独身生活が長くなると結婚するのが面倒くさくなる。
でも、それが間違いなのである。
結婚して楽できるなんて考えていたら大間違いである。
結婚したら好き勝手な事もできなくなる。

面倒くさいとか、鬱陶しいとか、厄介だなと思たら結婚なんかできない。
楽したいなら、結婚なんてしない方がいい。

生まれた時も環境も違う者同士が同じ屋根の下に暮らすのだ。
価値観も違う。
結婚したら、他人には見せられないところ見せなければ、子は生せない。

気がつけば、自分が大切にしていたものが忽然と消えたり。
カーテンがピンクに変わったり。
一人で憩える場がなくなったり。
生活区間が狭くなたり。
それまで、給料を全額、自分で使えたものが、小遣い銭しか使えなくなる。
何を買うにしても自分の一存では決められない。
大体、気儘な生活もできなくなる。

結婚とそういうものだ。
では、なぜ、結婚をするのか。
それが生きる事だからである。

我が子が生まれた時。
子供が幼稚園を卒園する時。
小学校の運動会。卒業式。
その時々に涙し。
それでも、娘は、年頃になれば、去っていく。

涙が出るほど、心を震わす事が、人生にそう多くあると思う。
煩わしいと結婚しなければ、そんな感動は得られない。
その為に、苦労をするのさ。
生きることの意味をね。
知るために。

寒い時は、自分の事より、あの子は温かくしているだろうか。
食事をする時、あの子は、ひもじい思いをしてないか。
今どこのいるのだろうかと。
片時も頭から離れない。
なぜそんな思いをしてまで。
それが幸せの源だからさ。
生きる事だから。生き甲斐だから。

それは、指導者も同じ。

ただ、親父に言われたのは、期待しては駄目だよ。
社員なんて少しばかりの事でも、条件のいい方に転職していくし。
どんなに目をかけても些細なことに腹を立ってて辞めていく。
こちらの真意などわかろうともしないで、後足で砂をかけて去っていくものさ。
だからと言って自分の気持ち、姿勢を曲げてはならない。
振り返れば、黙々とついってくる者もいるのだからな。
去る者は、追わず。
敵前逃亡する輩とは手は組めない。

仕事も結婚と同じ。
うとうしくて、煩わしい、面倒で、厄介な事を受け入れられなければ、仕事なんてできない。
やりたい事をやりたいように出来たら世話はない。
その事実を、今の教育は、子供たちに教えようとしない。
世の中の矛盾や、不条理を教えても、それを解決する術を教えなければ、子供たちは絶望し、諦める事しか学べない。

仕事も、結婚も、困難な事を共に解決するから。
苦労を共にするために結婚するので。
楽するためにするのではない。

なんでお前のためになんて思うけどね。
結局、お互い様なんだよ。
お互い様、お世話様、お陰様なんだよ。
私は、誰にも迷惑をかけてないなんて思ってるからね。
だから、人に感謝する気になれない。

苦労を掛けるな。世話になるよ。
迷惑をかけるよと。

お互い様。
お蔭さま。
お世話様。

そして、ありがとう。