この世の全ての事象は、我々が認識する以前は、混沌として、無分別で、無意味で、無色で、無窮で、無限で、空しい。
混沌とした元を易では太極とする。
位置もなく、運動もなく、関係もない。過去も、現在も、未来もない。
故に、意味も、変化も理解ことができない。
自と他の区別もない。
色即是空
空即是色
二にして不二
不二にして二
それでは、この世で生きていくのが難しい。
そこで、分別が生じる。
最初の分別は、相対的である。
自分があって、他人が生じる。
上があって、下がある。
右があって、左が生じる。
高があって、低が生じる。
増があって、減がある。
強があって、弱がある。
出があって、入りある。
売りがあって、買いがある。
貸しがあって。借りがある。
暖があって、寒がある。
前があって、後ろがある。
順があって、逆が生じる。
正があって、負がある。
善があって。悪が生じる。
真があって、偽が生じる。
美があって、醜が生じる。
表があって、裏がある。
明があって、暗がある。
陽があって、陰がある。
易に太極あり、太極から両儀生じる。
両儀とは、陰陽である。
陰陽の法則は、以下の点である。
陰陽対立。陰と陽は順逆の関係にある。作用反作用にある。
陰陽対称。陰と陽は、対称的である。
陰陽常在。陰と陽は、常に存在する。、
陰陽依存。陰と陽は。相互に依存している。陰陽は、相対的であって陰があって陽がある。陽があって陰があるという関係で成り立っている。
陰陽独立。陰と陽の存在は依存しあう関係にあるが、陰の働きと陽の働きは、独立している。売りがあって買いがあり、売り買いは一体、依存しているが、売りと買いの働きは各々独立している。
陰陽消長。陰が増えれば、陽が減り、陽が増えれば、陰が減ること。
陰陽転化。陰は陽に、陽が陰に、変わること。陰の元は太極であり、陽の元は太極であるということを意味する。
つまり陰陽は太極という、一から生じる。
陰陽と言っても、陰とは何か、陽とは何かと、辞書的、観念的にとらえる必要はない。
陰、陽を働きや状態だと思えばいいのである。
相反する、反対方向に働く作用。
作用反作用の関係にある働き。
これは、認識の作用反作用にも通じる。
外に対する働きは、内に対する働きを伴う。
自分が話すことは相手が聞く事をで成り立つのだし。
自分が売る事は、買い手がいる事を意味している。
見るという事は、見る対象を前提としている。
売ると買うは、同じ行為を視点を変えて認識しているだけである。
易というのは、この世界は、変化、即ち運動によって成り立っている。
変化の基本は循環運動だとする。
変化の根源を相反する方向、逆方向の二つの力に分解し、その働きによって変化の原因を解き明かそうとするのである。
一方の力が弱まると、同じ量だけもう一方の力が強くなり力が極まったところで、変化の方向が反転する。
つまり、作用反作用の関係が成り立っている。
その反復運動に予て万象は、回転運動をすると考えるのである。
これは周期運動の原則でもある。
二つの方向とは、順逆、増減、強弱、高低、寒暖などで、寒さが弱まると段々い暑さが強くなり、暑さが極まると、寒さの力が強くなる。
この暑さ寒さの働きによって四季がなりたつ。
陰陽は、+-でとらえてもいい。
そして+-、INOUT、これらを組み合わせ、さらにオブジェクト指向を取り入れると、相手に合わせた対応をとっても一貫性は失われずに済む。
売り買い、貸し借りは、対象関係にある。
主体をどこに置くかの認識の違いである。
市場は、取引によって成立っている。
そして、取引は総て等価交換である。
この点を誤解している人が結構いる。
取引には、利益が含まれていて、引き価値の商品を高く売りつけていると。
それで、取引を詐欺行為、搾取だと。
だから、安売りは正義だと。
それは誤解であり、取引は常に等価交換で、等価交換だから成り立っている。
利益は、付加価値の一部を構成しているのに過ぎない。
営利行為は、詐欺とは違う。
取引が等価交換であることを理解することで、利益を得るためには単に高く売るだけでなく、付加価値を提供することが重要であることが理解できる。
取引が等価交換である事により、取引が双方にとって有益なものとなり、持続可能なビジネス関係が築かれます。
取引の元は一だという事。
取引を認識し、成立するために、売と買、貸と借が生じた。
市場に太極あり。太極から取引が生じる。
売り手がいれば、買い手がいる。
貸し手がいれた、借り手がいる。
入金があれば出金がある。
債権が生じれば、同額の債務が派生する。
つまり、同じことが視点を変えると二つの行為になる事を陰と陽とする。
そこから、表裏の関係にある働きを反復、繰り返して、分類していく。
ある意味で弁証法的にである。
その上で、六段階の階層や経過によって変化を解析しようというのが易である。
まず、卦として状況や前提条件を明らかにし。
その概要、とるべき方針を卦辞としてあらわし、相手の状況条件に沿って爻辞を解釈する。
この手順が大切で。まず全体、全貌を捉え、それから、相手の置かれている状況を確認して。相手の立ち位置に沿って対策を立てていく。
触れるから、感じるので。
触れると感じるは作用反作用の関係にある。
書くから、見れるので。
書くと見るとは、作用反作用の関係にある。
易に、不易、変易、簡易の三義あり。
物事は、普遍な事と変化する事に予て構成されていてその法則は、単純明快である。
自然は変動的要因と、普遍的要因があり、その関係は、数式によって単純化できる。
易の世界では、言葉の意味が問題なのではなく、働きが問題なので。
増えるとか、減るといった働きで。
善とか悪とか。真か偽かの意味ではなく。
だから、相反する言葉でなく、働きなのである。
つまり、自分や原点から見て、対称的作用、相対的作用で、右と言えば左があり。
前と言えば、後ろがある。
そういった相関関係が鍵。
売り手がいれば、買い手がいる。
貸し手がいれた、借り手がいる。
入金があれば出金がある。
債権が生じれば、同額の債務が派生する。
つまり、同じことが視点を変えると二つの行為になる事を陰と陽とする。
原点は、一つ。一が二となり。
そこから、表裏の関係にある働きを反復、繰り返して、分類していく。
ある意味で弁証的にです。
例えば、イン・アウト、イエス・ノー、遠ざかると近づく、売り買い、貸し借り、内・外、前進と後退、攻めと守り、渡すと受ける、押すと引く、静と動、勝と負。
