この国の思想家は、右翼と左翼しかないのかと言いたくなる。
愛国心とか、国益等というと、お前は右翼かと決めつける。

何を言っているのか。私が愛しているのはこの国ですよ。
今の日本。
自分が生まれる以前の日本、戦前の日本でも、軍国主義でもないし、全体主義的な他の国でもない。
生まれ育った、自由で、民主主義のこの国。
アメリカでも、中国でも、ロシアでもない。
この国、日本です。

来年は、終戦から八十年。
今は、戦争のあった事すら知らない世代。

今日日、国益とか、愛国心と言えないのは日本くらいなものです。

なぜ、国を思い、日本人として日本に利益になる事を考えるは悪い事なのですか。
世の為、人の為に働く事は恥ずかしい事なのですか。
日本人は国益を考えてはいけないのですか。
戦争に敗けたからですか。

違うというのら堂々と国益について語り合いましょうよ。

これは思想信条と関係ない事で、自由主義者だって、国粋主義者だって、共産主義者だって、国益は考えますよ。視点が違うだけで。
そうでなければ、国民の共感は得られません。

アメリカだって、中国だって、ロシアだって、ウクライナだって、イスラエルだって、パレスチナだって、愛国心教育を強化しようと。
それが当たり前な事で、アメリカが、9.11テロにあった時、日本の知識人やマスコミは仰天した。
彼等はアメリカの知識人もマスコミも反体制主義者しかいないとしてきたから。
それが急に星条旗が掲げられ、愛国心が叫ばれるようになったから。
でも、誤解されたら困るので、急に愛国心が強くなったのではなく。
昔から、アメリカは愛国心が強かったし。

選挙があるたびに思うのだけど、なぜ、この国の政治家は、選挙の時、自由や民主主義、国民国家の在り方について、国家独立について語らないのか。国防を訴えないのか。
憲法について語らないのか。
敗戦国だからか。
来年は終戦から八十年たつ。
いつまで、敗戦を引きずっているのか。

最近も、業界の集まりで目的は何かと問うたら、親睦ですというから。
中国が台湾を包囲し、実戦さながらの訓練をした、今でも、ロシアはウクライナに進行している。
北朝鮮がロシアに派兵したり、ミサイルの実験を繰り返している。
イスラエルのガザ侵攻は先が見えない。
アメリカでは、大統領選挙の渦中だというのに。
また、日本では自民党が大敗した。
物価はじりじりと上がっている。
それでも親睦ですかと聞くと、規約に親睦が目的だと書いてありますと執拗に言う。

この国の真の危機は、この緊張感のなさにある。

正しいことを正しいとし、間違いを間違いとする心。それが誇り。
だから、誇りは自分の心に根ざす。自分がなければ虚栄心になる。

誇りを失うとは、正しいことを正しいとできなくなり、世に阿るようになること。

戦後の日本人は誇りを失った、残されたのは欲望。
今の世もね。
誇りなんて誰も求めない。
でも、誇りを失えば、自尊心が持てない。
自分の中心が持てない。自立心が持てない。

欲望だけでは鵺のような化け物になる。
化け物にしてしまう。

この国の若者から日本人としての誇りが失われればこの国は亡ぶ。
僕は日本人の誇りを取り戻したい。

ただただ、日本人として生き抜く事(笑)潔く。
そう心に決めて生きています。

かつて、日本の多くの若者は、愛する人の為、故国の為、次の時代の若者なために、わが身を犠牲にして戦った。二十代前半の多くの若者が悠久の大義に殉じると、沖縄の空に散っていった。
今の多くの若者は仕事にもつけず、家に引きこもっている。

この差はどこから生じたのだろうか。

それは、自分がよって立つ基盤を失ったからだ。
倫理とは、自己を制御するための働きや基準を体系化した規範。
倫理の根本は自制心にある。
自制心を失えば、自分を保つことができない。
倫理観を持つなら、自分がなければならない。
確たる自分を確立しなければ、自制もできなければ、自律さえできない。

自分を確立するためには、自分の中心。核が必要だ。
自分は何のために、誰のために存在するのか。自分の存在意義。それこそが自分を生かし育む核である。
自分が愛する者、命より大切に守らなければならない事。

その核を現代の日本の若者は持てないでいる。

この国の役に立ちたいという一途な思い。
自分は必要とされているという実感。
それこそが明日を生きる勇気をくれる。

誰の為にも役に立たず。
誰からも必要とされていない。
それがどれほど自分を惨めにする事か。

私は、国を愛せというつもりはない。
ただ、自分の自然の情を大切にしろといいたいのだ。
自分が愛しく思う対象を素直に受け入れろといいたいだけだ。
自分の心を。

不自然に国をないがしろにしたり、親に背かせようとするのは、無理やり国を愛せと強要したり、親に無条件に従わせようとするのと同じくらい間違いだといいたいのだ。

本当の危機は、自分たちが愛おしく、守ろうとする心を捻じ曲げてしまう事だ。
そうやって歪められた心でしか世の中を見る事ができない若者にしてしまったことが真の危機である。

国を護る事と、他国を侵略する事は違う。
同じことを意味しない。
それは根本思想の問題だ。
手段である、軍の事を言っているわけではない。
思想が違えば、軍は侵略のための道具ともなり、独立と主権を守る盾にもなる。

それ故に、どの国も国益を追求するのだ。
国民は家畜ではない。
自分の生命財産、家族、そして、独立と主権を守る権利がある。

私は、幸せになりたければ惚れる事だという。
私は惚れる相手は三つあると思う。

まず、恋をする事だ。
二つ目は、仕事の惚れる事だ。
三つ目は、人の惚れる事だ。

恋をすることは自分が守らなければならないこと知る事。
ただ、恋をしても、事がなせるわけではない。

ことを成したければ仕事に惚れ。人、即ち、リーダーに惚れる事だ。

三つの相手の根源あるのが国だ。

だから国を愛せよと私は言う。
国を愛せない国民は不幸だ。

守る事を忘れた。
守るものを持たない。
守る事ができない。
それが真の危機だと私は言いたい。