易の実際
経営分析に例えると。
易は、経営実態や要素間の関係を図式化しなお、シミレーションできるモデルだと考えていい。
経営分析の原点は決算書の分析から入る。
問題は卦の象の組み方にある。
借方が、出で陽。貸方が、入で陰。
陰陽は、対照的働きである。また局面の相である。
陰陽は、+・-、I・Oで表現する事もできる。
陽は、偶数、表、動(GO)、名目的働き、抽象、出力、外向、増、上昇、拡大、成長、明示、強、能動、前進、攻め、未来へ、公。
陰は、奇数、裏、静(STOP)、実質的働き、実体、入力、内向、減、下降、縮小、衰退、暗示、弱、受動、後退、守り、過去へ、私。
陰陽を、経営の実際に当て嵌めてみる。
出、出金、出庫は、陽。
入、入金、入庫は、陰。
実質は、陰、名目は、陽。
物は陰、「お金」は陽。
消費は陰、生産は陽。
需要は、陰、供給は陽。
経営の原点は損益で裏に貸借が働く。
損益を初爻売上二爻費用三爻利益とする。
貸借を初爻資産二爻負債三爻資本とする。
損益は、売上と利益に現れる。裏で働くのは費用である。
売上と利益は、損益として現れる。損は陰、益は、陽。
増収増益、増収減益、減収増益、減収減益の四象が生じる。
先ず、陰陽、つまり、増収か減収かを見る。
減収なら減収の理由、原因を明らかにする。
次に、増益か減益かを見る。
減益の場合は、売上と対比させながら、減収の原因、理由を明らかにする。
その場合、裏で働いているのが費用である。
増収増益、即ち、太陽は、乾と離。少陰は、と震。少陽は、せんとごん。太陰は、と坤
損益は、表で働くから陽、貸借は裏で働くから陰。
売りはお金は、収入で陰、物は出庫で陽。
買いはお金は、支出で陽、物は、入庫で陰。
借方は、資金調達だから陰。
貸方は、資金運用や陽。
増収増益、即ち、太陽は、乾と離。
増収減益、即ち、少陰は、兌と震。
減収増益、即ち、少陽は、巽と艮。
減収減益は、太陰は、坎と坤
乾は、天を表す。
乾の卦は、総てが陽。+++、III。
すべてが順調、絶え間なく、力強く動いている。
健やかに見えるが、逆に、陰陽の交わりがない。
総ての始まりに位置するが、陰陽の交わりがなく孤独、独善に陥りやすい。
増収増益の卦だ。売上も利益も増加している。費用も増えているが、一見、非の打ち所がない。
その為に、忠告のしようがなく、また、人の意見に耳を貸さなくなりがちで。孤立しやすい。
しかし、費用の伸びに注意しないと兌に転じる危険性がある。
好事、魔多し。
兌は、沢を表す。
兌の卦は、初爻陽二爻陽三爻陰。++-。
水を表す坎の三爻が陰に転じて見合うをせき止める相。卦徳は悦ぶ。
増収減益の卦である。売上が伸びているのに思うように利益が上がらない。
取り合えず、売り上げが伸びているのは喜ばしい。
費用の伸びの原因を明らかにする必要がある。
費用の伸びが成長の兆しか、衰退の兆しかそこが問題となる。
離は、火を表す。
離の卦は、初爻陽二爻陰三爻陽。+-+。
離の卦は、+-+。二つの陽に陰が挟まれ、火の象を表す。
離には、「付く」と「離れる」という、相反する性格がある。
裏で働き費用の動きに注意する。過熱しすぎると失速する危険性がる。
離は離陸である。離陸する時は事故も多い。
増収増益の卦で、費用も減少している。
一番、理想的な象に見える。
最も活力のある型だが、費用がなぜ、減少しているのか明らかにする必要がある。
短期的な伸びばかり見ていると長期的な展望を欠く危険性がある。
震は、雷を表す。
震の卦は、初爻陰二爻陰三爻陽。--+。
震の卦は、--+。啓蟄、二つの陰を打ち破てようが目覚める。
奮い立つ、奮起する時。
増収、減益の卦である。
売り上げも伸び、費用も減っているのに、思うように利益が出会ない。
裏で働く貸借を調べる。深刻な構造的問題を抱えている可能性がある。
利益は減っているが、費用は減少し、売上も増え始めている。再生の兆しでもある。奮起する時、奮い立つ時。
巽は、風を表す。
巽の卦は、初爻陽二爻陽三爻陰。++-。
巽の卦は、++-。巽は風。陽の中に陰が忍び込む。卦徳は、伏入。
減収増益の卦である。
減収で、費用なのに、利益が増えている。
裏で働く貸借を見る必要がある。
過去の資産を食いつぶしているか、再生のための投資がされているか。
変爻で将来を見る必要がある。
利益も費用も伸びているのに売上が思うように伸びていない。
もっと意欲的に取り組まないと凶が忍び込んでくる。
自信を持つ事である。
坎は、水を表し。
坎の卦は、初爻陰二爻陽三爻陰。-+-。
坎の卦は、-+-。坎は、土が欠けてできた穴。
坎は、流れる水。坎の卦徳は陥。
陰に挟まれた陽は真心。
坎は、悪い流れを止める。止水。
減収減益の卦である。最も、理想的とされる離の裏卦でもある。
性格も離の火に対して水。
減収減益なのに費用が増えている。
裏で働く多酌を見直す必要がある。
艮は、山を表し。
艮の卦は、初爻陽二爻陰三爻陽。+--。
