易的な分析をするためのプラットフォームを設定する。
始点は一つとする。
全ては、一点から始まる。
判定は、二者択一。
黒白、正否をはっきりさせる。グレーゾーンを設けない。
課題、問題、目的の基づいて関係すると思われ指標をあげる。
その中から要素を奇数選んで、ユニットを構成しモジュール化する。
ユニットを構成する要素は、基本三つ。場合によっては、五つ(五行)。
選ばれた要素の数によって三角関係、五角関係を形成する。
また、二つのユニットを組み合わせて六角形を形成し、その対角線を結び、その関係を明らかにする。
ユニットを構成する要素を結びつけ、位置付ける。
要素間の双方向の関係を設定する。
特に要素の相関関係を確認する。
要素間の関係は重回帰分析の要領で設定する。
正否、順逆などによって働きの陰陽を判定する基準を設定する。
指標の強弱、高低、安い高いなどの基準は、そのままでは、二者択一にならないので基準線を明確にする。
基本的に判定の基準には、過不足、増減、上下、昇降、順逆、正負、後先、出入、ON・OFF、前後、伸縮、暖める・冷ますなど、二項定理、二者択一的、二元的な事象を基準とし、曖昧な点を残さない。
二者択一的な判定によって形成されるユニットには八つのパターンがある。
パターンには表裏、対称な関係にある対になるユニットがある。
ユニットを、表裏対称的な対の働きによって位置付ける。
八つのパターンを人、物、金、情報の流れによってストーリーを作成し、そのストーリに沿って各要素を関係づけ位置づける。
三つの要素を選択するのだから自ずと三要素が考えられる。
指標には、天地人がある。
また、人・物・金。生産・分配・消費。
上部構造・中間構造・下部構造。
前衛・本体・後衛。
過去・現在・未来。準備・実施・後始末。
序盤・中盤・終盤。序破急。
作戦・情報・兵站。
兆し、現実、反省。
経済分析のためのユニットを構成する指標の候補には以下の指標が考えられる。
物価、金利、為替、株価、人口、所得、成長率、失業率、石油価格。地価。
これにオブジェクト指向を絡めると一つの体系ができる。
操作性に結びつける事が大事。
操作性とは、上げる下げる、押し引く、入れる切る、出す入れる、回す、止める、踏む等。
要するに操縦、制御ができるようにする。
易では小成卦、大成卦(本卦)の配列がカギを握る。
配列には序列がある。
序列には決まり、基準がある。
小成卦は、三つの要素からなる。
大成卦は二つの小成卦の組み合わせである。
大成卦を構成する小成卦は、内卦、外卦からなる。
内卦は、内側、前半、裏側、下方、基礎を現すように、外卦は外側、後半、表面、上方、成果を現すような指標を配置する。
爻の配置は、小成爻は、初爻、一番下、元に置き、順に二爻、三爻と積み上げる。
大成卦は、初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻と積み上げる。
爻には、陰陽の定位がある。
すなわち初爻は陽。二爻は、陰。三爻は、陽。四爻は、陰。五爻は、陽。上爻は陰。
例えば、出は陽、入りは陰だから陽に関わる指標は出を意味し。費用、資産、支出、投資などは陽となる。
入に関わる指標、売上、借入などは陰になる。
また、爻の配列には天人地の順がある。
地は、物理的な事。人は、人事。天は、貨幣価値に換算された事。
地の利、人はの和、天の時とも。
地は地理、人は組織、天は環境とも。
地は国内、人は自分、天は国外。
基本は、上から天人地の配列になる。
小成卦では、初爻が地、二爻、人、三爻が天。
大成卦では、初爻、二爻が地。三爻、四爻が人。五爻、上爻が天に応じる。
時間は、初爻から上爻の方向に流れる。
例えば、年齢は初爻が若年で上爻に向かって年を重ねる。
これらは位置に関わる事だが、初爻の配置はむしろ、働きと関係を重視した方がいい。
易では、ニ爻と五爻を重視する。
基本は五爻を頂点とする。
