誰にも理解されまいが。世間がどうあろうと。
俺には、関係ない。
誰がなんと言おうが。
総ての人間を敵に回そうが、俺は関係ない。
自分の命が燃え尽きるまで。
自分の命を燃やし続けるだけ。
俺の同世代の連中は、自分の非力、無力を言い訳にするが。
でも、自分が無力であることが自分が何もしない事の言い訳にはならない。
たとえ敵は幾万いようとも、なさなければならない事なら、吾一人いかん。
坐して死を待つくらいなら、進んで道を切り拓く。
俺は、最初から一人だったし、ずっと一人で戦てきたのだから、今更引き下がれますか。
だって、妥協したら、死ですよ。
いくらその後、生きたとして。
抜け殻じゃないですか。
戦っている人間にとって、戦っている限り負けはしないのです。
妥協したら、いくら言い訳しても、他人様は、納得させられても、自分は生涯、納得できませんよ。
もういいと思った瞬間、死ぬのです。負けるのです。
何に敗けるのですか。
自分に敗けるのです。
この魂、最後の最後まで燃やし尽くしてやる。
負けやしません。命ある限り。
ただ前進あるのみ。
這ってでも、這いつくばってでも前進してやる。
生き抜くんです。戦い抜くんです。
逆風こそ吹け、ふけ。
心地よい風ですよ。
顧みて、やましい事がなければ。
ただ行かん。
その心意気やよしですよ。
戦う事ですよね。
なんか、僕らの時代から、戦う事が悪いような。
そんな雰囲気がありまして。
学園紛争の後遺症みたいに。
学園紛争の結果が良くなかったですよ、内ゲバとか、浅間山荘とか、川口大三郎事件とか。
特に川口君の事件は決定的でしたね。
だから、いっぺんに醒めて、もう嫌だと。
それで、過激とか、闘争とか、戦うとか、妙に醒めってね。
燃えにくい、奴らだと先輩に言われたけど。
我々の動機の連中はわかるんですよ。
上に加山雄三世代が言って。
次に、フォークソングがあって、ロックがあって、ビートルズ。
何か革命前夜のようなざわめき。
でも結局裏切られた。
それは、悪いですよ。
やりっぱなしで、放り出しって、自分達は、高度成長の恩恵を受けて、挙句の果て、バブルですから。
しかも、その間、すっかり牙を抜かれてしまった。
だから、悔しいんです。
志しって、世の中よくしたいていう思いは、そんな、安っぽい、軽薄な事ではないでしょ。
薄汚くなってしまう。
だからって、この歳して、メットかぶって、赤旗振るなんて。
じゃあ自分たちがこれまでやってきたことは、人生は無駄で、無意味なんですか。
そうしてしまうのは自分達なんですよ。
だから、だから、せめて自分達の生きてきた証として、自分一人でも、歯を食いしばって、戦い抜いいてやると。
革命とか、大仰な事ではなくて。
自分の信念のもとに。
そう覚悟するしか生きられないじゃないですか。
僕は、人生の敗残者にだけはなりたくない。
自分は自分の生き様を貫くしかない。
だから、戦うのです。現代のドン・キホーテとして。
だって空しいじゃないですか。
今の、日本の現状を、何の抵抗もせずに受け入れるなんて。
総てが悪い方向を向いているのにです。
いよいよ、物価は高騰をはじめ。
金利も上昇している。
為替は、どんどん安くなり。
財政は絶望的で、財政規律なんて遠の昔に失せた。
今の若者たちの話を聞いていると悲しくなる。
何を信じていいのかもわからないで、自分を見失い。彷徨ている。
日大の現状だって、何も変わってないなと。変わったどころか酷くなっている。
変わってしまったのは自分たちの方かもしれない。
若者たちの心なのかもしれない。
だとしたら、日大闘争は何だたのかと。
日大闘争の意義など問う事さえ、愚かしい。
自分達が、現状を受け入れたら、お終いじゃないですか。
一人でも戦い続けているのなら、それなりに意義があったのでしょう。
その一人に俺はなる。
俺を信じてくれる仲間の為に。一人でも、戦い続ける。
今、何もかも放り出して逃げ出すわけにはいかないけれど、かといって、若者たちの邪魔もしたくない。
俺達には俺たちの戦い方があるはず。
なおさらの事、今の日本の現状を受け入れ、仕方がないと諦めたら。
残るのは、敗残者でしかないではないですか。
後何年、生きられますか。
もう年をとったらね。残されてる時間なんて、たいしてないんです。
だったら、もうひと踏ん張り、最後の力を振り絞って、もう一段、高みを目指して。
たしかに、左翼には幻滅したけど、かと言いて、今の世の中を無条件で肯定できるわけでもない。
熱く語り合った事、夢見た事は、嘘、偽りではない。
だとしたら、自分達の思想、哲学を新たに生み出し、妥協を迫るこの世に、抵抗するしかない。
戦うしか、自分の人生の勝者にはなれない。
勝てないまでも負け犬にはなりたくない。
そうしないと、自分が生きてきた事、総てが空しくなってしまう。
戦うしかないのです。
負けないために。
追伸
僕は、学園紛争後の左翼の知識人も右翼の知識人も、信用できない。
あの、喪失感、絶望感、虚脱感、無力感を共有していないから。
何故、自分たちの手で、自分たちの新しい思想をという覚悟にならなかったのか。
左翼はあいも変わらずマルクスに、右翼は、その反動でしかない。
だからこそ、俺は、彼らに背を向けて。
最初から最後まで異端児であり、黙殺された。