​世界経済、国際市場を分析する時は、外卦を用いる。
特に裏卦となる国とは対角線上に当たる国で相互に補完関係にある可能性が高い。
相互に補完関係に歩くには、経済政策や金融政策が表裏の働きをする。
また、相手側から見たそう卦も見ておく必要がある。
その上で、内卦との相関関係を確認する。
まず、財務と金融が比し、家計と為替が中となる。
家計と関係が深いのは物価である。
家計は、財務と企業会計に比し。為替は、経常収支と金融に比す。
金融は財務と為替に比し、企業に応じる。
企業は家計に比して、金融に応じる。
財務は家計と金融に比し、経常収支に応じている。

補完関係にある国の動きを見る。
相手が上昇している時は、自国は下降し、下降している時は、上昇する。
交易を通じて相互の国の経済に作用しているからだ。
だからといって、自国を上昇させるために相手国を強引に押し下げようとしても、変化は一時的に終わり、かえって、世界市場や経済の均衡、調和を破壊してしまう。
なぜなら、自国の運動の原因は主として自国の市場、経済の状態にあるからで。

世界市場全体には、生活水準、所得水準、物価の水準等の均衡させようとする働きが隠されている。

自国の経済が下降している場合は、下降する原因を自国の事情や構造に求め、再編することを考える必要がある。
それが摂理であり、道理である。

市場、経済は常に、均衡しようとする力が働いている。
その力が「お金」を市場に循環させ、財を満遍なく配分するのである。
また、各国の経済を成長させ、人々の生活を平準化、向上させるように働く。
一方が量的に拡大する時は、もう一方は、質を向上させ、一方が成長する時は、もう一方は、成熟する。
一方が大量生産に走る時、もう一方は多品種少量を求める。
片一方が蓄えている時、もう一方は、蓄えを放出する。

動きと変化の方向を見極め、次に進むべき状態や方向を定める。
その上で取るべき政策を決める。
相互作用なのである。
自国の都合を相手国に押し付けても対立を煽るだけで、抜本的に解決には結びつかない。
なぜなら、自国の経済状態の主因は自国の内部構造にあるからである。
拡大と収縮を周期的に繰り返すことで市場は質量均衡した成長をする。

市場が縮小している時は、量から質へと、高品質、高級、高単価、大量生産から多品種少量、高付加価値産業へと転換するチャンスである。

今の世界経済は、交易によって深く結びついて今や不離不可分、一体である。
どこから何を輸入し、どこに何を輸出しているかが鍵なのである。
一国が鎖国できる状態ではない。

一年に春夏秋冬の四季があるように、経済にも巡りがある。

成熟期というのは、実りの秋のような時代である。
豊かな実りに感謝し、やがて来る冬に備え、春を待つ。
寒くなってきたからと言って夏や春に逆戻りしようとしたら、かえって秋の実りを腐らせ、春が来ても蒔く種もなくしてしまう。

厳しい冬を越えられなくなる。

秋には、秋を愛で、冬には、冬を、親しみ、春には、春を喜び、夏は夏を愉しむ。

世界は、助け合い、協力しないと自国の問題も解決できない。

先ず、外卦の関係、配置を見る。

外卦の初爻を金融収支の増減二爻為替三爻金融収支の増減とする。

世界市場は混沌としている。

易による分析の要点

三という数字が大切。
一が二となり、三となる。

先ず原点を一つ決まる。
次に、局面の判定を陰陽の二点でする。
三つの要素を決まて、要素の働きによって要素の配置を決め、関係を設定する。
三つの要点の組み合わせで八つの型(パターン)を導き出し。それぞれの型の性格と働きを抽出する。

例えば時間経過を分析する際、単位期間を決める。
単位期間を一年と定めたら三年を観測点とする。
個々の時点の状況を陰陽で判定する。
初爻を三年目、二爻を、二年目、三爻を一年目。
易は逆数。
三年前の陰陽を初爻、二年前の陰陽を二爻、一年前の陰陽を三爻とすると、時の流れの変化も八つの形が現れる。

また世界市場全体像を把握する場合は、
先ず、経常収支の陽(黒字)の国と陰の国とを大別して区分け、位置づける。
次に、為替を上下、高低で、自国の通貨高の国と通貨安の国を区分ける。
そして、さらに金融収支も分けてみる。

このようにして、各国の世界市場での位置付けを外卦に基づいてする。
その上で、各国間の働き役割を明らかにする。

詳細に対する分析は、
例えば、経常収支では、先ず、赤字か黒字かで、陰陽を知る。
その上で。詳細を詰めていく。

経常収支を構成するのは貿易収支とサービス収支だから、輸出、輸入、陰陽分けて傾向を見てみる。
同様に、金融収支の傾向を陰陽で分けて変化の兆候を見てみる。
詳細段階では、形にこだわる必要はないが、陰陽に分けてシンプルに考えたほうがいい。

経常収支の見方には、輸出は陽、輸入は陰で、増は陽、減は陰として、
経常収支が黒字で輸出が増の時、陽陽陽という見方もできる。
このようにしてその国の経常収支の傾向を見ておくのも有効である。

三という数字が鍵なので。まず奇数だという事で、五というのも有効ではあるが、少し多く、手数が増えてしまう。二では、展開や拡張性が低く、二つに分裂してしまう危険性がある。
一では身動きがなくなる。
三点なら立体的な展開ができ、多角的な視点ができる。何より、バランスがいい。だから三である。

世界市場は「お金」の大循環によって動かされている。
「お金」の大循環によって取引による流れが起こり、上下、増減、入りと出、ON・OFF、過不足、開閉、伸縮、赤字・黒字が生じる。
それが陰陽である。
陰陽は自他、内外の分別から生じる。
陰陽は、均衡を求める。故に、引力・斥力を生じ、作用反作用となる。
市場のエントロピーは増大する。

また取引は等価交換であり。取引の範囲内の経済的価値はゼロ和均衡している。
買い手から売り手の方向に「お金」が流れ。
売り手から買い手の方向に「お金」が流れる。
この双方向の流れが、取引を形成する。故に取引内の経済的価値はゼロ和で保存される。

国家間のやり取り、作用反作用、関係から生じる。
陰があれば陽が生じる。
一国の経常収支は、赤字と黒字を周期的に繰り返す事で均衡が保たれる。

国(自)は世界市場と交易をすると経常収支が生じる。
世界市場と交易する事で内(陰、裏)と外(陽、表)の関係が生じる。
経常収支は、入と出、黒字と赤字、過不足、陰陽が生じる。
赤字と黒字は周期的に入れ替わる事で、物と金は循環する。