組織では、中心、頂点を五爻(王、大統領、社長等)におく。
段階では、最盛期は五爻に置く。
これを中心の中爻という。
次に、相対する爻を配置する。
相対する爻は、初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と四爻。
相対する爻の値が、陽と陽、陰と陰なら応じるとし。
相対する爻の値が、陽と陰、陰と陽なら不応とする。
基本、応じる事を吉とし、不応の事を凶とするが、中爻には例外もある。
そして、ニ爻を内卦、下卦の中心、代表とし。
五爻を外卦、上卦の中心、代表とし。
中爻を全体に中心とする。
小成卦、大成卦を構成する爻には一連の関わりのある指標、あるいは、基盤になり指標を選ぶ。
先ずベースを決める。
経済分析では、資金循環統計か、国民経済計算書などは、ベースとしての要件を持ち、一つの全体と部分からなるから最適と私は考える。
そこで、資金循環統計をベースとする。
資金循環統計は、中央銀行(日本で日本銀行)のデータベースを見る。
資金循環にはストックとフロー、過不足があるのでそれぞれ卦を立ててみる。
また海外のデータもあるので、必要に応じて卦を立て分析をする。
例えば、初爻企業二爻家計三爻財政四爻金融五爻為替上爻経常収支
その他に、必要に応じて実体的の指標を組み立てて卦を立てる。
例えば、初爻株価の上下二爻失業率の上下三爻国債の増減四爻金利の上下五爻為替の上下上爻成長率の上下
そして、それぞれの卦の爻を対応させてみる。
株価と企業、家計と失業率、財政と国債、金融と金利、為替と物価、経常収支と成長率。
これらの指標をみて自分なりに組み替えてもいい。
例えば、物価と金利を入れ替え当たり、株価を地価に変える。
そして、自分の目的に応じて卦の序列と構成を組み立てる。
一つの目安は原点を定めてその陰陽から組み立てる。
国の始まりは財政にある、財政には赤字と黒字がある。
財政の基礎は税にあり。税は所得、家計より生じる。
家計の増減、即ち、陰陽があり、財政と合わせて四象が生じる。
家計の増減は企業業績の収益に影響するというように。
経済を分析する際、注意すべき点がいくつかある。
一つは、八つの点でゼロ和均衡が成り立っている点である。
第一に、国際市場の収支はゼロ和均衡している。
第二に、国際市場の貸借はゼロ和均衡している。
第三に、国内市場の経常収支も部門、即ち、家計、法人企業、財政、金融、海外部門は、ゼロ和均衡している。
第四に、国内市場の貸借、資本取引も部門、即ち、家計、法人企業、財政、金融、海外部門は、ゼロ和均衡している。
第五に、国内市場も国際市場も貸借と収支はゼロ和均衡している。
第六に、必然的に収支と貸借は全体でも部分でもゼロ和均衡している。
第七に、過不足もゼロ和均衡する。
第八に、生産、分配、消費は一体だという事。つまり、生産と分配、分配と消費、消費と分配は、ゼロ和均衡する。
二つ目に、経済は循環しながら均衡しており、これが、経済に周期的な変化をもたらしている。
三つ目に、経済には、作用反作用の法則が働き、これが、対称性をもたらしている。
これが何を意味するのか。ここが世界経済を考える上で決定的な点になる。
そして、易的分析をする時、これらを前提としなければならない。
例えば、アメリカの双子の赤字が問題とされるが、これは、部門間がゼロ和均衡しているから必然的である。
つまり、家計収支、企業収支、財政収支、金融収支、海外収支がゼロ和均衡するという事は総ての部門が黒字になるという事自体あるえない。黒字の部門があれば赤字の部門が生じ。黒字の部門の黒字額の総計と赤字の部門の赤字額の総計は一致する。
また、国際市場がゼロ和均衡する以上、総ての国が黒字になるという事はあり得ない。黒字の国があれば赤字の国が生じ。黒字の国の黒字額の総計と赤字の国の赤字額の総計は一致する。
また、過不足もゼロ和均衡している。過剰と不足は対称的で、一致している。