静と動は、動いている点を止めると静止して点が動き出すという関係。
このように作用反作用の関係にある働きに二律背反にある作用と状態を加味していく。
例えば、上げ・下げ、強・弱、裏・表、発散と収束、吐くと吸う、増と減、明と暗、名と実、濃と淡。
上げと下げが連動している時は、それも、計算する。
両儀より四象が生じる。
四象とは老陽、少陰、少陽、老陰をいう。
「老陽」と「老陰」は「太陽」「太陰」と書くこともある。
少陰は、陽の中に陰が入り込み。少陽は、陰の中に陽が入り込む
少陽は老陽に変わり、老陽は少陰に変わり、少陰は老陰に変わり、老陰は少陽に変わる。
四季になぞらえれば、少陽は春、老陽は夏、少陰は秋、老陰は冬になる。
四象から八卦が生じる。
老陽から乾と兌が生じ。
少陰から離と震が生じ。
少陽から巽と坎が生じ。
老陰から艮と坤が生じる。
初めのころ陰陽の二つだけしかなかった。
それが発展して八卦が生まれ、さらに細分化されて誕生したのが六十四卦です。
八卦は、易の基本中の基本となる、八種類の要素のことを指している。
この八種類の要素(天・沢・火・雷・風・水・山・地)によって成り立っていると古代中国では考えられていた。
是の故に剛柔相い摩(ま)し、八卦相い盪(うご)かす。
乾は大始を知(つかさ)どり、坤は成物を作(な)す。乾は易(い)をもって知(つかさ)どり、坤は簡をもって能(よ)くす。
八卦は、それぞれ三つの爻(こう)から成り立っています。
これを小成卦という。
それぞれの八卦が持つ意味合いを自然現象になぞらえたものが、正象。
八卦一つひとつが持つ、基本的な性質や特徴などを表したものが、卦徳。
その八卦を上下二つ組み合わせて、六十四卦が構成されています。
六十四卦は八卦の二倍にあたる六つの爻で構成されています。
易の基礎になるのが六十四卦である。
六十四卦の別の呼び名が、本卦という。
本卦は、現在の状態や自分自身について、もっとも顕著に表す部分とされる。
六十四卦の一つひとつに名づけられている呼び名のことを、卦名(かめい)と言う。
六十四卦の一つひとつを説明した解釈の言葉を、卦辞(かじ)と言う。
内卦(ないか)を近いところとし、外卦(がいか)を遠いところとする。
内卦を自分とし、外卦を相手とすることもある。
内卦を内側とし、外卦を外側とすることもある。
内卦を下方とし、外卦を上方とすることもある。
爻とは、易の卦を表現する際に使用される棒記号のことを指します。
まっすぐな横棒─と、真ん中に切れ目のある横棒- -の二種類で表現されます。
爻は陽と陰に分かれ、─が陽、- -が陰を意味し、それぞれ陽爻、陰爻と呼ばれます。
さらに、奇数は陽、偶数は陰とされており、陽爻を数字の九、陰爻を数字の六で表します。
この爻が三つ組み合わさるとと八卦となり、さらに八卦が二つ組み合わさり六つの爻となったものが六十四卦となります。
爻には、天地人の位があり。これを三才という。
小成卦では一番下の爻が地の位、二番目の爻が人の位、一番上の爻を天の位とします。
小成卦も本卦、大成卦もこの天地人の、二つから成っています。
六十四卦の別の呼び名が、本卦。
大成卦とは本卦で構成された爻のうち特定の爻の陰陽を入れ替えたものをいう。
爻辞こうじという爻についての解釈の言葉が示されてもいます。
八卦は象を以て告げ、爻(こう)彖(たん)は情を以て言う。剛柔雜わり居(お)りて、吉凶を見る可し。変動は利を以て言い、吉凶は情を以て遷(うつ)る。是の故に、愛(あい)悪(お)相い攻めて、吉凶生じ、遠近相い取りて、悔吝生じ、情偽相い感じて、利害生ず。凡そ易の情、近くして而して相い得ざれば、則ち凶、或いは之を害し、悔い且つ吝なり。
八卦は、易の基本中の基本となる、八種類の要素のことを指している。
この八種類の要素(天・沢・火・雷・風・水・山・地)によって成り立っていると古代中国では考えられていた。
天の四象は陰と陽の交合によって生じる日(太陽)・月(太陰)・星(少陽)・辰(少陰)、地の四象は剛と柔の交合によって生じる水(太柔)・火(太剛)・土(少柔)・石(少剛)としており、五行説に代えて、この日月星辰・水火土石の交錯をもって天地万物の生成変化を説明する。
八卦というのは、乾(けん)・兌(だ)・離(り)・震(しん)・巽(そん)・坎(かん)・艮(ごん)・坤(こん)の八つの卦から成ります。
それぞれの卦にはこの世の事象を表現する形である「象(しょう)」が与えられていますが、そのなかでも代表的な象を「正象」といい、自然の要素を用いて表します。
正象
乾は、天を表し。
兌は、沢を表し。
離は、火を表し。
震は、雷を表し。
巽は、風を表し。
坎は、水を表し。
艮は、山を表し。
坤は、地を表す。
卦徳
乾の働きは、健
兌の働きは、説(よろこ)ぶ。
離の働きは、麗(つ)く、明。
震の働きは、動く。
巽の働きは、入(い)る。
坎の働きは、陥る。
艮の働きは、止(とど)む。
坤の働きは、順(したが)う。
天地位を定め、山澤気を通じ、雷風相薄り、水火相射わず、八卦相錯わる。
往を数うる者は順にして、来を知る者は逆。
是の故に易は逆数なり。
神なる者は、万物に妙にして為すものなり。
万物を動かす者は、雷より疾きは莫し。
万物を橈ます者は、風より疾きは莫し。
万物を燥かす者は、火より熯かすは莫し。
万物を説ばす者は、澤より説ばすは莫し。
万物を潤す者は、水より潤すは莫し。
万物を終え万物を始むる者は、艮より盛んなるは莫し。
故に水火相逮び、雷風相悖らず、山澤気を通じ、然る後能く変化し、既く万物を成すなり。
天の道を立てて陰陽と言い、地の道を立てて柔と剛と言い、人の道を立てて仁義と言う。
又、始めをたずねて終わりに返ることによって死生を知ると言う。
八卦は、それぞれ三つの爻こうから成り立っています。
それぞれの八卦が持つ意味合いを自然現象になぞらえたものが、正象。
八卦一つひとつが持つ、基本的な性質や特徴などを表したものが、卦徳。
乾は健なり。坤は順なり。震は動なり。巽は入なり。坎は陥なり。離は麗なり。艮は止なり。兌は説なり。
乾を首と為し、坤を腹と為し、震を足と為し、巽を股と為し、坎を耳と為し、離を目と為し、艮を手と為し、兌を口と為す。
その八卦を上下二つ組み合わせて、六十四卦が構成されています。
六十四卦は八卦の二倍にあたる六つの爻で構成されています。
初爻、二爻三爻の三爻を内卦とし、四爻、五爻、上爻の三爻を外卦とする。
昔者、聖人の易を作るや、将に以て性命の理に順わんとす。