国民が最低限の生活が送っていけるだけの資源を生産、あるいは、調達できるか、どうか。
それが、一つの決定的指標である。

それは、経常収支に現れる。

経常収支から為替の上下(円高、円安)が生じる。

太陽は、経常黒字円高。
少陰は、経常黒字円安。
少陽は、経常赤字円高。
太陰は、経常赤字円安。

為替の上下は貸し借りを生じる。
貸し借りから、金融収支の増減が生じる。

乾は、経常収支増為替円高金融収支増。
兌は、経常収支減為替円高金融収支増。
離は、経常収支増為替円安金融収支増。
震は、経常収支減為替円安金融収支増。
巽は、経常収支増為替円高金融収支減。
坎は、経常収支減為替円高金融収支減。
艮は、経常収支増為替円安金融収支減。
坤は、経常収支減為替円安金融収支減。

表裏をなす卦は、乾と坤。兌と艮。離と坎。震と巽。

経常収支は、財政が応じている。
また、為替は、経常収支と金融が比し、家計が応じる。
金融は、財政と為替が比し、企業が応じる。

為替の上下、陰陽は、交易に作用して経常収支に、影響し。経常収支の陰陽は、為替に影響する。
また、為替の陰陽は、金融政策を左右し、更に、国債に働きかける。
国債の陰陽は、財政に作用する。
また、為替の陰陽は、物価に作用して、家計に影響する。
また、経常収支、為替の陰陽の影響は企業業績に反映する。
どの部分にどのような影響が出たかを数値化することで、将来の予測や取るべき政策を明らかにできる。

戦後、日米は、表裏、相互補完関係にあったことは外卦に現れている。
高度成長も、バブルも、バブル崩壊も、アメリカとの関係、補完関係を抜きにはありえなかった。
両国の不幸は、それを前提として両国双方により良い状態になる政策を取ろうとせず自国の都合だけを優先したことにある。
特に、プラザ合意後、バブル崩壊後の財政と金融のバランスが崩れたのは両国にとって痛手になった。

高度成長時代は、内卦は、巽か坎。
高度成長時代は、財政や金融は、均衡していたが、プラザ合意後は、財政や金融の影響が拡大した。

為替が固定相場時代は、金価格。ただ、基本的に固定相場は、円が低く評価されていたから陰。

バブル崩壊後、日米の間に中国が影が入り込んできた。
アメリカ、日本、中国の関係は三つ巴の関係でもある。

今、米中の関係が断たれれば米中日の関係は、相克の関係に陥り。
世界市場は混沌、太極に戻る。

収入は、支出であり、支出は、収入である。
だから、いくら安売りで支出を抑えられても、その分収入が減れば、プラス・マイナス変わらない。
売上は費用であり、費用は売上。費用を限りなく削れば売上も減る。
価格に意味があるし、費用にも意味がある。
価格は結果であり、意味は中身にある。過程である。

均衡なので、利益はは働きの均衡をみるための指標。
目的ではない。

価格は、結果、表に現れた現象である。
実体は裏で働く。中身は中、中間にある。
即ち、市場を動かしているのは過程である。
水は流れる過程で、土を潤し、植物(木)を育み、人を生かす。
「お金」も同様で。流れる過程で雇用を生み、企業を育てる。

結果で大事なのは、過程でどのような働きをしたかである。
ただ安ければいいと、費用を削減し、すべてを価格に転嫁して廉価に求めれな、市場に水が流れなくなり、市場は荒廃する。
結局、人は生きられなくなるのである。

価格に求められるのは、適性であって、廉価ではない。
費用を賄った上でたくわえを増やすこと意である。

天高く、地は低く。

天地塞がれば、人は、閉塞して生きていけない。

天高く、地低くして万物を潤し。
水は満遍なく大地を巡って、草木を育て、生き物の渇きを癒やす。
天理に逆らい、利を独占する者は、万物に呪われる。

天理は天地人の調和にある。
やがて、天命は下る。

万物を潤す者にこそ天理はある。

経済に求められるのは、天地人の調和と均衡である。
天は、金。地は物。人は人。

天ばかりに囚われれば、地は、天の恵みを得られず。人は生きられなくなる。

物の過不足を補うように、人の働きによって、「お金」は、市場を巡る。
天が地や人から離れれば、天は混沌に帰す。
地は、天光を受けて恵みを生むことができる。
人は、天と地を支配することはできない。
天の理を知り、地に順ってこそ人は、自らを生かすことができる。

天地人

小成卦、大成卦、各々、天地人の性格によって配列する。

小成卦では、初爻を地とし。二爻を人とし、三爻を天とする。
大成卦では、初爻と二爻を地とし、三爻と四爻を人とし。五爻と上爻を天とする。

小成卦は、内卦では初爻企業(地)、二爻会計(人)、三爻、財務(天)。
外卦では、初爻金融(地)、二爻為替(人)、三爻、経常収支(天)を構成する。

即ち、企業と家計が地を形成し、財政と金融が人を形成し、為替と経常収支が天となる。
企業と家計、財政と金融、為替と経常収支を、企業と家計を実体経済から捉え分析し。
財政と金融を内的な全体としてとらえ、為替と経常収支を外的働きとして分析する事も可能とする。

為替と経常収支は、いわばい、インターファイスである。
国内市場と世界市場とを接続している。

注目するのは為替の上下動である。

ドル高は、円安。円高は、ドル安。一方が上がれば一方が下がる。
一対、ペアの関係にある。
つまり、国際取引によって二国が対となり通貨が連動する事によって上下動が生じる。
ただ、実際の国際市場は複数の国の取引が同時並行的に進行しているため二国間の取引だけ定まるわけではない。

為替も、市場全体の均衡と調和の方向に力が働いている。
上下動はお金の流れる方向によって定まる。
「お金」の流れる方向は、売り買い、買い借りによって定まる。
即ち、「お金」と物の流れる方向によって定まる。
物の流れを伴わないのが貸し借りで、貸し借りの延長線上に資本取引がある。
貸し借りは、お金の流れる方向の垂直方向に流量と同量の債権と債務が生じる。
債権と債務は逆方向の働きをする。

なぜ為替が上下動するのか、それは、国家間の交易による作用による。
交易とは、「お金」に国家間が結びつけられている結びつけられている。
国内の取引はその国の通貨が使われる。
交易は国家間の市場取引によって物の過不足を補い事である。
物か不足は、国民生活の必要性から生じる。