つまり、アメリカの双子の赤字を問題とする時は、アメリカ一国を見てもその原因は明らかにならない。
アメリカが赤字なら対極にある黒字国の位置と状況を見る必要がある。
また、経済は循環しており、絶え間なく変化しながら、均衡を保とうとしてる。
問題となるの赤字が恒久的になり停滞する事である。
停滞すると歪や偏りが蓄積されるからである。
また、どの部門が赤字で、それが、どの方向に動いているかである。
このように見ると個々の部門や国がどのような相、卦を呈し、どの方向に向かているかである。
強引にすべてを黒字化しようとすることは道理から外れる。
問題は黒字、赤字の是非にあるのではなく。
働きにあるのです。ある部門の赤字が、他の部門にどのような影響、働きがあるか。
また、ある国の赤字が他の国にどのような影響、働きがあるのか。
それが、重要なので、赤字だから悪いと善悪の問題にすり替えると、経済は成り立たなくなる。
総ての国を易で編成したユニットで位置づけ、国家間の役割、働きを明らかにすることです。
その為に、個々の国の長所、欠点を天地人の基準に従って明らかにすること。
初爻企業収支の増減二爻家計収支の増減三爻財政収支の増減四爻金融収支の増減五爻為替の増減上爻経常収支の増減を日銀の資金循環表の過不足から出すと実態が明らかになる。
ちなみに、乾為天や、坤為地の卦はでない。
対角線上にあり表裏の関係にある国に注目する。
世界市場は混沌としている。
世界市場は「お金」の大循環によって動かされている。
「お金」の大循環によって取引による流れが起こり、上下、増減、入りと出、ON・OFF、過不足、開閉、伸縮、赤字・黒字が生じる。
それが陰陽である。
陰陽は自他、内外の分別から生じる。
陰陽は、均衡を求める。故に、引力・斥力を生じ、作用反作用となる。
市場のエントロピ ーは増大する。
また取引は等価交換であり。取引の範囲内の経済的価値はゼロ和均衡している。
買い手から売り手の方向に「お金」が流れ。
売り手から買い手の方向に「お金」が流れる。
この双方向の流れが、取引を形成する。故に取引内の経済的価値はゼロ和で保存される。
ゼロ和では、損益はでない。
赤字・黒字と利益・損失とは別の概念。
利益、損失は、単位期間における「お金」の働きに基づいて分別される。
利益・損失は「お金」の売り買い、貸し借りから分別される。
また、利益、損失は長期的、短期的働きによっても分別される。
国家間のやり取り、作用反作用、関係から生じる。
陰があれば陽が生じる。
一国の経常収支は、赤字と黒字を周期的に繰り返す事で均衡が保たれる。
国(自)は世界市場と交易をすると経常収支が生じる。
世界市場と交易する事で内(陰、裏)と外(陽、表)の関係が生じる。
経常収支は、入と出、黒字と赤字、過不足、陰陽が生じる。
赤字と黒字は周期的に入れ替わる事で、物と金は循環する。
国民が最低限の生活が送っていけるだけの資源を生産、あるいは、調達できるか、どうか。
それが、一つの決定的指標である。
それは、経常収支に現れる。
経常収支から為替の上下(円高、円安)が生じる。
太陽は、経常黒字円高。
少陰は、経常黒字円安。
少陽は、経常赤字円高。
太陰は、経常赤字円安。
為替の上下は貸し借りを生じる。
この世界は天地人の別がある。
天は、名目、金、分配。
人は人、消費。
地は実体、物、生産。
天地人の分別によって個々の要素を位置づける。
天地人は三つ巴、ジャンケンの関係にある。
名目は、実体に基づき。
実体は人に操られ。
人は名目に囚われる。
名目に囚われたくなければ、地に足をつける。
個々の要素は、天は、金を根に。
人は、人を根に。
地は、物を根に。
天は、国を作り。
人は、家を建て。
地は、物を育てる。
天は、分かち。(分配)
人は、費やし。(消費)
地は、生む。(生産)
天は、均衡し。
人は、必要とし。