是を以て天の道を立てて陰と陽と曰い、地の道を立てて柔と剛と曰い、人の道を立てて仁と義と曰い、三才を兼ねて之を両にす。
故に易は六画にして卦を成す。
陰を分かち陽を分かち、迭いに柔剛を用う。
故に易は六位にして章を成す。
六十四卦の一つひとつに名づけられている呼び名のことを、卦名かめいと言う。
六十四卦の一つひとつを説明した解釈の言葉を、卦辞かじと言う。
卦の構成
一番下の爻が初爻。
初爻があらわすのは、弟妹。平社員。村。足。季節は1月~2月。
下から二番目の爻が二爻。
二爻があらわすのは、自分自身を表している部分です。
会社の中では係長。町。脚部。季節は3月~4月。
下から三番目の爻が三爻。
三爻があらわすのは、兄、姉。課長。市。股や腰。季節は5月~6月。
下から四番目の爻が四爻。
四爻があらわすのは、母。重役。大都会。腹。季節は7月~8月。
下から五番目の爻が五爻。
五爻があらわすのは、父。社長。首都。胸や背中。季節は9月~10月。
一番上の爻が上爻。
上爻があらわすのは、祖父母。会長。郊外。頭や首。季節は11月~12月。
面白いのは、自分が二爻に置かれている事である。
陰陽には正、不正の定位がある。
易では、奇数は陽、偶数は陰とされます。
そして、爻の位によって陰陽の決まった席があり。
奇数である初爻、三爻、五爻は陽の席で、陽があるのが吉。
偶数である二爻、四爻、上爻は陰の席で、陰があるのを定位とし、吉とする。
ちょうど、完成を意味する卦の水火既済がその条件に当てはまります。
出た卦の各爻を、陰陽の定位に当ててみて、陽の位に陽爻があれば
「位が当たる」、「正位を得る」と言って、正当と見る。
そうでない場合、「不正」「失位」「失正」などといって
自然の法則や正道に反すると見ます。陽の位に陰でいる場合は消極的になり
陰の位に陽でいる場合は力以上のことをやりすぎる傾向がある。
しかし、これはあくまで原則であり、比・応・乗・承の関係で必ずしも吉凶は決定的ではない。
爻には、中と正がある。
中とは下卦の真ん中、上卦の真ん中、すなわち二爻と五爻をいいます。
これが爻の定位どおり、つまり二爻が陰、五爻が陽の場合に「中正」といい、大変に良いものとされる。
易では中の徳を尊ぶ、「時中の教」という言葉もある。
二爻が陽で、五爻が陰の逆の相であっても
定位の時ほどではないにしても、やはり人から評価される。
二爻が陽であれば「行動力があり、頼もしい」とか、五爻が陰であれば
「思慮深く、信頼できる」といった誉め方をされる。
ですから、二爻と五爻は定位であろうとなかろうと
基本的に安定した好ましい位であるということです。
これに対して、その他の爻の場合では、位が正しいか正しくないかが重要視される。
五爻の陽位に陽爻をもっている時は剛健中正といい
二爻の陰位に陰爻をもっている時は柔順中正といって、最も吉幸に富むものとされ
たとえ位が正しくなくとも、剛中であるとか柔中であると不正は咎められないのに対して、ほかの諸爻は位が正しくとも、必ずしも吉幸とはならない。
不正の場合は明らかに凶の意味が協調されることになります。
これは、三爻(凶多しといわれています)と
四爻(催れ多しといわれています)、および上爻の場合に、顕著です。
そこで、爻の中・正・不中・不正に関連して
吉・凶・悔・吝・各なしといった判定が下されるのです。
卦の種類には、本卦、意外に、内卦、外卦、単卦、裏卦、(重卦)、互卦、之卦、錯卦、綜卦、賓卦、(齏卦)がある。
内卦とは、六十四卦に組み合わされている六本の爻のうちの下三つにあたる、初爻・二爻・三爻のことを指す。また、下の部分にあることから、別名、下卦とも呼ばれる。
外卦とは、六十四卦に組み合わされている六本の爻のうちの上三つにあたる、四爻、五爻、上爻のことを指す。また、上の部分にあることから、別名、上卦とも呼ばれる。
本卦(ホンカ)とは、主体となる大成卦のこと。
之卦(シカ)とは、広義には、互卦、錯卦/裏卦、綜卦/賓卦など本卦から変じる大成卦。今後の可能性を現し。
狭義には、本卦の1つの爻だけを陰陽反転する大成卦。
変卦(ヘンカ)とは、之卦に同じ。
互卦(ゴカ)とは、本卦の二爻・三爻・を内卦/下卦とし。
三爻・四爻・五爻を外卦/上卦とする大成卦。隠されている事を暗示し。
錯卦(サツカ)とは、本卦の六爻すべてを陰陽反転する大成卦。逆の状況を現し。
裏卦(リカ)とは、錯卦に同じ。
綜卦(ソウカ)とは、本卦の六爻すべての位置を上下逆転に配置する大成卦。本質を現している。
賓卦(ヒンカ)とは、綜卦に同じ。
変爻(ヘンコウ)とは、これから変じる一つの爻。
天下同人を例にとると。
天下同人の之卦、変卦は、沢火革、離為火、風火家人、天雷无妄、乾為天、天山遯の六種類が現れる。
天下同人の互卦は、天風姤。
天下同人の裏卦は、地水師を現す。
天下同人の錯卦、賓卦は、火天大有である。
変爻は、逆の陰陽に変化する爻を求めます。
求めた爻の陰陽を入れ替えて得られる大成卦を、之卦と言う。今後起こりうる可能性を暗示しています。
ただ、あくまでも予測であり、必ずしもその方向に向かうとは限りません。さらに、裏に隠された事情や秘められた問題点などを詳しく探る場合などにも使用されます。
現れた六十四卦すべての爻の、陰陽を入れ替えたものを裏卦と呼ぶ。
隠れた自分や他人の本心を探りたい場合や、物事や状態の裏の意味を知るための参考になることがあります。
変爻によって、変化を予測する。
変爻は、逆の陰陽に変化する爻を求めます。
求めた爻の陰陽を入れ替えて得られる大成卦を、之卦と言う。今後起こりうる可能性を暗示しています。
ただ、あくまでも予測であり、必ずしもその方向に向かうとは限りません。さらに、裏に隠された事情や秘められた問題点などを詳しく探る場合などにも使用されます。
現れた六十四卦すべての爻の、陰陽を入れ替えたものを裏卦と呼ぶ。
隠れた自分や他人の本心を探りたい場合や、物事や状態の裏の意味を知るための参考になることがあります。
応爻と比爻、乗と承
応爻とは、内卦と外卦のそれぞれの爻が、二爻ずつへだてて
陰陽互いに相応じ、呼応し合う関係のことをいう。
初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と上爻との関係について陰陽応じているものをいい、陰同志・陽同志の場合は不応、または害応・敵応といい、すなわち応じていないとする。
応爻とは…?
