会社と言うのは、「お金」が回っていれば、継続できるので、利益は、指標に過ぎないんだよね。
この点を理解していない人が意外と多い。
だから、利益、利益て。利益ばかりに気をとられて資金繰りを疎かにする。
「お金」が回らなくなたっら、会社は、成り立たなくなることを忘れないように。
景気が大きく変動する際の、資金繰り、資金計画をする際の手順は、先ず、運転資金を見る。
運転資金が都合つかなくなると黒字倒産する事もある。
運転資金は、受取債権(受取手形、売掛金等)と在庫を足した金額から支払い債務(支払手形、買掛金、前受け金等)を引いた値。
受取債権は「お金」、収入の裏付けのない売り上げ。支払債務は、支出を伴わない費用。
支出を伴わない費用には、減価償却費がある。
なぜかと言うと物価や為替が大きく変動している時、売り上げと仕入れの時間差が、資金ショートを引き起こす危険性がある。
現金仕入れの場合、支払い後、即日発生するのに対し、受取手形のように、受取が何か月も先の場合、収入が約定分先送りされる。
物価や、原油価格など、原材料費が急速に高騰している時は、利益は出ているのに、運転資金が大幅に不足する。つまり、営業キャッシュフローが赤字だと言う事態が往々に起こる。
なまじ、利益が出ている事で、資金ショートを引き起こしやすい。
利益が出ていても「お金」が、回らなくなった会社は成り立たない。
思わないところで足を掬われる事になるから、よほど注意する必要がある。
利益が上げられない、赤字自体、資金不足の原因となるのは、当然だが、利益が上がっている、黒字なのに資金が不足するという事が、往々にある。
この様な資金不足は、水面下で密やかに忍び寄ってくるから不気味なのである。
しかも、時として気がついた時には手遅れで、致命的な不渡りを引き起こし、頓死に至らす原因となる。
本当に恐ろしい病巣なのである。
単月で見た場合、インフレの場合は、値上がり前の売上金が入金されるため資金がショートする危険性が出てくる。
円安で輸入費が高騰し、物価が上昇している場合は、資金ショートの危険性が高まる。
逆に、物価が下落している時は、値下がり前の売上金が入金されるために、資金リッチになる。
成長期、物価が上昇してる時、企業が急拡大している時は、売上が計上される時に対して入金が遅れる。
そのために、資金ショート起して黒字倒産する危険性が高まる。
見かけ上の利益は上がっているのに資金不足に陥るのである。
運転資金は、基本的に短期借入金で賄う。
また、受取手形が多い場合は、割引をして流動化を計る。
ただ、計画的にしないと、手形事故を引き起こす危険性がある。
売上債権は、不良債権になる危険性がある。
不景気になる事が予想される時は、十分に注意をする。
金利が上昇すると借入金が多い会社は、金利が収益を圧迫する。
今は、低金利だが、過去には、二桁台になった事もあり。
現在でも、メキシコやブラジルは、二桁台。
金利が支払えずに倒産する危険性もある。
次に、損益上に現れない支出と収入を見る。
損益上に現れない支出で一番大きいのは、借入金の返済。
借入金の返済が滞ると倒産する。
資産の売却収入から利益(損失)部分を差し引いた額。
倒産するのは、借金の返済ができなくなり、金融取引ができなくなることが引き金を引く事を忘れてはならない。
一円でも不足したらアウト。
借入金の返済に充てられるのは、減価償却費と税引き後利益。
よく、内部留保金は、資本金であり。企業がため込んでいる。
それを吐き出せばいい。課税すればいいという人がいるが、内部留保は、借入金の返済の原資で現金として積みあがっているわけではない。
借入金の返済金は決算書には計上されないのである。
内部留保に手を付けると借入金の原資を失うのである。
余剰利益が発生した時は、含み損のある資産を売却すると、節税対策と資金調達の両立てができる。
それ以外に繰越勘定を確認する。
それから、資金の調達力を見る。
資金調達力は、売り上げの増減と資産の現金化である。
つまり収益力と資産の売却。
重要なのは、流動性を高める事。
資金調達で担保されるのは、資産の含みと将来の収益。
資金の調達力を確認した上で、投資を検討する。
赤字でも、資金が回れば、会社は即倒産はしない。
ただ、資金調達が難しくなり。倒産する確率が高まる。
鍵は、資金調達、資金繰りにある。
営業キャッシュフローは、通常の営業活動による現金収支を表わす。
営業キャッシュフローを構成するのは、税前利益、運転資金、減価償却費、金融費用等。
営業キャッシュフローが大切なのは、資金の過不足、需給を表すからで。