地は、供給し。
天は、恵み。
人は、働き。
地は、場を作る。
金は、天下の周り物。
働くのは、人。
果実は、地から生じる。
財政は、天により。
家計は、人により。
企業は、地による。
天地人、相和して、この世を回す。
天地人が相克するとこの世は乱れる。
家計が中心になって、財政と企業は均衡する。
為替によって金融や経常収支は動く。
家計と為替が中心となる。
小成卦では。初爻が地。二爻が人、三爻が天。
大成卦では、初爻二爻が地。
三爻四爻が人。
五爻上爻が天。
国際交易から国内、国外の分別が生じる。
国内取引から内卦。国外取引から外卦を構成する。
国内の市場を構成するのは、初爻企業、二爻家計、三爻財政。
国外の市場を構成するのは、初爻金融、二爻為替、三爻経常収支とする。
金融は市場の裏で働くから外に出す。
故に、本卦は、初爻企業二爻家計三爻財務四爻金融五爻為替上爻経常収支。
陰陽は、資金循環表(日本では日銀作成)の収支の過不足、貸借の過不足から判定する。
現金収支から、収入と支出(陰陽両儀)が生じ。
収支から売り買い、貸し借りの四象が生じる。
売り買い、貸し借りは損益、貸借の元となる。
企業に金融が応じ。
家計に為替が応じ。
財政に経常収支がおうじ。
中は、家計(消費)と為替の関係になる。
「お金」だけでなく、人や物で卦を立てる事もできる。
例えば、初爻生産量、初爻、人口、三爻、総所得のように。
あるいは、初爻、総人口、二爻、失業率、三爻、総所得など。
資金循環統計をベースに経済の体制を作る。
それを分析した結果に対し裏付けとなる指標を見る。


まず、内卦で、国内事情を見てみる。
乾は、財務も、家計も、企業も拡大している。
景気の加熱や、物価が上昇している危険性がある。
物価や地価の動向等の指標を合わせてみる。
滅多に現れない。
内卦が全て陽だとすると外卦に陰が潜む。
外卦に位置するのは、金融と海外部門。要注意である。
指標に、先行指標、遅行指標もある。先行指標は兆しである。
兌は、財務だけが減、陰で、家計も、企業も陽。
兌の卦は失われた時代という時代には恒常的に表れている。
一見、表面は輝いて見えるが、裏で深刻な事態が進行していることが考えられる。
外卦である金融と為替、経常収支の動き、卦に注意を払う必要がある。
バブル崩壊までは、坎がバブル崩壊後は兌に転換している。バブルの時は、巽の卦が現れている。
資金循環だけでなく、他の指標によって立てた卦も見る必要がある。
その他に、必要に応じて実体的の指標を組み立てて卦を立てる。
例えば、初爻株価の上下二爻失業率の上下三爻国債の増減四爻金利の上下五爻為替の上下上爻成長率の上下。あるいは。株価を地価に変えたり、国債を税収で見るのも一つである。ただ、表面の動きだけでなく裏側、特に、外卦に注意を払う必要がある。
バブルによって、三つの余剰、設備、雇用、債務が生じた。
これは、将に、天(債務)、地(設備)、人(雇用)の無駄を意味する。
離は、財務が増、家計減、陰。で企業が陽。
家計が減という事は将来の購買力に影が差している。
バブル崩壊後、しばらくして見られた相。
震は、財務が減、家計が陰、企業が陽。
現在の日本を現した相と言える。
巽は、財務が増、家計が増、企業が陰。
バブルの時に見られた相で、民間活力が低下している相である。
坎は、財務が陰、家計が増、企業が減。
バブル崩壊後、度々現れた相。
艮は、財務が陽、家計が陰、企業が陰。
民間の成果が財務に奪われている相。全体所義国や独裁主義国にみられる相。
坤は、財務が陰、家計が陰、企業が陰。
行き着く先の日本の相である。
日本は、高度成長後、ずっと、財政は赤字に見えるが増減で見ると減とは限らない。
微妙な変化を増減から読むのが鍵である。
高度成長時代には、巽と坎が基本で財務と金融は均衡を保つように働く。
それがバブル崩壊後、兌の卦に変化する。
バブルの時は巽。