このように、経常収支と為替は相互に作用し、為替は家計と応じている。
交易による「お金」と物の、「お金」の過不足を補うための貸し借りから生じる流れによって通貨価値の上下動が生じる。
物の売買によって生じる過不足は、通貨の貸し借りによって補られるから収支と貸借は均衡してゼロ和となる。

為替と交易によって形成される国際市場は為替と交易にの性格によって表裏、陰陽を生じる。
つまり、為替が上昇する国があれば、対極に下降する国が生じ。
そして市場全体の総和はゼロ和に均衡する。
経常収支が黒字国が生じれば必ず他方に赤字国が生じ、その総和はゼロ和に均衡する。
一つの取引から、正負、出入、表裏、上下、陽陰が生じる。

国家間には、相生、相克の関係があり、それぞれの国の事情と世界市場での役割を正しく理解した上で、各国相和せば、世界市場は均衡調和する。

その本源は天地人、金物人の調和均衡にある。 

元亨利貞。

元は万物の始。春で仁にあたる。初めに志を断て。
亨は万物の長。夏で礼にあたる。威儀を正し。
利は万物の生育。秋で義にあたる。修行、修身、鍛錬を怠らず。
貞は万物の成就。冬で知にあたる。学問をして知を磨く。

各国の経済の相は、互いに補い合いながら、絶え間なく変化し、循環する。

仁義礼智

関税にも、規制にも、金利にも、意味や働きや役割がある。
やみくもに悪だとするのは短絡的だけれど。
意味も働きも役割も理解せずに、間違って使えば、毒になる。
薬と同じで。病気、症状に合わせて処方する事。
薬に万能薬がないように。
使いようによっては毒にも薬のもなる。

経済は相手があって成り立っていることを忘れてはならない。
取引なのである。
取り引きだから表裏、陰陽が生じる。
上る国あらば、下る国がある。
いつまでも自国だけが上昇し続ける事はできない。

何事にも一長一短ある。いいところもあれば、悪い事もある。
要は均衡である。
み様とり様によっては、欠点は長所にもなり、長所は欠点になる。
禍福は糾える縄の如し。
ピンチはチャンスでもあり、チャンスは油断すればピンチに転ずる。
成長には衰退の兆しがあり、衰退には成長の芽が隠されている。

悪いところに気になったら、いい処を探し。
いいところを見る時は醜い処にも目を瞑らない。

いい時には悪い時に備え。
悪い時は、将来に希望を託す。

互いに補い合うから均衡できる。

窮すれば即ち変ず、変ずれば即ち通ず、通ずれば即ち久し。

補い合う事、助け合う事で調和し均衡が保てる。

易も神秘主義的な要素は極力排除すべきである。そして、科学的な手段とするよう努める。
その為には大成卦、小成卦をどう設計するかが重要となる。

大成卦、小成卦を設計する際は、三つの要素の構成、組み立て、位置づけ、働き、要素間の関係とお互いへの作用を中心にして考える。

経常収支、為替、金融収支から構成されている。
国内市場と国際市場をつなげる要素によって組み立てられている。
位置付け、初爻、経常収支、二爻、為替、三爻、金融収支とする。
経常収支は、国際市場と国内市場の接点。
為替の働き、通貨の交換。
金融収支は、経常収支の裏付け。

為替と経常収支の関係は、為替の動きと経常収支がどう連動するか鍵である。
二国間の為替取引は、表裏の関係にある。ドル高円安は、ドル高と円安という対処的な動きが隠されている。
故に、円安という国内の働き
金融収支も黒字の時は、黒字。
経常収支と金融収支は補完関係にあり、表裏、相剋関係にある。
また、為替の動向は物価を通じて家計に陽の働きをしている。

円高は、輸出品の対外価格を押上、輸出を抑制する働きがあり、逆に輸入品の価格を押し下げ、輸入を促進する働きがある。
金利が海外の水準より低い場合は、国内で資金を調達し、海外で運用しようとする動きが出る。

円を売って海外で運用しようとすれば、円は安くなる。

日本のバブルを例に、為替、経常収支、金融、財政、地価、株価、物価の動きや相から、海外、金融、財政、家計、企業の裏では働いている仕組みを考察する。

バブルの引き金をひいたのは、プラザ合意による円高だということ。
国内市場は飽和状態に達し、高度成長から低成長時代に移行しつつあった。
本業で儲からなくなった分を本業以外で稼ごうとした、その結果、資金が株や土地に流れ資産インフレ、つまりバブルを招いた。
しかしこの間、消費者物価、賃金は比較的落ち着いていた。
また、景気が過熱してきた時、アメリカで、ブラックマンデーが起き、金融引き締め策が取れなかった。
それがバブルを促進する結果を招いた。
皮肉な事に、バブル時は財政は好転している。
バブルは後遺症として過剰設備、過剰雇用、過剰負債を残し。
それが不良債権化したのである。不良債権は対極で不良債務でもある。

バブルつぶしを口実に、強引に地価や株価を押し下げた結果、市場の底を抜いて未だに立ち直れないでいる。

85年9月のプラザ合意後,大幅な円高が進行するなかで,当初はJカ-ブ効果もあって黒字が増加したが(黒字のピークは86年度の941億ドル,GNPの4.4%),その後は着実に黒字が減り続け,90年度には337億ドル(同1.1%)にまで縮小した。

しかし、経常収支黒字は再び増勢に転じ,91年度には902億ドル(同2.6%)に急増した後,92年度にはさらに過去最高の1259億ドル(同3.3%)に達した。

91年度以降の経常収支黒字の拡大に最も大きく寄与したのは,貿易収支であった。90年度から92年度の間に,経常収支黒字は922億ドル増加したが,この間貿易収支黒字は662億ドル増加している。

輸出金額を定義的に数量要因と価格要因とに分解する。

91~92年度の輸出金額の増加は,①輸出数量の寄与による面は小さく,②ドル建てでみた輸出価格の上昇と,③「輸出品目の高級化」という形を取った輸出の高付加価値化の進展による面が大きかったということになる。

全体としての輸出数量がほぼ横ばいにとどまったのは,①アメリカ向けは横ばい気味で推移し,②EC向けは減少傾向にあったものの,③NIEs,ASEAN向けが増加したためであった。この推計には含まれていないが,92年には,中国,中南米向けの輸出も増加した。(内閣府ホームページ)