初爻と四爻の関係が「応爻」です。
二爻と五爻の関係が「応爻」です。
三爻と上爻の関係が「応爻」です。
この三種類の関係のことを「応爻」と言い、どんな場合においても、これは変化しません。
応で重要なのは、二爻と五爻との応で、ともに中を得ているもの同志の応であり。
両者の協力によって大事をなし遂げることができると考えられるからです。
これに対して、不応、つまり害応の場合は、応援や協力を得られないため大事の決行は無理ということになります。
つまり、費用と負債の関係が重要となる。
比爻とは、隣にある爻が陰陽の関係にあるものをいう。
比は、親しむの意味で、男女が隣り合わせの席に座るようなもので、親密な関係を示す。
陰と陰、陽と陽とは不比となり互いに親しまず。
他人同志でよそよそしい関係とみます。
応爻の関係が世間や取引先からの応援や協力であるのに対して、比爻の関係は、友人や親類や隣り近所といった身近な
狭い人同志の協力や援助を指す。規模は小さく、応爻ほど力は強くありません。
水火既済の卦では、六爻すべて応爻および比爻となっています。
「陰と陰」「陽と陽」など同じものでは引き合いません。
「陰と陰」の場合は互いに弱く、引き合う力がありません。
「陽と陽」では、互いに強いため、反発し合います。
乗とは、比爻の関係で、陰爻が陽爻の上にあるときをいい。
好ましくないとされます。
承とは、同じく比爻の関係で、陰爻が下で陽爻を受けている場合をいい。
好ましいとされます。
いろいろ判断する場合、乗も承も陰爻をもととして比爻に陽爻がくるかこないかを見る場合が多い。
易には、天地人の相がある。
天の時、人の和、地の利。
天の時とは、段階、手順、順序等。
人の和とは、組織、地位等。
地の利、社会、環境、ロケーション等。
易によって観相をする相手や対象の天地人の条件が前提となる。
陰陽は、回転、循環、周期、波動運動である。
回転、循環、周期、波動の動きは、前後、上下、左右、寒暖、内向外向として現れる。動きには、位置と方向がある。
回転、循環、周期、波動の働きには、強弱、増減、高低等がある。
その他の働きには、速度等がある。
この様な動きや働きが天地人に感応して卦を生み出す。
易を観る人、対象によって爻の読む位置が変わる。
時間は、爻には六段階がある。
易では、五爻を頂点とする。
順序というより、どこに重点があるかと考えればいい。
変化では、五爻が頂点で、上爻は、終点。
そこから、初爻は始点で、二爻が出発点といえる。
故に、二爻と三爻が、中となる。
段階を四つに区切り、五爻を最終到達点とし、上爻余生と見なす。これが天の時。
組織における役割にも段階がある。
初爻新人、二爻見習い、三爻担当、四爻責任者、五爻統括、上爻相談役。これが人の和である。
地の利にも段階がある。
初爻自分の生活範囲、二爻仕事の範囲、三爻国の範囲、四爻同盟国、五爻世界、上爻宇宙。
このような易の構造を活用して、分析用のプラットフォームを作る。
占うのではなく、爻には何らかの事象や数値を当てはめていく。
つまり易の構造が重要なのである。
二進法であり、今日のコンピューター言語にも通じる。
経営分析に例えると。
易は、経営実態や要素間の関係を図式化しなお、シミレーションできるモデルだと考えていい。
経営分析の原点は決算書の分析から入る。
借方が、出で陽。貸方が、入で陰。
問題は卦の象の組み方にある。
いくつかの象を考える。
象には絶対的という象はない。
先ず、内卦、外卦の象を組み立てる。
一つは、内卦を損益とし、外卦を貸借とする。
一つは、内卦を貸借とし、外卦を損益とする。
いずれにしても、相互に裏卦の関係になる。
次に、八卦の構成だが。
一つは、損益の構成を、初爻を収益、二爻を費用、三爻を利益とし、貸借の構成を、初爻を負債、二爻を資産、三爻を資本とする。
一つは、初爻を利益、二爻を費用、三爻を収益とし。貸借の構成を、初爻を負債、二爻を資産、三爻を資本とする。
今回、私は、初爻を収益、二爻を費用、三爻を利益、四爻を負債、五爻を資産、上爻を資本とする。
決算書を太極とし、それから、借方、貸方を両儀とする。
上爻資本
五爻負債
四爻資産
三爻売上
二爻費用
初爻利益
陰陽は、対前年を使う。
並べ順や組み合わせを変えると多様な分析ができると思う。
爻を使う事で視覚的に訴えられ、五段階に色分けせればより立体的になる。
利益は、利益は、青の濃淡で、損失は赤の濃淡。マッピングの手法で。
費用は、前年との差。そうでないとプラスマイナスが判定できない。
濃淡をつける事で程度が視覚化できる。資金の増減で考えてもいい。
また、八卦で、上下に分けると違った見方ができる。
例えば、資本、資産、負債の象と利益、費用、収益の象で分けて見立てたり、上下を入れ替える。
陰陽を、部分的に入れ替え変爻を見てみる。それは将来予測にもつながる。例えば、減益を増益に置き換えてみる。
最終的にユーザーインタフェースをダッシュボードにするとコックピット化できる。
例えば、決算書を卦としてあらわす場合。
先ず、決算書から全体の卦を出し、その後。借方、貸方、別々に卦を出して比較してみる。
七行二列の表を三つ作り。
借方(陽・運用・出)とし、貸方(陰・調達・入)とする。
一つは、統合された決算書
初爻、売上。二爻、費用。三爻、利益。四爻、負債。五爻、資産。上爻、資本
一行目を項目項目行とし、一列目を借方(陽・運用・出)とし、二列目を貸方(陰・調達・入)とする。
二行目、売上の増減
三行目、費用の増減
四行目、利益の増減
五行目、負債の増減
六行目、資産の増減
一行目、資本の増減
借方 初爻、売上。二爻、費用。三爻、変動費。四爻、流動資産。五爻、固定資産。上爻、総資産
一行目を項目項目行とし、一列目を項目、二列目を増減。
二行目、総資産の増減。
三行目、固定資産の増減。
四行目、流動資産の増減。
五行目、費用の増減。
六行目、固定費の増減。
一行目、変動費の増減。
貸方 初爻、売上。二爻、粗利益。三爻、利益。四爻、流動負債。五爻、固定負債。上爻、資本
一行目を項目項目行とし、一列目を借方(陽・運用・出)とし、二列目を貸方(陰・調達・入)とする。
二行目、資本の増減。
三行目、固定負債の増減。
四行目、流動負債の増減
五行目、利益の増減。
六行目、粗利益の増減
一行目、売上の増減。
そして、個々の項目を前期との増減で増を青の濃淡、減を赤濃淡で見る。
そして、貸方、借方、各々の卦を読む。
また比較し、変爻、裏卦などを読み、先を予測する。
陰陽には正、不正の定位がある。
易では、奇数は陽、偶数は陰とされます。
そして、爻の位によって陰陽の決まった席があり。
奇数である初爻、三爻、五爻は陽の席で、陽があるのが吉。
偶数である二爻、四爻、上爻は陰の席で、陰があるのを定位とし、吉とする。
ちょうど、完成を意味する卦の水火既済がその条件に当てはまります。
経営の卦で言うと
上爻資本に陰
五爻負債に陽
四爻資産に陰
三爻利益に陽
二爻費用に陰
初爻売上に陽
出た卦の各爻を、陰陽の定位に当ててみて、陽の位に陽爻があれば
「位が当たる」、「正位を得る」と言って、正当と見る。
そうでない場合、「不正」「失位」「失正」などといって
自然の法則や正道に反すると見ます。陽の位に陰でいる場合は消極的になり
陰の位に陽でいる場合は力以上のことをやりすぎる傾向がある。
内卦、外卦、単卦、裏卦、(重卦)、互卦、之卦、錯卦、綜卦、賓卦、(齏卦)という具合に。
