学ぶ時には、虚心に学ぶ。
師を求めて放浪し、師に出会えば、虚心に学ぶ。
師というのは、看板を掲げているわけではなく。
人とは限らない。
学ぶ気になれば、何にでも学べる。
自分は、自然から学んだ。
それが物理学だ。
プロを目指すなら早いうちがいい。
決断である。
一番怖いのは、大切の年頃を、何も学ばずに無為に過ごすこと。
スポーツでプロを目指すなら、少なくとも高校時代に、基本を身に着けないと。
プロになるための基本を身に着けるのは、十代なら一年もかからない。
意外と短い。
ただ、基本を身に着けるためには、同じこと繰り返し・繰り返しやるしかない。
鍛錬するしかない。
これは学問も同じ。
要するに、できる、できないは、同じことを集中的に繰り返す根と忍耐があるかによって決まる。
年を取るとこの根気と忍耐が続かなくなる。
十代で同じレベルだった人間も、十年、二十年たつと、越えられない差になる。
だから、学問をする気もないのに大学に行くのは愚かである。
大学は、学びに行くところで卒業証書をもらいに行くところではない。
その弊害は、歳をとると伴にあからさまになる。
毎年、違う事を学ぶのと、一つの事を極めるのとどこが違うか。
五十年後を考えてみよう。
五十年、毎年、新しいことに挑戦すれば、五十の事を経験できるかもしれないが、技術の水準は、常に新人と変わらない。
五十年、同じことを極めた人に対して、新人は、五十年と時間は、越えられない。
この差が重要なので。
むろん、五十年を無為に過ごせば、虚しいけれど。
高卒で、仕事について、最初にやらされた仕事を五十年たっても変わらなかったら。
そりゃあ虚しいだろう。
だから、メッセンジャーボーイで終わるなと。
一年いちねん、確実に成長すればいいんだよ。
そのためには、記録を取れ。
紙に書けと。
最初は、メモ程度、ざら書きでいい。最初から、完成度を求めるな。
最初は、二、三行でいい。
三分前にいたことだけどと言われてもね。
それに対して、三ページ前にある、場所についてだけどねといえばポイントがつかめる。
たと、誤字脱字でも手掛かりになるし、自分一人だけでなく、大勢の人に見てもらい、確認することができる。
だから書く、ひたすら書く。
書けば、自分の事があらわになるけれど、そうしないと、助け合うことができない。
それに、書いて顕わになったほうが楽だよ。
わかりませんと言葉で言われても、何がわからないか、わからない。
わかりましたと言われても、どの程度分かっているかわからない。
紙に書けばわかる。
何故、報告するの。
交渉でも何でも、人はすぐに不安になるし、落ち込む。
だから、報告して安心する。
報告すれば、免責もされる。
だから、本当のところは、報告を受けたほうがつらいし、苦しい。
だから、多くの人は報告を受けずに逃げ回る。
報告を受けなければ、報告しなくなる。
日報を見なければ、日報をつけなくなる。
なぜなら意味ないから。
基本はごくごく当たり前な事さ。
「何が食べたいんですか」と聞かれたとき、「茶色くてドロドロしていて辛い」のなんてもってまわった言い方しないで、カレーならカレーと言えばいいので。
言われた側は、カレーを出せばいいので、ラーメンを出せば怒るでしょ。
客がカレーといったのに「言いなりになるのが嫌だ」とラーメンを出す店はないし。
客が、カレーを注文した時、ウェイターがカレーと厨房に伝えるのは悪いこと。
当たり前だと思うけどね。
なんか勘違いしていると思うね。
カレーが食べたければ、カレーと注文すればいいので、ウエイターは、厨房にカレーと伝えればいいので、料理人はカレーを作ればいいの。
その上で希望があれば聞けばいい。
それが仕事という事で、議論の余地はない。
別に強要しているわけでもないし、理不尽なこと言っているわけでもない。
逆に、カレーを注文したのにラーメンを出すほうがどうかしている。
カレーの注文を受けた後、カレーを調理するのは、料理人の仕事だし。
料理人が客にレシピまで要求するのはおかしい。
逆に、客が料理までするのも、厨房に入って、料理人に指図するのもおかしい。
カレーを注文した後、どのようなカレーにするかは料理人が決めること。
むろん、客の要望を聞くのは悪くはないけど。
ただ、カレーの注文を受けた後で、実は、わたしカレーをつくったことないんですと料理人が言えば、それはまた、違う次元の話になるけどね。
おかしな話だけど、最近の職場では往々に起こる。
決められた事しかやってこなかった人は、総ての準備、用意が終わった後の仕事しか思い浮かばなくなる。
しかし、仕事の基礎は、決められる前、準備、用意段階にある。
前段の部分がわからないと自分の考えが持てない。
自分の考えが持てなければ、自分の考えに基づいて仕事を組み立てることができない。
結果的に人の言いなりになるしかない。
根源的に、自分の考えがないから、言いなりになる、ならない以前に、詳細まで決めてくれないと何もできない。
自分の考えがあるから自分の意見が持てるので。
元に何があるかを考える癖をつける。
そして、書く癖をつける。
書くことを嫌がっていると、考えがまとまらなくなる。
自分で整理し、記録する癖がない人は、自分の考えを筋を追って説明することができない。
報告するのは、別に指示されたからでも、言われたから、強要されたからでもなく。
チームで仕事をするときの最低限のルール。
なぜなら、今、自分が任された仕事をどこまでやって、誰に伝えてあっる、チームメートに伝えるのは、モラルだから。
報告するのはチームワークの必須ルール。ドキュメント、記録も同様。
お客様であろうと、取引相手であろうと、外部の人間に接する者は、会社を代表しているんだという事を自覚してほしい。
会社の信用と名誉を自分たちで守る。