1988年から1992年まで財政収支は黒字化している。(世界のネタ帳)

注意してほしいのは、バブル期、輸出量。輸入量ともにあまり変化していないという点である。

1980年代には年平均物価上昇率は1%台後半にまで低下している。
1980年代後半の場合は,消費者物価及び賃金がほぼ横ばいないし緩やかな上昇に止まっていた。

これらを前提で卦を設計してみる。
初爻企業二爻家計三爻財政四爻金融五爻為替上爻経常収支
初爻株価二爻物価三爻成長率四爻金利五爻為替上爻原油価格

為替で問題になるのは、交易と関係ないところで通貨の取引がある事。
では、為替に陰陽を何によって決めるのか。
これは、他の爻でもいえる事だが。

何をもって陰陽とするか。

勝つ者がいれば負ける者もいる。
勝った負けたは世の常だけれど、根源の試合は一つ。
一つの試合から勝負、陰陽が生じる。

聞く人がいて、話す人がいる。
しかし、話は一つである。
聞くと話すという陰陽が生じるけど話の実体は一つである。

ドルに対して円が上がるという事は、円に対してドルが下がる事を意味する。
円高ドル安とはドル安円高を意味する。

ドル高円安を陽とするなら、円安が陽となる。
日本とアメリカを分けて考え自国通貨が高い時、陽とするなら。
アメリカ側に立ってドルが陽の時、円は陰となる。
陰陽は立ち位置によっても変わる。

何を陰とし、何を陽とするかは、相対的である。
絶対的なのは太極である。

正の働きか負の働きかが、決め手となる。
本来、円高になると経常収支の黒字が減少したら、それが正である。
それが黒字が減少せずに増加したなら不正である。
その場合、円高を陽とし経常収支の黒字の減少を陰とするかは任意である。
働きから判断して設定すればいい。

陰陽は、初期設定で定めるのだから、外形や形式にとらわれずに働きで定めればいい。
為替など特に。
また、生な数字でなく増減を基準とした方が当を得ることもある。

黒字赤字が是か非か、円高円安どちらが得か損かの問題ではなく。
黒字や赤字、円高や円安がどの部分にさどのように作用し、どのような結果をもたらすかをデータに基づいて明らかにすることなのである。
結論的に言うと急激な物価上昇や慢性的な失業率の高止まり、物不足、物流の遮断、倒産率の上昇、所得格差の拡大、路上生活者の増加といった国民生活に決定的な影響が出る事が悪いのである。

経済において何が知りたいのか、その問題設定が最初にされていなければならない。
無意味に、無目的に、経済を論じても、何にもならない。

何が悪い状態で、何を回避しなければならないのか。
経済とは生きる為の活動だから、経済が破綻するという事は、人々の生活が成り立たない事を意味する。

生活が成り立たない状態。
生活が著しく困難になる現象や事態。

犯罪の増加、餓死者の発生、路上生活者の増加といったところに現れてくる。

人・物・金の均衡が破れる。
生きていくために必要な物が極端に不足したり、生活費を得るための仕事がない。多くの人が失業したり。
最低限生活をするために必要な所得が得られない。
貧富の格差が広がって公平な分配が妨げられる。
また、過剰に「お金」が市場に流入して物価が制御できなくなるといった事態を未然に防ぐ。

その為に景気、物価、金利、為替、株価、地価、所得などの指標を使うので。

経済を健全に、正常に機能させるために、陰陽を定めて市場の動向を監視できるようにする。
この目的を果たすように陰陽を決めればいい。

例えば。円高になれば、経常収支の黒字が減るのが正常な在り方なら。それを前提として、経常収支と為替の位置づけをし、何よ陰陽とするかを設定すればいいのである。

要は、天地人が調和しているかどうかを明らかにしたいのである。

目的を見極める事。理論に囚われずに。
AIならそれが可能。

経常収支の構造と働き

易は、分析の手段だということ。

易を科学的なモデルとして設計するための原則は何か。

易的分析によって経済の構造、からくりを明らかにし、細部は数式によって詰める。
構造的動きがわかったら数式によって細部の因果関係を明らかにしていく。

指標間の相関関係、因果関係を調べる。同じデータに基づく場合はリンクする。

高度成長時代は、強い相関関係にあった指標が、低成長時代には、まったく相関関係が失われ、逆相関関係になる事がる。
故に関係も絶対ではなく、環境や状況、段階、前提条件によって変化するという事を忘れてはならない。
常に構造に働く力関係や場に働く力の方向を確認する必要がある。

働きには内外の働き、出入の働き、上下動による働き、増減による働き、並行的働き、裏表の働きがある。

表に現れる現象は裏で働く構造の影響下にある。
経常収支の裏では金融収支が働いている。

​易は、六階層の完全二分木構造を有する。
三階層で、オブジェクトを編集する。

経常収支がどのような構造をしていて、何が、どの部分に作用し、動かしているのかのを分析して。
その上で、指標間の働きを明らかにする。

先ず、経常収支、金融収支、財政収支、家計収支、企業収支の過不足はゼロ和均衡して、一貫している。
故に、これらに、為替を加えて大成卦を編集する。

経常収支、為替、資本収支は内外格差を調整し、世界市場を均衡させる働きがある。
故に、経常収支、為替、金融収支の三つの指標で小成行を構成する事とする。

経常収支は、国内市場と世界市場を接続する。故に天とする。
為替は、国内市場と世界市場の水準を調整し、均衡させる働きを持つ。故に人とする。
金融市場は、経常収支の裏で働く。

財政、家計、企業は生産、分配、消費を実現し、経済を成り立たせる働きがある。
財政は、国家経済を均衡させる働きがある。故に天とする。
家計は、人々の生活を成り立たせる働きをする。故に人とする。
企業は、人々が生きていくために必要な財を調達、生産し、「お金」を働きによって分配する。故に地とする。

経常収支の裏で、金融収支は働いて、表の経常収支を制御する。
金融収支の実体は、借金である。

借金には、どんな働きがあるだろう。
借金は、貸付金でもある。つまり、借入金と貸付金は表裏の関係にある。
借金をする者は債務を負う代わりに現金を手にする。
借入金は負債であり、債務である。債務は債権である。
債権とは貯えになる。
つまり、借入金は現金と、債務と債権を生む。現金と債務と債権は同値である。
債権は資産である。
現金、債務、債権は量と方向を持つ。これが働きの元となる。
つまり、借金は、現金、負債、資産、債務、債権を派生し、債務と債権は、方向と値を持つ働きなのである。