栄枯盛衰、有為転変は、世のならい。
物事には陰陽があり、陰陽から、表裏が生じる。
対極を見よ。裏卦を知れ。
次に行くべきはどの象(かたち)か。
万物は流転し、変化し続ける。
諸行無常。
一が二となり三となる。
色即是空
空即是色
総ては一からで出てゼロとなる。空。
変易、不易、簡易。
万物は留まるところ知らず、故に、実体は働きに転じる。
何事もすべては無分別で、一。
最初は自他の分別から。
ただはじめは自分を知らない。
分別は、自分の側にある。
見よ。生病老死を。
今、この時を見て。自分に忠実たれ。
今、自分は、どこにいて、何をなすべきか。
自分の縁(えにし)は何か。
向こうに見えるのは明日の我が姿。
政策は、構造的、複合的で、金利だけとか、公共投資だけ、税だけ見ていても解決できない。
むしろかえって拗らせる。
バブルの際も、地価だけ狙い撃ちしただけでは、根本的な解決には至らない。
表面に現れた現象に囚われ対処療法では病と根治する事はできない。
表面に現れない、陰に隠された病巣を明らかにしたうえで根本的な診断に基づいて処置しなければ。
熱が出たから、熱さましをすればいいというのではない。
どの部分が、どの部分に影響を及ぼし、作用するのかを俯瞰的にとらえる必要がある。
基本的には高度成長時代は、民間企業が、資金不足主体で、家計が資金余剰主体という構図で財政と金融は均衡を保ってきた。
その為に、経済の成長率と企業の売り上げは相関関係が強かった。それを地価の上昇が裏付けてきた。
それで、企業は陰、家計は、陽、財政は陰陽、均衡をとる巽か坎。
それが、市場が飽和状態になり、成長が鈍化するに従って緊張関係が緩み、相関関係が弱まっていた。
ただそれでも緩やかにとどまていたのが、政策的な円高になり、本業で儲からなかった分、円高で高騰した資産を活用して補おうとした。
それがバブルの原因である。
根本の経済構造の変化を見逃して、対処療法的にバブルを潰した結果、市場の底を抜き。
経済構造そのものを機能不全に陥らせた。それが長期低迷である。
それは資金の過不足の推移を見れば明らかである。
経済の健全さを取り戻す為には、企業、家計、財政の関係を正常な状態に戻すしかない。
ただ、そのためには相当の苦痛を伴う覚悟をする必要がある。
次に、経済体制を五行に置き換える事ができる。
フローの資金循環グラフを見るとストックもそうですが家計が基礎となっていますね。
故に、五行では、家計は土、土から企業は育つから企業は木、金は金融、国は火で、世界は水とす。
木が火を生む(木生火)。木をこすると火が生じ、木が燃えて火になる。
火が土を生む(火生土)。火は木を燃やし、灰(土)を生じる。
土が金を生む(土生金)。土の中から鉱物(金属)が採掘される。
金が水を生む(金生水)。岩石の割れ目や地層のすきまに地下水がある。
水が木を生む(水生木)。水が草木を生長させる。
木は土を抑える(木剋土)。種(植物)は土をやぶって出てくる、木が土砂崩れを防ぐ、草木は土に根をはって土の養分を吸収する。
土は水を抑える(土剋水)。土は水を吸収して、せき止める
水は火を抑える(水剋火)。水は火を消す
火は金を抑える(火剋金)。火は金属を溶かす
金は木を抑える(金剋木)。金属(斧・ノコギリなど)は木を切り倒す
経常収支、金融、財政、家計、企業で五角形を形成し、それぞれを、結びつける。
その上で各々の関係を物と金の出入りで関係づける。
例えば、家計は、短期的には財政に対して税を支出し、給付で還元される。長期的には公共投資に酔て還元される。
財政の収入は、税金と国債、支出は、所得の再配分と公共投資。
家計の収入は、所得と借金で支出は、消費と住宅投資。
企業の収入は、売上と借入金で、支出は所得と設備投資。
金融の収入は預金と貸出金利で、支出は貸出、預金金利。
経常収支は、収入は輸出と海外からの融資から、支出は輸入と海外投資。