変爻は、六種類、生じる。
これを、損益、収益、貸借で六の三乗の象による展開ができる。
それに、内卦、外卦、単卦、裏卦、互卦、之卦、錯卦、綜卦、賓卦という具合に加えていったらどれくらいの相をシミュレーションできるか。
さらに加えて爻の読みが六段階ある。
「乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤」
三つの要素で八卦を作る。
八卦とは、モジュールである。
例えば、売上、粗利、利益(収益のモジュール)を組み合わせて八卦を作る。
三つの要素を陰陽の働きで位置づける。
陰陽の働きの典型は、インとアウトである。
そして初爻を入力、二爻を処理、三爻を出力の様に位置付ける。
それを組み合わせて小成卦を作る。
例えば、費用、固定費、変動費(費用のモジュール)。
総資産、固定資産、流動資産(総資産のモジュール)。
資本、固定負債、流動負債(総資本のモジュール)。
そして、そのモジュールの働きを分析する。
二つのモジュールを組み合わせる。
組み合わせは、総資産と費用。
総資産と収益。
総資本と費用。
収益と費用。
総資本と収益。
経営は混沌としていて、その本質は、太極である。
易に太極あり。
経営から、損益と貸借が生じる。
また、増益と減益が生じる。
増資、減資が生じる。
太極から両儀が生じる。
損益は陽、貸借は陰である。
増益は、陽、減益は陰。
増資は、陽、減資は陰。
経営からは、増益と減益が生じる。
損益にたとえれば、初爻を売上、二爻を費用、三爻を利益とする。
損益を例にすると、乾は、売上増、費用増、利益増で健やか。
兌は、売上減、費用増、利益増で説(よろこ)ぶ。売上も増えているが、それ以上に費用が増えているから利益が減っている。
離は、売上増、費用減、利益増で麗(つ)く、明。費用が減って、売上も増えているので利益が増えている。
震は、売上減、費用減、利益増で、動く。売り上げが減ってて費用が減っているのに利益が増えている。
巽は、売上増、費用増、利益減で、入(い)る。売上が増えているけれど費用が増えたのに、利益が増えた。
坎は、売上減、費用増、利益減で、陥る。売上が減り、費用が増えたから、利益が減った。
艮は、売上増、費用減、利益減で、止(とど)む。売上は増えて、費用が減っているのに、利益が減った。
坤は、売上減、費用減、利益減で、順(したが)う。売上も、費用も減って、利益も減った。
貸借に例えると初爻、負債、二爻、資産、上爻、資本
乾は、負債増、資産増、資本増で健やか。
兌は、負債減、資産増、資本増で説(よろこ)ぶ。資産、資本とも増えて、負債が減っている。
離は、負債増、資産減、資本増で麗(つ)く、明。負債が増えているが、資産が減っていて資本が増えている。
震は、負債減、資産減、資本増で、動く。資本が増えて資産、負債ともに減っている。
巽は、負債増、資産増、資本減で、入(い)る。資本が減って資産、負債も増えた。
坎は、負債減、資産増、資本減で、陥る。資産が増え、負債、資本ともに減っている。
艮は、負債増、資産減、資本減で、止(とど)む。負債は増えたけど、資産も資本も減った。
坤は、資本減、資産減、負債減で、順(したが)う。資本も、負債も、資産も減った。
損益を内卦、貸借を外卦とする。
損益の代わりにキャッシュフローを使ってもいい。
初爻、営業キャッシュフロー。二爻、投資キャッシュフロー。三爻、財務キャッシュフロー。
乾は、営業キャッシュフロー増。投資キャッシュフロー増。財務キャッシュフロー増。健。営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフロー、総て増えている。
兌は、営業キャッシュフロー減。投資キャッシュフロー増。財務キャッシュフロー増。説(よろこ)ぶ。投資キャッシュフロー増。財務キャッシュフロー(借入金)が増えて。営業キャッシュフローが減っている。
離は、営業キャッシュフロー増。投資キャッシュフロー減。財務キャッシュフロー増。麗(つ)く、明。営業キャッシュフロー。財務キャッシュフローが増えて。投資キャッシュフローが減っている。
震は、営業キャッシュフロー減。投資キャッシュフロー減。財務キャッシュフロー増。動く。財務キャッシュフロー増。営業キャッシュフロー減。投資キャッシュフロー減。
巽のは、営業キャッシュフロー増。投資キャッシュフロー増。財務キャッシュフロー減。入(い)る。営業キャッシュフローと投資キャッシュフローが増えて。財務キャッシュフローが減っている。
坎は、営業キャッシュフロー減。投資キャッシュフロー増。財務キャッシュフロー減。陥る。投資キャッシュフローだけ増えて。営業キャッシュフロー、財務キャッシュフローが減って。
艮は、営業キャッシュフロー増。投資キャッシュフロー減。財務キャッシュフロー減。止(とど)む。営業キャッシュフローだけ増えて。投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローは減っている。
坤は、営業キャッシュフロー減。投資キャッシュフロー減。財務キャッシュフロー減。順(したが)う。営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローすべてが減。
次に借方、貸方に分けて見てみる。
両儀から四象を生じ、四象は八卦を生じる。
老陽から乾と兌が生じ。
少陰から離と震が生じ。
少陽から巽と坎が生じ。
老陰から艮と坤が生じる。
借方は、総資産と費用からなる。
貸方は、総資本と収益からなる。
小成卦だけでもいろんな分析ができる。
例えば、収益の小成卦である。
収益を例にすると収益の小成爻を、初爻、売上、二爻、粗利益、三爻、利益とする。
乾は、売上増、粗利益増、利益増で健やか。
兌は、売上減、粗利益増、利益増で説(よろこ)ぶ。粗利益も収益も増えているのに利益が減っている。
離は、売上増、粗利益減、利益増で麗(つ)く、明。粗利益は減っているが、売り上げが増えて、利益が増えている。
震は、売上減、粗利益減、利益増で、動く。売り上げが増えてもいるのに粗利益が減っているので利益が減っている。
巽は、売上増、粗利益増、利益減で、入(い)る。売上が減っているけれど粗利益が増えたので、利益も増えた。
坎は、売上減、粗利益増、利益減で、陥る。粗利益は増えたけど、売上が減って、利益は減った。
艮は、売上増、粗利益減、利益減で、止(とど)む。売上も、粗利益も減ったけど、利益は増えた。
坤は、売上減、粗利益減、利益減で、順(したが)う。売上も、粗利益も減って、利益も減った。
総資本を例にすると、
初爻、流動負債、二爻、固定負債、三爻、資本
乾は、資本増、固定負債増、流動負債増で健やか。資本も、固定負債も、流動負債も増加している。健やかか否かは外卦と組み合わせて観る。
兌は、資本減、固定負債増、流動負債増で説(よろこ)ぶ。固定負債も、流動負債も増えているのに、資本が減っている。悦ぶべきか。
離は、資本増、固定負債減、流動負債増で麗(つ)く、明。流動負債が増えていて、固定負債が減って、資本が増えている。何が明らかなのか。
震は、資本減、固定負債減、流動負債増で、動く。流動負債が増えていて固定負債も資本も減っている。動くべきか。
巽は、資本増、固定負債増、流動負債減で、入(い)る。固定負債が増えていて、流動負債が増え、資本が減っている。
坎は、資本減、固定負債増、流動負債減で、陥る。固定負債が増えていて、流動負債が減って、資本が減っている。