経常収支は、貿易収支とサービス収支によって構成される。
貿易収支は、商品の輸入と輸出にの差を意味する。
商品の輸入は、物の入りと「お金」の出を意味し。
輸出は逆の働きを意味する。
サービスの収支も同様である。

収支は「お金」の正負だから、収支の損益、増減を決めるのは出入である。
裏で働く金融収支(資本収支)は、金融取引の基ずく資金の入りと出で決まる。
それは外貨準備の増減に繋がる。

経常収支の働きは、為替の上限に影響する。
為替の上限は、物やサービスの価格を通して、輸出入の量の増減に影響する。
また、輸入価格に影響し、物価に反映する。
その上に、景気を左右して、失業率に反映される。

自国にとって重要なのは輸入である。
何故なら、輸入は、自国にとって不足している資源を意味するからである。
輸入するための資金を得るために輸出をする。
それを忘れてただ輸出する、つまり経常収支を黒字ばかりを追求すると世界市場の均衡を崩し、変えて、不足している資源の輸入に支障をきたすことになりかねない。

何事も、ギブ・アンド・テイクである。
是か非かの問題ではなく、均衡の問題である。

日本経済にとって重要なのはエネルギーと食料である。
故に、エネルギーと食料の生産と価格、消費量が経済、経常収支に与える影響を検証する必要がある。

為替の構造と働き。

為替を動かすのは何か。

円高、円安とは何か。
基軸通貨に対して円が高くなったとか安くなったという場合が多い。
為替は相対で、円が上がれば相手通貨は下がり。円が下がれば相手通貨は上がる。

現在、基軸通貨はドルだから、円高とは、円高ドル安、円安とは円安ドル高を意味する。

外国為替相場制度とは、外国為替取引において、通貨間の交換比率、すなわち、為替相場を決定する制度をいう。

外国為替制度には、為替相場を一定の値に固定する「固定為替相場制度」、
市場の需給に任せて変動させる「変動為替相場制度
その中間に位置づけられる「中間的為替相場制度」の三つに大別される。
「ハード・ペッグ制度」、「ソフト・ペッグ制度」、「自由変動」の三つに大別される場合もある。
「ペッグ制度」とは、固定為替相場制度のことを意味する。

固定為替相場制度には、通貨同盟(ハード・ペグ制度)、カレンシー・ボード制度(ハード・ペグ制度)、単一通貨固定相場制度(ソフトペッグ制度)
中間的為替制度には、通貨バスケット制度(ソフトペッグ制度)、クローリング・ペッグ制度(ソフトペッグ制度)為替バンド制度。(ソフトペッグ制度)、
変動為替制度には、管理変動相場制度。(ソフトペッグ制度)、自由変動相場制度。(自由変動)がある。

我が国は、管理変動為替制度を採用している。

為替を上下する要因、動かすのは、何か。
為替を動かす要素には、経常収支(貿易)、内外金利格差、金融政策、為替政策、投機、物価(購買力平価)、原油価格、株価、為替介入等。
基本は、内外格差の是正にある。

為替を動かす要素は、
一つ、経常収支(貿易収支、サービス収支)。
一つ、資本移動。
一つ、投機。
一つ、介入。
一つ、裁定など。

一般に、為替は、貿易収支、資金移動、投機があげられるが、経済の方向を定める決定的時点で為替介入が重要な役割を果たしている。

為替相場では、経常収支は、地で、資金移動は天、投機は、人と言える。

その他に、ODA等、海外支援や贈与がある。

為替政策で有名なのは、ニクソンショック、プラザ合意などがある。

為替は、家計(物価)と対応して、経常収支、金融収支にはたきかけて経済の方向を定める働きをする。
金融収支は、貸付けや金利のよって企業を制御する。
財政は、関税や給付金、所得の再配分、規制の緩和強化などによって市場を為御する。

外貨準備とは、通貨当局が為替介入に使用する資金。
通貨危機等により、他国に対して外貨建て債務の返済が困難になった場合等に使用する準備資産。(日本銀行)

為替は景気のドライバーである。

また、購買力平価という思想があるように、為替には、世界市場を平準化させる働きがあるとされる。
矢だこれは、各国の市場の在り方や政治、経済体制に大きく制約される。

相手国の事情を考慮せずに自国の都合だけで政策を押し付けると、貧困や劣悪な労働条件の輸出に結びつきかねない。

国際市場から見ると外卦が内卦に転じる。
ドル建てで日本の経済データを読めば、総卦となる、
裏卦は、対極になる。
自国内の視点だけでは世界市場における自国の位置も働きも役割も理解できない。

卦の出現率が重要な意味を持つ。

金融収支の構造と働き

金融収支とは、「お金」の貸し借りよる収入と支出を意味する。

金融収支は、家計、企業、財政、経常収支等、経済主体の裏で働いている。

金融の働きは、
一つ、市場に企業、家計、財政などを通じて「お金」供給し、循環させる事。
一つ、「お金」の流通を制御する。
一つ、資金不足主体に資金余剰主体へ融通する事。
一つ、ストック(「お金」の長期的働き)とフロー(「お金」の短期的働き)の均衡を保つこと。
一つ、資金をプール(貯蓄・保存)する事。
一つ、時間価値を付加する事。

経済指標には物価、株価、地価、所得、為替等がある。

経済指標の中で、金利と税率は、管理可能な指標である。

経常収支の裏で働く金融収支は、
一つは、直接投資。
一つは、証券投資。
一つは、金融派生商品。
一つは、その他投資。
一つは、外貨準備。

国際的な金融危機は、為替の急激な変動をきっかけにする場合が多い。それで、金融危機は通貨危機とみられる例が多い。その典型が、アジア通貨危機である。

通貨危機とは、債務返済能力への懸念等からある国の通貨の対外的価値が急激に下落することや、その結果経済活動に深刻な影響が及ぶ状況を指します。

1990年代には、為替レートを事実上米ドルに連動させていたメキシコ、タイ、インドネシア、韓国、ロシア、ブラジルなどの新興国で、資本移動の自由化とそれに伴う活発な資本取引のもとで生じた持続不可能な経常赤字などを契機に、危機が発生した。

特に1997年に発生したアジア通貨危機の原因は、一つ、金融機関の資金調達に関する通貨と期間のミスマッチの存在、二つ企業の資金調達における銀行貸し出しへの過度の偏りあと言ったアジアの構造的な脆弱性あると考えられる。

