仕事は、最初と最後が肝心。
最初と最後がだらしないと様にならない。
終わり良ければ総て良しというくらい、始まりと終いが、決めて。
だから、歌舞伎では、見得を切る。
型が決まれば、様になる。
素人が調理する時は、いきなり、料理に取り掛かろうとする。
だから、道具の手入れや、支度、後始末は、どうでもよくなる。
しかし、プロは、違う。
だから、プロの修業は、道具の手入れと後始末から始まる。
一貫した仕事ができなければ、一人前になれない。
道具の手入れも、後始末も、準備もできなければ、半人前である。
だから、若い頃に、仕事を最初から最後まで任せて、極力手を出すな。
若いうちは、失敗するから、失敗しても責任のとれる仕事を作って、それを任せればいい。
ま、歓送迎とか、社員旅行な。
ああいう仕事は、若い者に任せるさ。
ただ、手抜きはさせるな。
覚えさせるな。
だから最初から最後まで、シッカリ見ておけよ。
簡単で、短期間にでき、コンパクトにまとまっている仕事な。
ただ、舐めるなよ。舐めさせるなよ。
最初から最後まで、一貫して責任をもって仕事ができなければ、一人前ではない。
なぜなら、仕事を任せられないから。
責任を待たせる事が出来ないから。
つまり、頭にはなれない。
自分に、継続的に隷属させようと思うなら。
一貫した仕事を経験させなければいい。
仕事をバラバラに分解し、小間切れにして、部分的な仕事だけをやらせればいい。
特に、頭の部分を隠して、わからないようにしておけば、仕事も組織も起動できなくなる。
そうすれば、全体像がつかめないから、役割分担も段取りも組めない。
役割分担も、段取りも組めなければ、組織を仕切る事が出来ない。
依存しなければ、仕事ができなくなる。
そうやって、隷属させる。
魂を抜く。
魂を抜かれても当人は気が付かないけど。
一定の年齢に達すると人格を破綻する。
大袈裟でなくね。
だって、いつまでたっても半人前だけど、理由も、原因もわからない。
だって、一貫仕事をしてないとか、出だしの仕方がわからないからなんて思いつかないもの。
でも、親父たちは知っていた。
だから、若いうちに基本を躾けろ。
最初から最後まで、責任をもって、やり抜かせろ。
基本を身に着けていないと一生苦労するよと教えてくれた。