補佐役は、二つ、三つまでは、決めてもいいが、最後の一つまで決めてはいけない。
それを、オール・オア・ナッシングになり易いが、それでは補佐役は務まらない。
と教えられてきた。
ところが、最近の人。
若い人に限らず、いい年をした人でも、最後まで自分で決めないと気が済まない。
それを注意すると、プッと膨れ上がったり、顔が真っ赤になったり。
腹を立ててふて腐る。
かといって、「自分で責任をもって決めなさい。」と任せると今度は、何も決められなくなる。
結婚すると、自分一人では決められなくなる。
伴侶の意見を聞かずに、何でも自分の思い通りに決めていたら、今の時代、どこかで夫婦関係は崩壊してしまう。
例えば、車を買うにしても、どこまで相手の意見を聞いて、どこまで、相手に任せるか。
それが、難しい。
予算だけ決めて、後は、任せるか。
車種まで任せるか。それとも色ぐらい。
車の好きな人は、細かいところまで自分で決めたがる。
車だけは、俺に決めさせてくれなのか。
いきなり、何も相談せずに買ってきたら、必ず禍根を残す。
昔の親父のような独裁的な事は許されない。
子供が出来れば、いつまでも、子供の意見を無視するわけにはいかない。
子供も物心がつき始めると自己主張を始める。
頭から抑え込もうとすれば反抗し、仕舞には、家を出ていく。
家庭のような小さな組織でも、相談や打ち合わせ、分担を決めなければ、うまくいかない。
結婚とはそういう事で、結婚する事で多くの事を学ぶ。
最後は自分との戦い。自分に克つことを覚える。
家庭は、組織の原点。
家庭で組織のこと和学び、社会に出る準備をする。
家庭の崩壊は、社会の崩壊に直接結びつく。
会社も同じ。
一人では、何も決められないが、一人ひとりが、責任を持って決めなければならない事もある。
一人で決められないと言うのと、自分で決めなければならない事があると言う事は同じではない。
補佐役は、最終案の二つか、三つまで決めなければならないが、最終的結論は、トップに委ねなければならない。
二つか、三つまでに絞る段階で補佐役や、メンバーの考えは織り込まれる。
その過程を経る事で、メンバーの考えが仕事に取り込まれるのである。
だから、仕事は、プロセスが大切なのでだ。
昔は、女房役と、補佐役が言われたもので。それは、補佐役が大切な事を意味した。
今は、男女同権で、女房役と言えなくなったが。
それでも、会社の女房役が重鎮であることに変わりはない。
支店であろうと、部門であろうと、組織をまとめる者は、シッカリとした女房役を育てる事だ。
組織は、女房役で決まるといても過言ではない。