財政が悪化すると所得の再分配に支障をきたす。
所得が減って家計の購買力が低下すれば売り上げは減退する。
売り上げが限定すれば所得は伸び悩み、税収も減る。
物が不足し、通貨の流通量が増えれば物価は上昇する。
五行では、相生、相克関係が重要となる。
税は家計から生じ。
増税は家計を圧迫する。
五行は、互いに相対であり、相待である。
「お金」は、水と同じで大循環している。
物は「お金」の流れに乗って流れているのである。
全体としては水の量は一定でも、天候や地の利、人の活用によって、旱魃、日照りにもなり、砂漠も生じる。
いかに、「お金」の循環を正常に保つかは治水と似ている。
「お金」の流れは、一定方向に直線的に流れているわけではない。
「お金」は循環させないと効用を発揮しない。
「お金」を自分の都合や私利私欲でせき止めたり、貯めると、「お金」の流れは淀み、滞留し、乱れ、荒れ狂う。
津波を起こし、洪水になり、あらゆる物事を押し流す。
大水の前に人の力は非力である。
人は「お金」を使って、互いに結びつき、あるいは、対立し、連鎖し、全体を動かす。
互いの動きをよく観察し、位置づけ、関係を知る。
相対、相待、相生、相克。
目の前を投げる川は一つの方向に流れているように見えるが、やがて、大海に水を注ぎ、大海から水は蒸発し、やがて雲になり、雨となって山に雨を降らす。
黄河やナイルのような大河も同じ。
一国、一企業、一家計だけでは、経済の動きは予測できない。
天気予報にもならない。
経済の根本は取引である。
取引は、相手があって成り立っている。
出す者がいれば入れる者がいる。
入れる者がいれば出す者がいる。
相和して一体なので、一人では成り立たない。
わが方が、赤字だからといって嘆く前に、赤字によってどのような働き、影響をどこにどのように及ぼしているかを明らかにする事の方が先決である。
況や、黒字の国が優れていて赤字の国が劣っているという事はない。
赤字であろうと黒字であろうと自分の役割を果たし、生きていけるかが肝心なのである。
自国の経常収支が赤字の時、必ず、黒字になる国が生じる。
財政が赤字の時は、企業、家計、海外部門、金融、いずれかが黒字になる。
要は均衡が保たれているかである。
赤字黒字は対なのであり、赤字が黒字国にどのような作用を及ぼし、黒字国が赤字国にどう役立っているかを知る。
互いの役割を知らなければ、何が正しくて、何が悪いかは判別できない。
それは国家間でも部門間でも同じ。
それを力づくで解決しようとすればするほど、事態はこじれ解決から遠のくのである。
赤字国、黒字国の関係は相互補完関係にあるはず。
相待関係にある。
栄枯盛衰、有為転変は、世のならい。




基軸通貨国のような役割を既得権や、権益の様にとらえるのは間違いで、それぞれの国がどのような役割と働きをするか。最終的には均衡の問題で、どんな役割にもメリット、デメリットがある。
基本、ゼロ和だという事を忘れない事である。
人間は、経済をも自分の思い通りに操れると思い込んでいるかもしれない。
かつて、科学技術によって自然を支配したと思い込んだ時のように。
それは、天を、神を恐れぬ、侮る事で、その報いは直ぐに現れた。
自然保護など思いあがった事だ。自然は一度たりとも人に保護された事はない。
人は常に自然に保護されてきたのだ。
それを忘れた時、人は、自然界から保護されなくなる。それが摂理で。
神の力を手に入れたとしても神になれるはずもなく、いわんや神を超えられるわけでもない。
力を制御できる心がなければ、手に入れたはずの力によって自滅するだけだ。
汝、自らを恐れよ。
人は、幸せな時、神を侮り。
不幸になると神を罵る。
しかし、神は、神だ。
神を、必要としているのは、人間であり、
神は、人間を必要としていない。
神は何も語らない。ただ指し示すのみ。神を信じるか、信じないかは、人の問題。
天地人の調和を求める。それが易の本義である。