじめをつけろと口喧しく言われてきた。
今の仕事に対する姿勢は、結婚をする時に象徴されている。
今は、同棲して子供を作ってから、結婚の約束をし、仲間集めて、最後に親の承諾を得るケースが多い。大人達にも諦めがある。
でも、親の気持ちになって考えてみろ。
世間の風潮は、当人たちが幸せならいいじゃないというけれど、本当にそんなだらしのない、けじめのつかない、筋の通らない生き方で、幸せになれると思うの。
世間に通用すると思っているの。
最初に当人同士で約束をして両家の親の了解を得て、昔なら、そこで仲人を立てた。その上で正式に結婚を申し込み、結婚をして、子を作った。結婚して子供を産むという事はそれだけの覚悟をしろという事さ。
親の気持ちになれと言うけど、ただでさえ、親になる覚悟もない癖に欲望に任せて子を作る。決断できないからいつまでたってもけじめがつけられずに、独身を通す。
全て成り行き任せ。自分の意志などありはしない。だから、自分にも家族にも責任が持てない。
親は子に対して責任がある。だから、子供の世話を焼くし、心配もする。親の心子知らずとはよく言ったものだ。
今の子は親に責任が持たされていない。だから、親の事などどうでもいいと思うようになる。昔は、年老いた親の面倒は子が見た。子は親に対しても責任があった。
こんな事だから、今の仕事は、筋の通らなくなる。けじめのない、だらしない仕事になる。それでどんどん世界で日本は通用しなくなってしまっている。
仕事だって、自分勝手な仕事をして、既成事実を作ったうえで、上司の了解を取り付け、何か悪いかとどすを突き付ける様にして俺のところに来る。
それを通したら、一遍に会社のけじめも規律も失われる。
先輩たちが最も嫌ったのは、職場の規律が失われ、モラル、統制がなくなる事だ。
何も親の言うなりになれなんて言っているわけではない。親が反対しようがしまいが、筋だけは通せと言っているだけだ。
筋を通さなければケジメがなくなる。今の世の中、筋もケジメも死語になりかけている。
しかし、筋もケジメもなくなれば、世の中の道理が廃れる。
道理がなくなれば道徳もなくなる。だから筋を通せと言っているんだ。
正直、一度規律を失った組織を立て直すというのは並大抵ではない。それは国も同じ。
中国の人口の歴史を読んだ。中国は何度も何度も人口が半減するような歴史を経て18世紀に人口爆発した。国が乱れ。衰退するたび、何千万、何億という国民が飢餓や疫病、戦乱で死んでいった。これが現実だ。
日本も国力を失えば同じ目にあう。そういう時代が目前に迫っている。そうなってからでは遅い。誰が、規律や統制を軽んじろと教えたのかわかるか。規律や統制を重んじている。中国やロシア、アメリカだという事を忘れるな。どういう目的で、規律や統制を軽んじるように日本人を洗脳したかもね。
若い頃は、よく掟破りをする。掟破りは、かっこよくて、痛快に思う年頃もある。
しかし、それは決められた掟を破るからだ。大人になったら、掟や礼節作法、ルールを自分たちで作り、決めていかなければならない。今度は自分達の決めた、法や掟を守り通さなければならない。それが民主主義だ。自分達が決めた方さえ守れなければ、無法状態となる。
自分達で法や礼節を作り、守らせる。それが大人になる事さ。
物事には道理がある。道理を通すのが筋である。
物事には道理がある。道理を通すのが筋である。
我々は、仕事で配置換えされた時、親父や職場の先輩に、決められた時間に次に自分に換わる者に、決められた時間内にキチンと自分の仕事を引き継ぎ、引き継いだ後に問い合わせがある事を恥と思えときつく言われた。
引き継ぐ時は、きちんと引き継ぎ書を用意し、立会人を立て。
立会人の見ている前で、引き継ぐ者から引き継がれる者に、引き継ぎ書によって引継ぎ。
署名捺印を貰っておく事と厳命された。
そして、引き継いだ後は、頭を切り替え、新たに任地、仕事に邁進する。
それが通すべき筋だ。
この様に、我々は、その場その場で、実地に言葉の意味を伝えられた。
それが道理なのである。
道理は、言葉だけでは伝わらない。
実際に経験したことと理屈を通して体得していく事。それが道理だ。
今の日本人から道理が失われつつある。
それが、日本の国力を著しく低下させているのだ。