艮の卦は、+--。下から盛り上がった陽が頂点いったった象。
減収増益の卦である。
売上は減っているのに費用が減って収益が増えている。
再生の兆しか。裏で働く貸借も併せてみる必要がある。
終わりにして始めとする。
坤は、地を表す。
坤の卦は、初爻陰二爻陰三爻陰。---。
坤の卦は、---。
減収減益の卦である。すべてが陰。
現実の従って再生に心掛ける必要がある。
天に順う。
吉凶は、裏で働く貸借次第。
損益(陽)の裏(陰)で貸借(陰)が働く。
損益から増資(陽)と減資(陰)が生じる。
資本と総資産から総資産増増資(太陽)、総資産増減資(少陰)、総資産減増資(少陽)、総資産減減資(太陰)の四象生じる。
四象の裏で負債が働く。
貸借は、初爻総資産、二爻総負債、上爻資本とする。
増資増総資産、即ち、太陽は、乾と離。
増資減総資産、即ち、少陰は、兌と震。
減資増総資産、即ち、少陽は、巽と艮。
減資減総資産、即ち、太陰は、坎と坤。
先ず、何故、何が増資減資したのか。増資減資の原因、理由を探る。
乾と離は、増資増総資産で負債の増減の違い。
兌と震は、増資減総資産で負債の増減の違い。
巽と艮は、減資増総資産で負債の増減の違い。
坎と坤は、減資減総資産で負債の増減の違い。
要するに負債の働きが鍵を握っている。
負債に応じているのは、損益では、費用である。
利益と資本は天。
費用と負債は人。
収入と資産は地。
利益は資本に応じ。
費用は負債に応じ。
収入は資産に応じる。
中は費用と負債。
経営データには天地人がある。
天は、金銭的データで、自然数、離散数、余算、無限、数。
地は、物的データで、実数、連続量、有限、量。
人は、人的データで、自然数、離散数、余算、有限。数。
損益の小成卦を初爻売上二爻費用三爻利益
貸借の小成卦を初爻資産二爻負債三爻資本とする。
損益を内卦、貸借を外卦とする。
売上と資産が応じ
費用と負債が応じ
利益と資本が応じる。
中は、費用と負債。
売上は費用が比し。
費用は、売上と利益が比し。
資産は、利益と負債が比し。
負債は、資産と資本が比し。
資本は、負債が比す。
互卦は、初爻費用二爻利益三爻資産四爻利益五爻資産上爻負債
費用に利益が応じ
利益に資産が応じ
資産に負債が応じている。
経営全体の状態を表す代表的指標は、総資産利益率である。
総資産と総資本の値は等しくなるから総資産と総資本は同値とみていい。
総資産利益率は、売上高利益率と総資産回転率をかけて百倍した値である。
要は回転率と比率をかけた値だという事である。
売上高利益率は損益(陽)の指標であり、収益性の指標。
総資本回転率は貸借(陰)の指標であり、生産性の指標。
資産と負債、資本は投資を介して結びついている。
債権と債務は、逆方向で、同値、対称的である。
債権から資産が生じ、債務から負債が生じる。
資産の多くは、生産設備であり、売上に直結している。
また、減価償却費は、費用である。
利益は、資本に還元される。
減価償却費と負債の返済条件は、初期投資によって定まる。
減価償却費と月々の負債の返済額は違う。
減価償却は、損益、利益に反映され。
負債の返済額は、収支、負債の残高に反映される。
固定費は、一般管理費(人件費を除く)と人件費からなる。
一般管理費は、費用性資産と結びつく。
土地は償却されず、売買が成立した時、生産される。
土地は、地価によって、含み損益を生じ、資金繰り(収支)に影響する。
流動性資産と流動性負債は運転資本を形成する。
運転資本は資金繰りの変動要因である。
資金調達は、入金だから陰。
資金調達は、負債、増資、収入である。
故に、負債、増資、収入は陰である。
追加の借り入れは、含み資産と将来の収益を担保する。
収益力は、変動費と固定費の比率は、産業構造によって違う。
収益は、市場の規模と成長性、状況に制約される。
費用と負債の増減が鍵を握っている。
費用と負債の増減に影響するのは何か。
利益は、五段階、五種類ある。
粗利益、営業利益、経常利益、特別利益、純利益。
分析の目的の応じてどの利益を採用するかを決める。
採用する利益によって指標の性格は変わる。
データには天地人がある。
売上は、市場の規模と状況に制約される。
市場の何が売上に影響を与えるのか。
売上には天地人のデータがある。
即ち、天が売上高。単価。
人が、顧客数・件数。市場規模(人口)。営業員数等。
地が、販売数量、生産数量、消費量、販売シェア等。
例えば、ガス会社の売り上げは顧客数×単位消費量×単価=売り上げになる。つまり人、物、金をかけ合わせる事で売り上げは計算される。
つまり、人、物、金は説明変数、売上は従属変数になる。
また、人、物、金、各々、独立した動きをする。
単純に売り上げだけ見ていたら経営の実体は分からない。
物価は単価の動きに左右されるし、また、需給に、そして、需給は人口に制約される。
天地人の動きである。
初爻販売量二爻顧客数三爻売上で小成卦を組むこともできる。
組み合わせは自在。