先日、社長と伊豆にいた時、思わない所で若い人がたくさん働いているのね。
社長は、なぜだろうと、彼らに問いかけるのだけど。
結構、都会からきている人もいて、空気がいいからとか、景色がいいからと。
その反面、都心の会社の経営者は、本当に人が採れないとぼやいているというのに。
何故だろうと思うんだよね。
若者たちが、何を求めているのか。
社長は、いつも、問いかけている。
それから、自分の志について話していた。
個人事業者さんと話していると本当に真剣に仕事と向き合っている。
私はこの業界も、会社の事、本当に好きなの。
心からよくしたいと思っている。
若者は、大都市を捨て、なぜ、地方に行くのだろうか。
何故、伊豆に、大企業は、入り込めないのだろうか。
何故、能登半島では、電力と水道が断絶したことがニュースになったのに、ガスは、ニュースにならなかったのか。
それは、能登は、プロパンガスだったから。
もし、伊豆が大震災に見舞われても、伊豆の山間地に、プロパンによる防災拠点があれば、孤立化を防ぐことができる。
何故、伊豆に、大企業が入り込めないのか、それは、その地域の持つ特性にきめ細かな対応ができないからで。それでも、災害の時に力を発揮するのは、プロパンガス。
日本のエネルギーの大勢は、アメリカに握られていて、アメリカに逆らえば、一発で止められる。
プロパンは、そうはいかない。
むろん、プロパンも輸入に頼って入るけど、いざという時にこの国を支えてくれる。
そう信じられる資源。それがプロパンガス。
この国に対してプロパンがどれほど貢献してきたか。
温暖化対策だって、プロパンガスは、切り札になりうるエネルギーなので。
再生エネルギー云々と言っても、実際は、数々の問題を抱えている。
本当に貢献しているのはプロパンガスなのに、なぜ、評価が得られないのか。
それは、大企業に都合が悪いからだ。
プロパンの貢献が知られてしまうと、自分の好き勝手ができなくなる。
彼らにとって、プロパンは、日陰者でいてくれたほうが都合がいい。
あまり、プロパンの利便性が知れ渡ると、金儲けができなくなる。
社長は、私に、自分の志を語ってくれた。
諸悪の根源は、志を忘れた大企業にあるのよ。
志のない大企業の横暴にあると。
大企業には志がない。
あるのは、資本の論理だけ。
大企業は、地道に働いている中小業者を圧迫し、市場を壟断しようとしている。
どんな業界、会社、国にしようかという構想、考えもなく。
口では、顧客第一主義と言いながら、内実は会社は株主のもの、会社は、株主に隷属するのが使命と資本家に媚を売る。
その資本家の実体は、外国資本である。要は国を売っている。
その証拠に、彼らの指標は、株主向けのもの、つまり、金儲けに過ぎない。
だから、大企業の横暴さが許せないと社長は言う。
理不尽に小売店を蹂躙している。
志もなく、力づくでまじめに働いてる個人事業者を虫けらのように踏みつぶしていく。
それが、許せない。
だから、垣根を越えて結びつき、連帯を深めていきたい。
そのために、この会社を継ぐ者は志を持ち、そして、志を同じくしてほしい。
それが社長の叫びだ。
私は大企業と同じようなことをしようと思はない。
ともに生きていきたい。
みんなと手をつないで、助け合っていけるような体制が作りたいのと。
その志がわかってほしい。一緒におなじ志を持つ同志になってほしい。
一緒に戦ってほしい。
私は、本気で真剣なのと。
だから、自分の会社や業界を卑下する人が許せないと。
大企業は、ただ安ければいいのでしょと開き直り。
本物やくざ、ブローカーを使って、不当に安い価格で、地方の中小業者から顧客を略奪し。
その付けを下請けを結局、優良な顧客の価格に上乗せしてもうけを挙げている。
虐げられてる中小業者と手を携え、助け合える体制を築きたいと。
大企業の様に中小企業をつぶすのではなく、ともに生きる道を切り開きたいと。
伊豆のようなところこそ、プロパンなら防災拠点が必要なの。