営業キャッシュフローを構成するのは、税前利益、運転資金、減価償却費、支払利息。
税引前利益と減価償却費が、長期資金の返済に当てられ。
運転資金と支払利息は短期資金で賄われる。
運転資金が急速に拡大すると資金ショートを起こす危険性が増大する。
変動的な資金収支と、固定的な資金収支を分けて考える。
変動的な資金収支は、利益と運転資金。固定的な資金収支は、減価償却費と金利。
運転資金を増加させるのは、売上債権と在庫。
キャッシュカードやプリペイカードが流布してきた、最近は、繰越勘定も重要になってきた。
前受け金、仮受金、預り金、前払金、仮受金、預け金、あるいは、後払い金、後受け金等が、資金繰りに決定的な働きをするようになってきたからである。
財務キャッシュフローは、借金の状態を表している。
財務キャッシュフローは、長短比率を見る。
長期負債の返済は固定的に一定額の支出が確定している。
長期借入金は、減価償却と税引前利益に対応しているから。
減価償却費と税引き利益と照合する。
次に突発的な資金不足に備えておく必要がある。
突発的な資金不足を起こす原因は、不渡手形、売上の減少、売上の急増(売り上が債権の急増)、在庫の急増、金利の上昇。
特に、不渡りに気をつける。
急な資金需要に備えておく。
資産を流動性の高い順に並べてみる。
受取手形、支払手形の残高と条件を確認する。
手持ち有価証券の相場を見る。
売掛金の回収率の推移をみて。悪化に気をつける。
不良売掛金の額と件数を確認する。
これから、急速な物価上昇が予想される。
物価上昇の根拠を上げると。
第一に、急速な円安である。
第二に、エネルギー価格の上昇。
第三に、物不足。
第四に、金余り。
第五に、財政悪化。
第六に、金融緩和と低金利。
第七に、内外金利差の拡大。
第八に、内外価格差の拡大。
第九に、コロナの影響。
第十に、ロシアのウクライナ侵攻である。
コロナの影響は、これからだという事を忘れてはならない。
昨年は、コロナ下だというのに記録的に倒産件数が少なかった。
それは、経済が安定しているののではなく。
借金と補助金で半ば強制的に資金を回していたからである。
重要なのは、資金不足主体(一般政府)から資金余剰主体(家計)へ資金を供給したという事である。
そのために財政資金不足は拡大し、一般政府の負債は幾何級数に増加し続けている。
一般政府の負債を中央銀行が引き受け、日銀の当座預金が無制限に拡大している。
それが、溶けだしたら、物価上昇の歯止めがきかなくなる。
コロナにロシアのウクライナ侵攻が物不足に拍車をかけている。
ロシアに対する経済制裁の影響は、天然ガスや石油に限らず。多岐に渡る危険性がある。
特に、小麦や食料品に、直接的な打撃を与える。
金余り、財政悪化、金融緩和、低金利、内外金利差の拡大は、一括りで考える必要がある。
相互に深い関りがあり。相互に連環、スパイラルに悪化する可能性がある。
最大の問題は政府と中央銀行が共に過大な負債を抱え、金利が膠着的、上がられない。
だから、物価が過熱した時にブレーキがかかられないという事で。
景気の上昇時に一時的な高揚感があったとしても続かないという事である。
低金利は、内外金利差を拡大し、さらなる円安を招く。
エネルギー価格は、ロシアのウクライナ侵攻が決定的な影響を与える。
日本のエネルギー不足は、慢性的になるかの性がある。
更に、円安が、日本のエネルギー価格を継続的に押し上げる。
大体、コロナや、ロシアのウクライナ侵攻以前に、米中対立は抜き差しならない段階にあり。
日本の交易、特に、食料に打撃を与える危険性がある。
内外価格差も見落としてはならない。
コロナは、日本人を内に閉じ込める結果を招いた。
その結果、日本の物価が、海外と比べて異常に低い事、意識させなかった。
しかし、コロナの解決の目途が立って海外との交易が正常に戻れば、否応なく、海外の価格差を思い知らされることになる。
購買力平価の原則からして長期的に物価上昇要因になる事が想定される。
日本人は、日本が、自分たちが思ている以上に貧しいという事に気が付くべきなのである。
日本で、品薄と言われる商品のいくつかは、他国に買い負けしている場合がある。
魚や食品など好例である。ガス器具などは、生産量そのものが減少しているというより、輸出の回している場合がある。要は、日本で売っても利益が出せないのである。
人材も、今の所得では、日本に来ない。
この問題は、外国人労働者の減少を招く可能性を含む。
要は。外国人が日本で働くメリットがないという事である。
買い負けしないようにすれば、必然的に国内物価は上昇する。
これだけ、条件が揃ったら、物価の上昇は、必然的である。