艮は、資本増、固定負債減、流動負債減で、止(とど)む。固定負債も、流動負債も減っていて、資本が増えている。ここで止めなければ。
坤は、資本減、固定負債減、流動負債減で、順(したが)う。固定負債も、流動負債も、資本も減っている。順うしかない。
総資産を例にすると
初爻、流動資産、二爻、固定資産、三爻、総資産
、
乾は、総資産増、固定資産増、流動資産増で健やか。固定資産も、流動資産も増え、総資産も増え健やか。
兌は、総資産減、固定資産増、流動資産増で説(よろこ)ぶ。固定資産も流動資産も増えているのに総資産が減っている。
離は、総資産増、固定資産減、流動資産増で麗(つ)く、明。固定資産が減っていて、流動資産が増えて、総資産が増えている。
震は、総資産減、固定資産減、流動資産増で、動く。流動資産が増えていて固定資産が減り、総資産が減っている。動くべきか。
巽は、総資産増、固定資産増、流動資産減で、入(い)る。流動資産が減って、固定資産が増え、総資産が増えてている。
坎は、総資産減、固定資産増、流動資産減で、陥る。流動資産が減り、固定資産が増え、総資産が減っている。
艮は、総資産増、固定資産減、流動資産減で、止(とど)む。流動資産が減り、固定資産が減り、総資産が増え。
坤は、総資産減、固定資産減、流動資産減で、順(したが)う。流動資産が減り、固定資産が減り、総資産が減った。
費用を例にすると
初爻、総費用、二爻、固定費、三爻、変動費
乾は、総費用増、固定費増、変動費増で健やか。固定費も、変動費も増え、総費用も増え健やか。
兌は、総費用減、固定費増、変動費増で説(よろこ)ぶ。固定費も変動費も増えているのに総費用が減っている。
離は、総費用増、固定費減、変動費増で麗(つ)く、明。固定費が減っていて、変動費が増えて、総費用が増えている。
震は、総資産減、固定費減、変動費増で、動く。変動費が増えていて固定費が減り、総費用が減っている。動くべきか。
巽は、総資産増、固定費増、変動費減で、入(い)る。変動費が減って、固定費が増え、総費用が増えてている。
坎は、総資産減、固定費増、変動費減で、陥る。変動費が減り、固定費が増え、総費用が減っている。
艮は、総資産増、固定費減、変動費減で、止(とど)む。変動費が減り、固定費が減り、総費用が増え。
坤は、総資産減、固定費減、変動費減で、順(したが)う。変動費が減り、固定費が減り、総費用が減った。
兌の様に、一見、成り立たない卦もあるが。時としてこのような卦が現れる事がある。
それは、何かの兆しであることがある。
経常的費用ではない所で費用が発生する事があるからである。
利益の卦を作ると。
利益は、初爻売上、二爻粗利益、三爻営業利益、四爻経常利益、五爻特別利益、上爻純利益。
利益の内卦を例にすると、乾は、売上増、粗利益増、営業利益増で健やか。
兌は、売上減、粗利益増、営業利益増で説(よろこ)ぶ。
離は、売上増、粗利益減、営業利益増で麗(つ)く、明。
震は、売上減、粗利益減、営業利益増で、動く。
巽は、売上増、粗利益増、営業利益減で、入(い)る。
坎は、売上減、粗利益増、営業利益減で、陥る。
艮は、売上増、粗利益増、営業利益減で、止(とど)む。
坤は、売上減、粗利益減、営業利益減で、順(したが)う。
利益の外卦を例にすると、乾は、経常利益増、特別利益増、純利益増で健やか。
兌は、経常利益減、特別利益増、純利益増で説(よろこ)ぶ。
離は、経常利益増、特別利益減、純利益増で麗(つ)く、明。
震は、経常利益減、特別利益減、純利益増で、動く。
巽は、経常利益増、特別利益増、純利益減で、入(い)る。
坎は、経常利益減、特別利益増、純利益減で、陥る。
艮は、経常利益増、特別利益減、純利益減で、止(とど)む。
坤は、経常利益減、特別利益減、純利益減で、順(したが)う。
利益は、初爻在庫、二爻人件費、三爻一般管理費、四爻金融費用、五爻特別損失、上爻配当あるいは納税額。
利益に対する費用の内卦に例えると乾は、在庫増、人件費増、一般管理費増。
兌は、在庫増、人件費増、一般管理費増。で説(よろこ)ぶ。
離は、在庫減、人件費減、一般管理費増。で麗(つ)く、明。
震は、在庫増、人件費減、一般管理費増。で、動く。
巽は、在庫減、人件費増、一般管理費減。で、入(い)る。
坎は、在庫増、人件費増、一般管理費減。で、陥る。
艮は、在庫減、人件費減、一般管理費減。、止(とど)む。
坤は、在庫増、人件費減、一般管理費減。で、順(したが)う。
利益に対する費用の外卦に例えると乾は、金融費用増、特別損失費増、配当増。
兌は、金融費用減、特別損失費増、配当増。で説(よろこ)ぶ。
離は、金融費用増、特別損失費増、配当増。で麗(つ)く、明。
震は、金融費用減、特別損失費増、配当増。で、動く。
巽は、金融費用増、特別損失費減、配当減。で、入(い)る。
坎は、金融費用減、特別損失費減、配当減。で、陥る。
艮は、金融費用増、特別損失費減、配当減。、止(とど)む。
坤は、金融費用減、特別損失費減、配当減。で、順(したが)う。
小成卦だけでもいろんな分析ができる。
例えば、利益の内卦
離は、売上増、粗利益減、営業利益増で麗(つ)く、明。
艮は、売上増、粗利益増、営業利益減で、止(とど)む。
離と艮は、明暗を分けているが、これは、費用の影響を受けている。
そこで、費用の内卦と組み合わせて見てみるという様に。
更に、利益の大成卦を作る。
利益の大成卦の構成は、初爻は、売上、二爻は、粗利益、三爻は、営業利益、四爻は、経常利益、五爻は、特別利益、上爻は、純利益。
費用は、初爻は、在庫、二爻は、人件費、三爻は、一般管理費、四爻、金融費用、五爻は、特別損失、上爻は、配当。
売上には経常利益。
粗利益には、特別利益が応じ。
営業利益には純利益が応じている。
売上には、粗利益だけが比し。
粗利益には、売上と営業利益が比し。
営業利益には、粗利益と経常利益が比し。
経常利益には、営業利益と特別利益が比し。
特別利益には、経常利益と純利益が比している。
また、費用の大成卦では。
在庫には金融費用が応じ。
人件費には特別損失が応じ。
一般管理費には、配当が応じる。
在庫とは、一般管理費だけが比し。
人件費には、在庫と一般管理費が比し。
一般管理費には人件費と金融費用が比し。
金融費用には、一般管理費と特別損失がひし、
特別損失には、金融費用と配当が比し。
配当には、特別損失だけが比している。
易には、天地人の相がある。
天の時、人の和、地の利。
天の時とは、段階、手順、順序等。
人の和とは、組織、地位等。
地の利、社会、環境、ロケーション等。
易によって観相をする相手や対象の天地人の条件が前提となる。
陰陽は、回転、循環、周期、波動運動である。
回転、循環、周期、波動の動きは、前後、上下、左右、寒暖、内向外向として現れる。動きには、位置と方向がある。
回転、循環、周期、波動の働きには、強弱、増減、高低等がある。
その他の働きには、速度等がある。
この様な動きや働きが天地人に感応して卦を生み出す。
易を観る人、対象によって爻の読む位置が変わる。
時間は、爻には六段階がある。
易では、五爻を頂点とする。
順序というより、どこに重点があるかと考えればいい。
変化では、五爻が頂点で、上爻は、終点。
そこから、初爻は始点で、二爻が出発点といえる。
故に、二爻と三爻が、中となる。
段階を四つに区切り、五爻を最終到達点とし、上爻余生と見なす。これが天の時。