当時、アジアの金融機関は短期で外貨資金を調達し自国通貨に変換したうえで長期の貸出を行っており、こうした下で自国通貨が大幅に減価したことで外貨建て債務の返済負担が増加し、外国人投資家が再投資を見合わせたために、国内の企業部門、銀行部門の双方において倒産が続出することに繋がった。(日本銀行)

通貨危機は、通貨は金融と密接に結びついているから、危機は連動、連鎖する場合が多い。

プラザ合意、バブル、アジア通貨危機、リーマンショックは、表面では、一つひとつ独立した現象に見えるが、裏ではつながっている。
また、表に現れる以前に裏では色々な兆候が現れていたと言える。

内卦は国内の経済状態を表す。

総所得は、天を意味し。
総支出は、人を意味し。
総生産は、地を意味する。

初爻は企業収支、二爻、家計収支、三爻は、財務を意味する。
天は、政治体制、経済体制、軍事力、生産力、成長段階を、人は総人口、労働人口、所得、生活水準、失業率、を、地は、資源、主要産業、立地条件等。

財政の構造と働き

財政の中核的働きは、所得の再配分にある。
所得の再分配は税制の在り方によって随分と変わる。

一般に経常収支というと国が海外との取引によって生じる収支を言う。しかし、経常的収支は国だけでなく政府財政にも、家計にも、企業にも、金融にもある。
経常収支は、フローの働きを言うが、フローの働きの裏では、同額の金融収支(資本収支)が働いている。
金融取引とは、「お金」の貸し借りで、経常収支は、売り買いを言う。

経常収支その裏では、同量の金融収支が働いている。

経常収支は陽で、金融収支は陰である。
物が陽で「お金」が陰。
経常収支は、物の過不足として現れ。金融収支は、「お金」の過不足として現れる。

経常収支の裏で金融収支が働くのは、「お金」が循環している、「お金」をさせているという事から、必然的な結果である。
「お金」を所持しているから「お金」が使えるので、「お金」がなければ「お金」は使えない。
では、「お金」をどう手に入れるかが問題なので。
「お金」を手に入れる為には、物を売って手に入れるか「お金」を借りる事である。
貸し借りと売り買いを繰り返す事でお金を循環させるのである。

「お金」は、水や空気とは違う。
人為的な製造物である。
「お金」を市場で活用するためには、予め「お金」を配分しておく、手に入れる必要がある。
「お金」を手に入れる直接的手段は、物を売るか、働くかである。
売る物がなかったり、働くことができなければ、間接的な手段として貸し借りがある。

市場に一定の「お金」がなければ売り買いもできないのだから、最初は、貸し借りのよって資金を市場に供給する。貸し借りは、支払準備とストックを形成し、直接的手段である売り買い、労働は、フローを形成する。

財政赤字は、財政収支、即ちフローの結果である。
フローが「お金」の表の働きならば、ストックは、同じだけ裏で働いている。
ストックには、投資と貯蓄がある。

財政赤字の原因を考える場合、投資と貯蓄のバランスを考える必要がある。
投資と貯蓄のバランスをISバランスという。

GNIの支出面からの定義を簡略化して書くと。

GNI= 消費+投資+政府+輸出 – 輸入

ここで,政府は政府最終消費支出に政府の投資支出も加えてある。
輸出マイナス輸入には純海外からの要素所得を含めている。
上の式を記号で次のように書く。

 Y = C + I + G + EX – IM       (1)

所得の処分面からの視点では,

 所得 = 消費 + 税金 + 貯蓄
 Y = C + T + S            (2)

(1)と(2)式から,

 S – I  =  (G – T) + (EX – IM)  (3)
民間部門の貯蓄超過=政府の財政赤字+経常収支の黒字

(3)は、貯蓄投資バランス式(I Sバランス式)。

総供給は、消費+民間貯蓄(家計、企業)+税+輸入
総需要は、消費+民間投資(家計、企業)+政府支出+輸出

需給に共通する消費を除くと第一に、民間貯蓄と投資、第二に、税収と政府支出、第三に、輸入と輸出の差をお金と物の両面から分析する事によって経済の状態をあきらかにする事ができる。

高度成長時代以後の日本経済は、第一に、民間部門が貯金過剰にある。民間部門の過剰貯金は、民間部門に金余り、物余りを生じてさせている。
第二に、政府財政は、1990年代から税収を上回る財政支出が行われ、その分財政赤字に落ちいている。赤字分だけもの不足に陥る。つまり、金不足、物不足状態だという事である。
第三に、海外取引では、2011年に経常赤字に陥るまでは、第二需石油ショック以降経常黒字を続けてきた。経常黒字は同じだけの金融収支黒字(海外への資金流出)が続いていた。
これは、黒字の分だけものと金が海外に流出していたこと意味する。(もの不足、金不足)。

経済成長の後半では市場が飽和状態になり、それによって、企業の収益が頭打ちになり、その結果、投資と貯蓄のバランスが崩れた。それでなくとも、家計の過剰貯金を民間企業の投資資金に回していたのが、バブル崩壊後は、企業の貯蓄も高まる傾向にあり。それが財政赤字の要因となってきた。

日本は民間、特に家計の貯蓄過剰状態が長く続いている。
そのために、物と金が余剰気味に推移し、それが原因で失業率が高くなる傾向がある。

財政赤字の要因の一つは、高度成長の終焉が隠されている。
一つのめぐり合わせである。

マクロ経済における民間投資は、設備投資、住宅投資、在庫投資に大別できる。

家計の構造と働き。物価変動と働き。

家計は、消費の核であり、為替と対応して物価を形成する。
消費は経済の最終局面でもある。消費は経済のおけるゴールでもある。
家計は、企業に労働力を提供し、所得(生活費)を獲得する。
家計は、納税して財政、歳入を構成する。

家計の本質は生活費であり、基幹は衣食住にある。近年はこれにエネルギーと情報が加わっている。

家計は金融機関から借金をして住宅投資をする。

家計の核が生活費にあるならば、家計は物価を作る主たる要因であると同時に、物価の変動の影響を最も受ける主体と言える。

家計は消費を形成し、企業は生産を担う。
家計は、需要を形成し、企業は、供給を担う。
家計に投資は住宅投資。
企業の投資は、設備投資と在庫投資。

物価の変動には、インフレーション(陽)と、デフレーション(陰)の二つがある。
その根底には、人の陰陽、物の過不足(陰陽)、出入(陰陽)、金の過不足(陰陽)、出入(陰陽)がある。