いざという時、孤立した地域を救える。
何故、伊豆には大企業が来れないの。
それは地域に根差した人にしかできないことがあるからでしょ。
それこそがプロパンの使命じゃないと。
志の問題さ。
志を持て。
それが、社長の志。
我々は豊かになったのだろうか。
大企業イコール一流とは限らない。しかも、影に外資が潜んでいる。
近い将来、二十代、三十代の若者たちがこの会社を、この国を、担っていかなければならない。
自分で考え、決断し、行動して、自分を、自分の家族を、自分の会社を、自分の国を、自分の力で守っていかなければならない。
そのためには、自分の考えを持ち、自分の意志をもって決断し、自分の責任で行動することを学ばなければならない。
それが、志すことで。
本当に学ぶことでもある。
大切なのは、志を持つことである。
俺たちも悪い。
二十代、三十代の若者のこの会社を、この国を引き継がせる覚悟があるなら。
二十代、三十代の若者に今から、同じ目線で決断し、行動するように仕向けるべきだ。
未熟だの、経験不足だの言うのは嘘八百だ。
未経験を理由にするなら、いつ経験させるのか。
経験不足を理由にやらせなければ経験を積ませることはできない。
俺だって、最初は素人。
最初から、できていたわけでもないし、わかっていたわけでもない。
経営者になって四十年を越えるけど、うまくやったなんて思ったことは一度もない。
無我夢中で何とかやってこれたというのが本音。
やればできるよ。
俺にもできたんだから。
信じて任せればできるさ。
やらせないから、やらないからできないので。
信じて任せるしかないだろう。
今、任せなければ、いつ、任せるのかと。
断ち切らねばならないのは、ただ、未練。
その時その時、最善だと思うことしてきたけれど。
今、振り返ると。
言い訳ではないけれど。
はっきりいって、いいとか悪いとかなんて言ってられなくて。
思い返すと、もっといい方策ができたのではと、ヒア汗が出る。
でも、その時は、いいと信じた事をやるしかないかったので。
結果的に、ここまでやってこれたとしか。
じゃ今が最善かと聞かれたら、今正しいと信じた事を、やるしかないじゃないかと。
だから、常に真剣勝負。
何がよくて、何が悪かったなんて、後々いう事でしかなく。
今はただ自分を信じて決断するしかない。
新規事業を企てた時、親父に、「この事業うまくいくかな」と聞いたら、「やってみないとわからないな。」と。
「同じ商売としていても儲ける人間もいるし。失敗するやつもいる。やり方次第よ。」と。
ああそうか、親父たちはこういう気持ちでやってきたんだと。
それはそれで、すさまじいことだなと。
先日も、社長が「私は、同じ目線でしか見えないのよね」と。
「年が上だとか、上司だとかでなく、その人が、いい仕事をしてくれた素直に感激するし。
上司というのではなくて、たまたま自分がまとめやくというだけだと。
でも、変わっているのかしら」というから。
「変わっているね。普通は、頭でわかっているけど、いざとなると年下の癖にとか、俺が上司だとか、生意気なことを言うなとかにとらわれてしまうものさ」と答えたけれどね。
それが社長の本質だよ。
新しいタイプのリーダーだね。栗山監督みたいな。森保監督のような。
でも、社長が同じ目線なら、皆も、社長と同じ目線で語らないとね。
フランスに、パリはフランスではないという格言があるそうだ。
その伝で言えば、東京は日本ではない。
日本の全てが東京一色に塗りつぶされたら、地域ちいきの特性、文化は、滅んでしまう。
沖縄には沖縄の、鹿児島には鹿児島の、長崎には長崎の、京都には京都の、静岡には静岡の、金沢には金沢も、札幌には札幌の文化があり、特徴があり、それが合わさって日本という国を形作っているので、東京だけが日本なのではない。
それは、産業だって、経済だって同じ。
