もう末期症状ですよ。
戦時になれば無条件に、支持率は、上がる。
それなのに、七十%程度しか取れないうえ、開戦当初から反戦デモが起こる。
熱狂がない。戦争は、権力者だけの力で継続できない。
戦うのは、国民ですから。
プーチンには、ヒトラーやスターリンのようなカリスマ性はないし、絶対服従する親衛隊がない。
プーチン大統領は、独裁者になりきれなかった。
この時点で、情報部の幹部を更迭する事が物語っているので。
交渉の席で賠償だのの話が出て、ロシアが軟化してると言うのが何を意味するのか。
無論、楽観は禁物ですけど。
人は、自分が見える範囲の事しか見えない。
一人の人が見える範囲には、物理的、時間的、空間的、技術的に限りがある。
プーチン大統領も、庶民も見える範囲に差があるだけで、本質的には同じ。
明日の事は、わからないし。
勝負はやってみないとわからない。
会って話ができる人は限りがあるし。
直接行けるところも限られている。
独裁者は尚さらの事。人間は全知全能の神にはなれない。
人間は、向こう三軒両隣の狭い世界に住んでいる。
ただ、立ち位置によって見える範囲が違うという事。
大統領と言えども、一日の時間を三十時間にする事はできないし。
食事をとらなければ生きていけない。
寝ないわけにもいかない。
糞尿をしなければ、病気になる。
限られた時間に、限られた情報で判断する。
いくら、情報技術が進歩しても、一人の人間の情報処理能力には限界があるし。
年とともに衰えていく。
これが、大前提。
ところが、メディアの人間は、あたかも、プーチン大統領を全知全能、神の如く考えているようだ。
仮に、独裁者が、周囲が見えなくなり、自分の見えている世界が総てだと錯覚したら、危険な状態になる。優秀な者は、時々、周りの者が馬鹿に見える事があるのだろう。
だがその時、最も、過ちを犯しやすいと自戒しなければならない。
無理やり情報統制すれば、それだけで、民心は、離れる。
長期戦になったら、政権は持たないでしょう。
ただ、じゃあ政権交代が起これば、即、平和、民主化とはいかない。
そこが、日本人の能天気なところで。
核兵器を世界一持っている国ですよ。
たとえ停戦に持ち込めても敗戦は最後まで認めないでしょうし。
軍が掌握することになるでしょうから、かえって専制的な政権が生まれる可能性がある。
そうでなければ、今度は、無政府状態になる。
そんな国が、世界一、核兵器を持つことになる。
本当に怖いのはその後ですよ。
ロシア革命状態、今の中東状態になりますから。
革命状態と言うのは、混乱を意味するので、結局、強権的な勢力でしか収拾できなくなる。
フランス革命が、ナポレオンを準備したように。
始めるのは簡単だが、収めるのは難しい。
戦時と平和時とでは価値観は逆転する。
平時では、犯罪とされることが手柄となり、破壊も、放火も、殺人も、略奪も、暴行も、人を欺きだます、普段ならやってはいけないとされることが奨励される。
日常的な価値観なんて吹っ飛んでしまう。
絶対に守らなければと親から躾けられた教えを、ことごとく破らねばならない。
戦争は無慈悲で容赦なく、残虐で、残忍、凄惨なのだ。
人として犯してはならない道徳とは何なのか。
これは、人間の本性の問題だ。
ただ、戦争反対と叫ぶだけでは、戦争は避けられない。
大統領より庶民の方が、経済の実際を理解している事もあるし。
僧侶や哲学者より、一介の農民や、職人の方が人生の真髄を悟っている事がある。
ところが、人は自分に立ち位置でしか、物が見えないし、判断できない。
大統領は、大統領の立ち位置でしか物事を判断できないし。
庶民は、庶民。農民は、農民。哲学者は哲学者の立ち位置でしか物事を考えられない。
問題はそこにある。
多くの人の話を聞いて判断し、自分の意志で決める。
だから、決断は飛躍であり。感情でする。
理性で合理的に考え、感情によってエイヤーと決める。
結果の責任に対しては一身で負うしかない。
それが、人生なんだと思うのです。
国の運命決する決断も、突き詰めてみると、たわいない妄想だったり、思い違いだったり。
戦争の原因がそうだとしても。逆に、そうだったりしたら、誰も認めませんよ。
取り返しがつかないし。惨めになるだけですから。
ただ、今回のウクライナ侵攻は、教科書通りやって、教科書通り失敗しているのだから、結果はある程度読めるはずです。