組織における役割にも段階がある。
初爻新人、二爻見習い、三爻担当、四爻責任者、五爻統括、上爻相談役。これが人の和である。
地の利にも段階がある。
初爻自分の生活範囲、二爻仕事の範囲、三爻国の範囲、四爻同盟国、五爻世界、上爻宇宙。
易による分析をした上、指標による分析をする。
指標には、利益率、資本回転率、在庫回転率、総資産利益率等である。
総資産利益率、総資本回転率は応爻。
総資産回転率は、比爻。
減価償却費は、固定資産が陽に、固定負債と資本が陰に働き、投資を元とする。
運転資本として流動負債と流動資産が対応する。
次に、実際の数字を小成卦、大成卦にはめ込み、結び付けていく。
小成卦だけでもいろいろな事が読める。
仮に利益の内卦の小成卦が。離だとする。
離の利益の卦は売上増、粗利益減、営業利益増で麗(つ)く、明。
これに応じる費用の内卦はには、離、震、巽、坎、艮、坤がある。
離は、在庫減、人件費減、一般管理費増。で麗(つ)く、明。
震は、在庫増、人件費減、一般管理費増。で、動く。
巽は、在庫減、人件費増、一般管理費減。で、入(い)る。
坎は、在庫増、人件費増、一般管理費減。で、陥る。
艮は、在庫減、人件費減、一般管理費減。、止(とど)む。
坤は、在庫増、人件費減、一般管理費減。で、順(したが)う。
応爻は、売上に在庫。
粗利益に人件費。
営業利益に一般管理費である。
中は、粗利益と人件費。
粗利益に対する比爻は、売上と営業利益。
人件費に対する比爻は、在庫と一般管理費である。
一般管理(人件費を除く)の中に減価償却費が含まれる。
減価償却費は、固定資産に陽に、固定負債、資本に陰に働く。
そして、投資を元にする。
固定負債の比爻は、資本と流動負債である。
また。応じているのは粗利益である。
外卦だけ切り出してみると。
損益の外卦は、貸借である。
貸借は、初爻、負債、二爻、資産、上爻、資本
負債と資本は、総資本に、資産は総資産に応じている。
貸借の小成卦が艮で総資本が震で、総資産が兌の小成卦だとする。
艮は、負債増、資産減、資本減。艮の働きは止(とど)む。
負債は増えたけど、資産も資本も減った事を現している。
また損益全体で言うと、負債と売上が応じ、資産と粗利益、資本と利益が応じ。
なかは、資産と粗利益である。
次に総資本と総資産の小成爻を応じさせる。
総資本は、初爻、流動負債、二爻、固定負債、上爻、資本
総資産は、初爻、流動資産、二爻、固定資産、上爻、総資産とする。
流動資産と流動負債が応じ。
固定資産と固定負債が応じる。
総資産と資本が応じ。
そして、中は、固定資産と、固定負債である。
総資本が震で、総資産が兌の小成卦であるから。
震は、資本減、固定負債減、流動負債増。
兌は、総資産減、固定資産増、流動資産増。
初爻は陰と陰、二爻、陰と陽、三爻、陽と陽。
中は、陰と陽である。つまり長期借入金が減り、その分、買入債務、あるいは、短期借入金が増えたことが推測され。
それに応じて、固定資産が償却され、在庫や売上債権が増えたことが予測される。
三爻の流動資産と流動負債は、運転資本であるから運転資本が増加傾向にある事がわかる。
在庫は、流動資産に陽に働き、流動負債に陰に働いていて、元は、売上である。
運転資本の増加は資金繰りに結びつく。
留意すべきは、長期借入金と設備更新である。
これらの関係を調べるだけでも得るところがある。
このように、経営状態と卦に結び付けて分析する手段は、粗利益率とか資本回転率の様に一意的に答えを導き出すのと違い。相手に応じた対応を可能とする。
生まれて、初めて見る世界は混沌としている。
言葉は聞こえても、意味は分からない。
目に見えても正体はつかめない。
それでは、この世で生きていくのが難しい。
そこで、分別が生じる。
最初の分別は、相対的である。
最初の分別は、直感である。
動くもと動かないものを区別。
やがて自他の違いを自覚し。
分別するようになる。
一が二となる。
易の象は六回のベルヌーイ試功をした結果の二項分布
「ベルヌーイ試行」とは、「コインを投げたときに表が出るか裏が出るか」のように、何かを行ったときに起こる結果が二つしかない試行のことをいう。
陰陽というのは二律背反で対称的、逆方向の働きや状況をいう。
陰陽の働きの典型は、インとアウトである。
二律背反な事象には、以下の事がある。
動き:昇降。緩急、増減、強弱、売買。貸借、入出(イン・アウト)、入出金、入力出力、出納
位置:自他、上下、左右、前後、高低、深浅、表裏
状態:明暗、寒暖、貧富、正負
基準:評価:正否、善悪、真偽、是非、美醜、イエスノー、好嫌、貴賤、勝負、順逆、名と実、物と金。
大切なのは上下、貴賤で判断するのではなく、働きで判断する事です。
三回のベルヌーイ試行で一つの小成卦の象が現れる。
さらに三回ベルヌーイ試行を繰り返すと小成行を二つ組み合わせて象が構成される。
それが本卦である。
六回、六段階でベルヌーイ試行をして対象を分析し、分類する。
その結果の場合の数の象で本卦を構成する。
易では、奇数は陽、偶数は陰とされます。
そして、爻の位によって陰陽の決まった席があり。
奇数である初爻、三爻、五爻は陽の席で、陽があるのが吉。
偶数である二爻、四爻、上爻は陰の席で、陰があるのを定位とし、吉とする。
ちょうど、完成を意味する卦の水火既済がその条件に当てはまります。
「ベルヌーイ試行」を三回行った結果の場合の数が八つある。
八つの形が、八卦である。
その一つひとつの象を乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤と名付ける。
三つの要素で八卦を作る。
三つの指標を選んで小成爻を構成する。
小成爻を構成する指標の増減による型、象によって八つの型、八卦を構成する。
個々の小成爻の性格や働き、特徴を分析する。
小成爻を二つ選択し、縦横につないで、変化を解析する。
例えば、経済の指標なら物価。為替。株価。金利。失業率。GDP等。
八卦とは、モジュールである。
そして、そのモジュールの働きを分析する。
二つのモジュールを組み合わせる。
三つの要素を陰陽の働きで位置づける。
そして初爻を入力、二爻を処理、三爻を出力の様に位置付ける。
それを組み合わせて小成卦を作る。
小成爻の前提や性格を、卦辞としてまとめる。
そして、初爻、二爻、三爻(上爻)の働きを知る。
ベイズや、相関分析、重回帰分析、クラスター分析、ツリー分析、時系列分析など、つまり、機械学習との相性がいい。
要は三要素の活用である。
三つの要素の働きと位置と関係が要点となる。
位置とは並びである。相関関係である。
例えば、初爻を売上、二爻、費用、三爻を利益としたら。
兌は、売上増、費用増、利益減。売上が順調に増えているが、それ以上に、費用が伸びて、利益が減っている。とりあえず。説(よろこ)ぶ。
離は、売上増、費用減、利益増の卦。売上が減っていて、費用が減って、利益が上がっている。これは明らか。
震は、売上増、費用減、利益減。売上が増えて、費用が減っているのに利益が減っている。何かが動いている。
というように。
このような小成功を組み合わせる事で、本卦を現し。
本卦を読んで、責任者が決断する。
易する者と決断する者は違う。
自分で易してもいいが、決断する時は自分を変える。
三という数字に重要な意味がある。
一では、動かないし、展開できない。
二では、分裂する。
三になれば、動きも生じるし、分裂も抑制できる。