生活から、所得(陰)と支出(陽)、陰陽が生じる。

物価は人・物・金の関係によって形成される。

​物価形成には前提条件がある。

第一に、物価変動の原因は、人・物・金にある。
たとえば、インフレーションの原因は、の雇用状態、賃金、心理、不足、余り、為替変動等がある。

第二に、紙幣が、借用書、預かり書、国債を下に形成されたことを見れば分かるように、現代の経済は、借金を基としている。
借金は金利があるから成り立つので、金利は、時間価値を形成する。
物価は時間価値の影響下にある。金利が働いている時は物価は金利に従って継続的に上昇する。

第三に、世界市場では、物価を均衡させようとする力が働いている。それを購買力平価といい、長期的には世界市場は一定の水準に収束する。それを市場のエントロピーという。
世界市場の物価を制御する働きが為替にはある。

物価には、購買力平価が働くと言われ、為替に重大な影響を与える。
購買力平価というのは国際市場の物価水準は長期的に見て一定水準に収束するという考え方だ。

これらは、物価を考える上で大前提となる。

数式だけだけで予測するのは困難である。予測を困難にする原因に人の思惑や欲望がある。
人の思惑や欲望は個人の主観に左右される上、相手の裏をかこうとする動きがあるから、余計、厄介なのである。

物価にせよ、為替にせよ、株価にせよ、複数の要素が複雑に絡み合っている。
故に、短絡的に予測するのは難しい。

ただ、変易、不易を区別すれば関係を簡易にすることができる。

物価の決定要因は、一つ、所得。失業率。(人)
一つ、需給関係。物の過不足。災害。(物)
一つ、投機。(金、人)
一つ、原油価格。(エネルギー価格)(物)
一つ、「お金」の流通量。(金)
一つ、金融政策。金利。(金)
一つ、景気。(金、人、物)
一つ、財政。税。経済政策。(金)
一つ、資産価値、地価。ストック。(物、金)
一つ、為替。(金)

物価で厄介なのは、人や物が有限であるのに対して「お金」は上限がなく上に開いているという事である。
物価が時として暴走するの貨幣価値が上に開いていることによる。

通貨量を制御できなくなると物価は暴走する。

インフレーションの原因には、需給バランスの乱れ、石油や生鮮食料などの原材料の高騰、為替の変動、戦争や事故、天災等、オペックなどのカルテル、買い占め、関税、税制改革などの政策があげられる。

需給バランスの乱れは、需要サイドから見たディマンドプル・インフレと供給サイドから見たコストプッシュインフレーションがある。

家計の大成卦としては、初爻物価、二爻所得、三爻国債の増減、あるいは、失業率、四爻金利、五爻為替、上爻成長率の増減等が想定できる。

企業収支の構造と働き。

企業は生産の拠点である。

企業は、生産活動と分配活動の二つの役割を担っている。

企業は材を生産し、市場に適用し、売上・収益を獲得する。
企業を雇用を創出し、所得を分配する。

収支と損益は違う。
収支は、「お金」の収入と支出の差。残高を意味する。
損益は単位期間における「お金」の働きを言う。

損益貸借からは、「お金」の流れは見えてこない。「お金」の流れを知りたい場合は、キャッシュフローを見る必要がある。この点は注意が必要である。

全産業のキャッシュフローを見ると、バブル崩壊によって急速に財務キャッシュフローが低下したのが読み取れる。財務キャッシュフローは2004年に底を打ち一度は回復へと向かったがリーマンショックで再度ていかしたのがわかる。

企業の経済に与える影響を考える時、「お金」の長期、短期の働きを理化する必要がある。
「お金」の短期的働きがフローを形成し、長期的働きがストックを形成すると言っていい。

フローは物価と所得によって家計に影響を及ぼす。

ストックは、貯蓄と投資となる。

貯蓄と投資のバランスは物価にも影響する。
貯蓄は、今年、生産されたものや獲得した所得のうち消費に使われなかった「お金」やもの。
投資とは今年生産されたものや獲得した所得のうち、将来の供給拡大のために使われた「お金」やものと言える。
貯蓄も投資も長期的「お金」の働きと言える。

供給は生産を基とし、需要は消費を基としている。
所得は生産に関わる事によって支給され、支出は消費にかからる事で発生する。
余剰の所得は貯蓄になり、貯蓄は投資に回されるから、三面等価となるはずだか、現実は、必ずしも均衡しているわけではない。
故に、投資は将来の生産、供給を準備するための支出で、貯蓄は、支出されなかった所得であるから、投資が貯蓄より多ければ、金余りとなってインフレになり。
投資が貯蓄より少なければ、物余りになって不況なり失業者が増える。

経済は、生産、分配、消費を巡る事で成り立っている。そして、生産、分配、消費は、実体は同じだから一致するはず、それが三面等価であるが、生産と分配、消費は同時に実現するわけではない。
生産、分配、消費は、同時に実現するのではなく、時間差をもって発生する。
この波が乱れるとインフレや不況の原因となる。

生産、分配、消費の流れが乱れるとインフレやデフレの原因となる。

人物金の過不足の変化は、波打っているのである。
この波動を調節する働きをしているのが金融と財政である。
生産によっておこる波、分配によっておこる波、消費によっておこる波をいかに平準化するか、それが経済の重要な役割である。

企業は生産によっておこる波と分配によっておこる波を整流する働きがる。
つまり、不確実で、不安定な売り上げを、月給、固定給として一定化させるのである。
その時、裏で働いているのが金融である。

この様な構造を、卦のモデルによって試行する。

例えば、為替相場の動き一つとっても予測するのは難しい。
人為的に操作できるはずの金利や税率でさえその効果を事前に予測できない。
故に、データから経済の動きを確立統計的に解析する必要があるのである。

自由と無作為を、混同している人が多くいる。
人為を排除して、無為でいる事が自由だと思い込んでいる。
しかし、それは、自己を喪失しているに過ぎない。
自分の意見を言わなければ、誰の考えにも反しないと。
それは、人の意見を否定しているのではなく、単に自分お考えがないだけである。
人の世は作為によって成り立っている。
陰謀の是非に囚われている人がいるが。
表に現れているか、表に現れていないかの違い。
この世界は、人の意志の依って動かされている
大切なのは、自分がどの様な意志に基づいているかが根源的な問題であり。
自分が何を是とし、何を非としているかである。