ニューヨークで飲むコーヒーも、東京で飲むコーヒーも、静岡で飲むコーヒーも、札幌で飲むコーヒーも同じ味であることが進歩だと言えるだろうか。
いつの間にか、その土地その土地の特徴のある商店街が寂れ、大型スパーに、大型ショッピングモールに姿を変え、そのショッピングモールも廃れ、高齢者が、買い物難民として彷徨う。
それを成長と言えるのか。
東京の一角を切り取って、張り付けたような地方都市に独自の文化など育つはずがない。
なぜ、都会を若者は捨て、地方へと向かうのか。
都会に、若者達が、本当に安らげる場所があるのだろうか。
故郷を、若者は求めて、殺伐とした大都市を捨てようとしているのではないのか。
都会から、裏路地の安酒場が消え、酒場は、オフィスビルの一角に。
人間の営みを感じさせてくれた商店街は、シャーター街に姿を変えた。
プロパンガスは、地方の人々の暮らしを支えてきた。
それを、田舎臭いと蔑むのは、都会の人間の傲慢さではないのか。
プロパンは、国家のインフラであり、ライフライン、つまり、国民の生命線の一端を担っている。
特にプロパンは、山間地には、山間地、また、辺境地には辺境地に適した対応ができる。
つまり、地域ちいきの特徴、特性に適合した施策がとれるエネルギーだという事。
その証拠に、プロパンガスは、他のエネルギーに比べて虐げられてきたのに、都市ガスや、電力に肩を並べることができる産業にまで発展した。
東日本大震災の時は、自衛隊の次に感謝され、能登半島地震では、災害に強いエネルギーであることが実証された。
プロパンガスは、細かく区分することもでき、どこにでも持ち運びすることもできる。
適度に分散させて、保存もできる。
取り扱いも簡単だし、気を付けて使えば、安全でもある。
プロパンガスは、多くの小売業者に支えられた庶民のエネルギーである。
また、環境にやさしいエネルギー、温暖化対策に有効なエネルギーでもある。
プロパンは、これまで、公の支援をほとんど受けてこなかった。都市ガスが事業法であるのに、プロパンガスは取締法であるのがその証。
それでも、プロパンガスが、圧力をはねのけ、ここまで、発展できたのは、プロパンガスの力、プロパンガスを必要としてきた人々がいたから。
プロパンガスを取り扱う事業者は、危急存亡の秋、大災害に見舞われた時、国の独立が危うくなった時、国民生活を下支えすることが求められる。
だからこそ、地域住民に不可欠なエネルギーとして成長してきた。
それ故に、それだから、強い使命感、モラル、責任感、仕事の対するプライド、自覚が求められる。
謂わば、縁の下の力持ちである。
だからこそ、志なき大企業の横暴が許されない。
大企業は、ただ安ければいいだろうと開き直り。
人々は、安ければいいんだ。それが顧客第一主義だと言い張るけれど。
本当に、大企業は、お客さまのほうを、働いている人のほうを、市場のほうを、見ていると思う。
彼らの見ているのは、株主だし、権力者のほう。
顧客を馬鹿にし、市場をなめている。
価格だけに特化して、金銭的に、物的、人的に対応しきれない中小企業を力づくで屈服し、駆逐しようとしている。要するに、金なんだよと。
現場で働いている人間だって上層部から見れば、金で雇った使用人でいかない。
しかし、大企業の論理によって市場が支配されたら、市場は荒廃し、価格を大企業の思うように設定され。
地域の特性、特徴は無視され。全国を一律に扱われてしまう。
何よりも、働く人は人間扱いされなくなり。
人々の生活は顧みられなくなる。
資本の論理で弱者は切り捨てられていく。
しかも、その背後で暗躍しているのは、多国籍企業であり、外国資本である。
結局、直接支配から、間接支配。
気が付かないうちに、植民地、奴隷にされてしまう。
大企業は、多国籍企業、外国資本の手先でしかない。
社長の志は、地域住民の暮らしを守り、災害の時は、人々の生命財産を守り、この国の独立、何よりも自由を守るために、中小事業者と垣根を越えて手を携えていく事。