それを三つ巴という。
易に太極あり。
太極から両儀生じる。
一が二となり、三となる。
易に三儀あり。
変易、不易、簡易。
天地人。
人物金。
万物は流転する。生産、分配、消費。
運動の基本は。回転運動。回転は、循環運動、周期運動、波動の動きは、前後、上下、左右、寒暖、内向外向として現れる。
動きには、位置と方向がある。
動きには、動因がある。その動因を知る事で、摂理を知る。
摂理にこそ、神の意志が潜んでいる。
摂理を探求するのが科学。
回転、循環、周期、波動の働きには、強弱、増減、高低等がある。
その他の働きには、速度等がある。
易も、経済も、経営も、回転運動、循環運動を元としている。
本卦は六段階で成る。
故に、爻は六つ生じ、順序、位置が生じる。
さらに加えて爻の読みが六段階ある。
六つの段階から、時を生じる。
時を中てる。それを時中という。
時系列。
例えば、初爻を前期、二爻当期、三爻予測
例えば、初爻から四爻までの動きから五爻で、今を知り、上爻未来予測する。
乾為天の卦は、時系列の実例としては好例。
創業から一、二年、仕事が軌道に乗るかけた会社の中堅幹部を例にとる。
先ず、乾為天の爻辞、小象伝を見る。
爻辞
初爻 潜龍、用うる勿れ。
二爻 見龍田に在り、大人を見るに利ろし。
三爻 君子終日乾乾。夕べに惕若たれば、厲うけれど咎なし。
四爻 或いは躍りて淵にあり。咎なし。
五爻 飛龍天に在り。大人を見るに利ろし。
上爻 亢龍悔い有り。
小象伝
初爻 潜龍用うる勿れとは、陽下にある也。
二爻 見龍田に在るは、徳の施し普きなり。
三爻 終日乾乾は、反復の道なり。
四爻 或いは躍りて淵にあるは、進みて咎なきなり。
五爻 飛龍天に在るは、大人の造せるなり。
上爻 亢龍悔い有るは、盈ること久しかるべからざるなり。
どこ見るかというと、
開業は、二爻の見龍を言う。見龍田に在り、大人を見るに利ろし。
起業して、二三年というと、三爻か、四爻
三爻 君子終日乾乾。夕べに惕若たれば、厲うけれど咎なし。
四爻 或いは躍りて淵にあり。咎なし。
爻辞と小象伝を読み、現在の予実績分析から中堅幹部としてとるべき行動を判断する。
ちなみに中堅幹部の爻は、四爻である。
全体の流れとしては、
彖辞
乾は、元いに亨りて、貞に利ろし。
彖伝
大いなるかな乾元、万物資りて始む。乃ち天を統ぶ。雲行き雨施し、品物形を流く、大いに終始を明らかにし、六位時に成る。時に六龍に乗り、以て天を御す。乾道変化して、おのおの性命を正しくし、大和を保合す。乃ち貞しきに利ろし。庶物に首出して、万国ことごとく寧し。
象伝
天行は健なり。君子以て自らつとめて息まず。
時系列の分析には、五爻を中に、それまでの、四年間の動きを増減で爻を立て当年どの予算と実績を参照して次年度の予測を立てるというやり方もある。
その際ベイズや、相関分析、重回帰分析、クラスター分析、ツリー分析、時系列分析など、つまり、機械学習等を活用する。
乾為天で重要なのは、上爻が 亢龍悔い有りとしている事ですね。つまり、易は、完全という事を認めていない。
八徳。
仁義礼智忠信孝梯を八徳という。
この中から、仁義礼智信を取り出して五徳という。
本卦に五徳、仁義礼智信を絡めると倫理が体系化できる。
徳目を、卦にからめるなら、不易の部分を五徳に求め、忠、孝、梯を変易にする事かも。
つまり、自分が今何を問題とし、何に所属し、どの様な立ち位置か。
組織、国家の一員と考えるなら忠を。家族の問題なら、孝を。私的集まり、同志ならば、梯を徳目に加える。
忠、孝、梯は、重要な徳目だが、それだけに解釈の仕方を強制すると自由が失われる。
自己の主体に関わる、つまり思想信条に抵触するからである。
その点で忠、信、梯を絡めるとややこしくなる。
どれもだれにという人が絡みますから。
誰に忠なのか、孝と忠、どちらが重要かといった点で。
親とか主人は誰かなんて言われてもね。強いて言えば、信。
真理、事実に対する信ですかね。
忠について誤った解釈がありますが、その点は注意すべきで。
忠の意味は、真、誠です。つまり、真心を持て、誠実に尽くすで。
絶対服従を意味しません。それは隷従で、忠から見ると恥ずべき事。
忠は、例えば、主、(国民国家では、主権者、即ち、国民ですけれど。)間違いを犯そうとしていると思ったら命がけでいさめるのも忠。諫言できない者は不忠。忠は、主体的、誇り高くなければならない。
戦争に賛成するのが忠なら、反対するのも忠。根本は愛国心。
つまり、忠の根本は仁なんです。
根本は。仁とはそういう事なのです。仁から義が生じる。義から礼が生じる。礼によって知と信が成る。だから、礼が大切なので。仁義なければ、礼は成り立たない。それは偽礼で。それで克己復礼と。
どの部分、自分の行動、あるいは、事件が、仁義礼智信のどの部分に問題とされたかそれを正しく見極める事です。
そして優先順位。
天地人。
易には天地人の関係が重要とされる。
天の時、地の利。人の和と、一般には言われるが。
それより天の働き、人の働き、地の働きをどう位置付けるかが問われるのである。
天とは人知を超えた不可思議な力の根源。
地とは目に見えて、触れる事は出来ても、人の力でできる事に限界がある自然の法則みたいな事。
人とは、主体的で、自分の意志を持ち、自律的に動き、意志を通わすこともできる存在。
本卦、初爻約束、二爻規則、三爻道徳、四爻礼、五爻法、上爻自然の法則のような。
初爻と二爻は地。三爻と四爻は、人。五爻と上爻は点というような位置づけである。
大切なのは上下、貴賤で判断するのではなく、働きで判断する事である。
徳目を、卦にからめるなら、何を中(核)とするか、鍵となる。
何に向かって、あるいは、何に向かうかである。
道徳というのは位置と働きと関係が重要なので。
位置というのは対象との距離が問題で、働きというのは、方向や強弱が問題で、関係とは順逆の問題なのだ。
どいう事かというと、人間関係には、愛憎という相反する働きがある。
そして、愛する対象は、性格の異なる複数の対象がある。
対象には、母と父、兄弟姉妹、配偶者、子供(複数)、友人、恋人、愛人、指導者、師、職場の上司、政治家、警察官、そして、人ではなく、人類、国家、会社、仲間、さらに、物質である、お金や土地、宝物などがある。
自分とこれらの対象とどのような位置関係にあり、どの様な働き、影響があり、また、どのような関係にあるか、複合的な力関係によって決まる。
ここに、道徳的基準が関わるのである。どっちを優先するか、どっちをとるか、どっちの力が強いか。
例えば、結婚である。親の力が強いか、恋人の力が強いか、あるいは社会的規範が強いか。
だから、当事者間だけでは決まらない。
しかも、前提となる条件や環境、状況が違えば、力関係はがらりと変わる。
前提となるのは、人種、国家、体制、宗教、経済状態、学歴、容姿、親の考え、自分価値観、性向と多岐にわたる。
だから、易なのである。
そしてこれは、結婚とかだけの問題ではなく。国家や仕事にもある。
愛国心の問題は典型である。
かつては孝をとるか忠をとるかで大論争にもなった。
それが倫理の難しさで、一対一の対応ができないのである。
嘘をついてはならないとか、暴力はいけないと、一つの徳目と判断を単純に結びつけることができない。
だから、働きが重要となるのである。
愛するとか、身を守ると言ったはたらき、その根底に国家とか神の存在に対する働きかけがあるのである。
そこに天地人の働きがる。