何故、経済を分析するのかというと、それは、その時そのとき、各々の立場で自分で判断して生活していかなければならないからで。
生きていくために自分のおかれている状況、環境を明らかにし将来を予測し、計画的に決断する事が求められる。
そこに経済分析をする意義や意味がある。
逆に言うと、具体的な施策に結びつかない、経済分析は、単なる自己満足、趣味の域を出ない。

では、経済的施策とは何か。経済的施策にはどのような事があるかを明らかにしたい。
その前に、確認しなければならないことがる。
それは政治と経済の事である。
政治体制と経済は、一線を画しておく必要がある。
なぜなら、政治は、人権とか権利義務、国家のあり方、人の生き方といった理念。
経済は今の現実の生活。
政治体制が破綻したり、戦争や災害で機能しなく、経済は維持しなければならないという事である。
どのような体制、環境下でも、人は生きていかなければならない。
政治体制や経済体制が破綻しても、生産、分配、消費の仕組みは維持しなければ生活が成り立たない。
だから、政治問題と経済問題は密接にかかわっているとしても、政治と経済は一線を画すのである。

国家における経済的施策には、制度、規制、政策の三つがある。
制度には階層がある。世界の市場、交易の枠組みを作る制度を頂点に、第二階層に、個々の国家の政治、経済体制の枠組みをつくる制度、
第三の階層には、財政、金融、家計、企業といった部門ごと内部を統制する為の制度
第四の階層には、個々の部門をさらに細分化し、産業ごとに内部を管理統制するための制度。
第五の階層は、個々の個人の行動を統制するための制度である。

第一の階層には為替・海外交易制度。
第二の階層には、政治制度。法制度。財政制度。貨幣制度。
第三の階層には、市場、経済制度。税制度。金融制度。会計制度。証券制度。
第四の階層には、証券取引制度とか、液石法等がある。
第五の階層には、労働法、年金制度、社会福祉制度などがある。

そして各階層ごとに施策を立てる必要がある。
不易、変易、簡易の見極めが重要となる。
故に、易的手法が有効なのであある。

施策には、制度に対する施策、規制に対する、政策に対する施策がある。
制度、規制、政策の主として、働きの違いと、実施するまでの期間の違いである。
実施するために要する時間は制度なら早くても四、五年、規制だと二、三年、政策で、一、二年を要する。
働きは制度は、基礎、リテラシー、規制は、法やルール、政策は運用という違いがある。

車の運転に例えれば、制度は、車体を指し、規制は、道路交通法を指し、政策は、実際の運転を言う。

絶対的経済体制も、政治体制もまだない。
どんな政治体制、経済体制にも、欠点はある。
それを前提とする。
問題は体制ではなく。目的であり、どのような状態を望んでいるかである。
政治体制は根本的には思想哲学に至る。

市場取引全体では、収入額と支出額は、常に一致している。
なぜなら、収入は支出であり、支出は収入だからで、ただ出し手と受け手が違うだけで。
より取りされている「お金」と物は同じ「お金」であり、同じ物。
違う「お金」、違う物だったら詐欺、犯罪である。
この事が三面等価を成り立たせている根拠なのである。

取引に要する「お金」が定まっているから通貨の総量は、貸借と回転数で決まる。

輸入と輸出は、別の事。輸入をしたから輸出ができるわけではない。
ただ、お金は必要。「お金」がなければ、輸入はできない。
輸入に必要な「お金」は輸出で稼ぐ。輸出でする物がなければ借金するしかない。

市場に「お金」の流れを作り「お金」を市場に循環させる働きは、「お金」の過不足である。
「お金」は使えば、失われ、所持金が減る。そのままにしておくと「お金」が不足する。
不足した「お金」は、絶えず働いて補充し続けなければならない。
この働きが「お金」の流れを作ると同時に、人を働かせるのである。
経済主体、部門、国家間に生じる「お金」の過不足を均衡しようとする力が「お金」を市場に循環させる。
過不足は、表裏の関係で、過剰があれば、同じだけ不足も生じる。
故に、過剰が正しくて不足は悪いとしたら、市場に「お金」は循環しなくなる。
そうでなくて、不足している程度であり、過剰な程度である。
不足(陰)は負(陰)となり、過剰(陽)は、正となる。
一方的不足し続ける主体と。過剰し続ける主体が問題なので、一方的に不足が続ければ、あるいは過剰し続ければ。市場は分裂し、機能しなくなる。正も負も蓄積するのである。
一定の周期で過不足が入れ替わる事が求められる。
つまり、いい正と悪い正、いい負と悪い負があるのである。

また、「お金」の流れは時間価値によっても形成される。
時間価値を形成するのは、金利と利益である。
時間価値は複利で増殖する傾向がある。
故に、「お金」が循環しなくなるとある時点で幾何級数的に上昇する。

「お金」の働きには、長期的働きと短期的働きがある。
長期的働きは長期的均衡による働きで短期的働きは短期的均衡による働きである。
このような、長期、短期の働きは。長期短期の波動を生む。

この短期、長期の働きを測定するのが会計制度であり、財務諸表である。

市場全体の取引は、ゼロ和均衡するから、取引の働きは振幅と波長によって効用が発揮される。

「お金」の効用は長期短期で均衡するから利益は収束し、圧縮される。

短期的「お金」の均衡は運転資本に現れ、長期的均衡は投資に現れ、債権と債務を構成する。

企業の役割の一つは不安定、不確実な生産、売上、収益を整流し、安定した所得に変換する。
また、雇用を生み出し、消費者に、「お金」を分配する。
事業を通じて負債を可能とする。

経済は、正負の均衡の上に成り立っており、正と負は、過不足から生じる。
過不足は、資産と負債、債権と債務を生む。
この形は易に現れる。

正と負の均衡は負債の上に成り立っている。
負債、不足をどう位置付け、活用するかによって生産、分配、消費が正常に機能するかどうかが定まる。

負債は費用、不足を悪い事、無駄な事、不必要としたら経済は機能しなくなる。
重要なのは均衡である。
必要悪などという考えも間違っている。
必要な事は悪ではない。

現代社会は借金の上に成り立っており、その借金を成り立たせているのは、定収、つまり、定職と賃金である。

階層を基礎にして、体制卦を構成すると
初爻、第五の階層、二爻、第四の階層、三爻、第三の階層、四爻、第二の階層、五爻、国家理念、上爻が、第一の階層という事になる。
そして、上爻から順に政策を立てていく必要がある。

経済を金儲けの手段だとするのはとんでもない誤解。経済は生きる為の手段です。