なぜ、仕事を整理する必要があるのか。
本来仕事には、期日も、見通しも、また、優先順位も、つく状態でなければならない。

仕事は指示されたら確実に結果を出すことが求められる。
複数の作業が同時に進行している場合、異質な作業が混在てしまう事がよくある。
似て非なる作業が整理のつかない状態で走られると、混同してしまって収拾がつかなくなることがあったり、重複する作業は二度手間、三度手間となって、作業効率を著しく悪化させる。
同じ事を意味もなく繰り返させたり、無駄な作業に時間がとられる事、実際に作業をする者のやる気(モチベーション)をなくさせるだけでなく、指示した者の信用を失墜させる。
自分はどんな仕事でも、部下の仕事を無駄にしないよう常々心掛けてきた。

だからまず、自分の仕事を常に整理し、締め日、期日管理や、仕事の優先順位、見通しをつけるようにしてきた。
自分が今、いくつの作業をしていて、その日のうちに片づける仕事は何かを、部下が、自分で把握し、一日の計画を自分で立てられるようにしておく。
そのために、朝、その日の予定、計画を聞き、夕方に、その日の実績を聞いてやり見切りをつける。
夕方、報告を聞くのは大切で、部下は自分で仕事の見切りがつかられず、無理をしてオバーワークになりっがちで、オーバーワークになって一度挫折すると、反動で、次は自信を無くしして投げやりな仕事になりがち。だから、上司が仕事の尻を切ってやる。
その上で、次の日の予定、構想を聞いて頭の中を整理してやる。
それが、直属の上司に一番の仕事。

未決、未処理な仕事が、整理がつかないまま先送りされ、ドレーンのように溜まる。
自分で片づけられない、処理できない状態に陥ると、自分で仕事を選ぶようになる。
つまり、身勝手、わがままになる。
言い訳は、最初から、期日も、見通しもないまま仕事を与え、その後の始末を上司がつけてくれないから。
そうなると、言い訳やごまかしを部下は覚えてしまう。つまりずるくなる。
常々、言い訳やごまかしを覚えさせるな。
言い訳やごまかしを覚えると一生苦労する事になるからなと。
だから、仕事は最初に道筋をつけ、最後まで見とどける。

丸投げというのは、期日も見通しもないまま、ただ、適当にやっておくというような仕事である。
このような仕事は、知らず知らずのうちに蓄積し、整理がつかない状態に陥る。
部下は、半端な仕事を覚えてしまう。
あちこっちく散らかして、結局、中途半端な仕事になる。
たとえ結果が出たとしても、一貫性がない。
だから、結果が自信に結びつかない。
たとえ失敗してもいいから。最後までやり抜け。
負け試合ほど大切だし、失敗した時に最後の始末つけさせる。
なぜなら、失敗した時こそ、人間性が問われるから。
中途半端に投げ出すといつまでたっても、責任をもって仕事をすことの意味を理解できない。

中抜きの仕事を覚えるな。覚えさせるなとよく注意された。
つまりはあんこだけの仕事をするなと。
頭と尻尾のない仕事も覚えさすなとも。

仕事こそ、その人を正直に表す。
自己実現。
途中で投げ出して逃げだしたら、いつまでたっても、まともな人間にはなれない。
だから、辛抱、我慢が肝心なのだと。

何事も、最初が肝心。
余力がある、まだまだ、余裕があると思っている時にこそ、仕事を整理し、段取りをつける事を覚える。
いい先輩は、仕事に着手する前の、準備、段取りを丁寧に教えてくれる。
いい加減な先輩は、最初からいい加減にする。
いい加減仕事を覚えるといい加減な生き方しかできなくなるよ。

誰だって、最初は、使い走りから仕事を覚えるさ、でも、五十、六十になっても使い走りしかできなくてはね。かといって、いきなりプロの仕事をしたいといいってもね。
一歩一歩確実に前進するさ。
そのためには、言われた仕事は確実にやり遂げる。

カレーを注文したのに、ラーメンを出して、うちのラーメン、まずいですか。
ラーメンのどこが悪いんですかと文句を言うのはお門違い。

カレーを注文されたら、ラーメンを出すなというのは分かり切ったことだけど。
仕事になると、時々、やってしまう。
注文を正確に聞き取るというのは簡単そうに思えて、結構、難しい。
安易に考えない事だ。

アイスコーヒーと、ホットコーヒーは、違う。
同じコーヒーじゃあないかは、通用しない。
アイスコーヒーは、アイスコーヒー。
ホットコーヒーは、ホットコーヒー。

きちんと、ユーザーの注文を確認する。
その前に、誰がユーザーか確認する。
自分を客にしていないか。

何と言っても、相手がカレーが食べたいのだと言われればそれまでだ。

「何が食べたいんですか」と聞かれたとき、「茶色くてドロドロしていて辛い」のなんてもって回った言い方しないで、カレーならカレーと言えばいいので。
言われた側は、カレーを出せばいいので、ラーメンを出せば怒るでしょ。
客がカレーといったのに「言いなりになるのが嫌だ」とラーメンを出す店はないし。
客が、カレーを注文した時、ウェイターがカレーと厨房に伝えるのは悪いことではない。

当たり前だと思うけどね。なんか勘違いしていると思うね。

カレーが食べたければ、カレーと注文すればいいので、ウエイターは、厨房にカレーと伝えればいいので、料理人はカレーを作ればいいの。
その上で希望があれば聞けばいい。

カレーを注文されたのに、ウェイターが、勝手に自分の考えでラーメンに変えてはいけない。
自分の考えをもってとか、自主性というのは、自分の考えで勝手に変えることを意味するのではない。

それが仕事という事で、議論の余地はない。
別に強要しているわけでもないし、理不尽なこと言っているわけでもない。
逆に、カレーを注文したのにラーメンを出すほうがどうかしている。

こんな当たり前な事が、今の職場では、守られていない。
会議で決められた事、指示された事を直後に確認しない。
部下や関連部署に決められた事、指示されたことを正確に伝えない。
担当を決めて、指示しない。
これでは仕事にならない。

カレーの注文を受けた後、カレーを調理するのは、料理人の仕事だし。
料理人が客にレシピまで要求するのはおかしい。
逆に、客が料理までするのも、厨房に入って、料理人に指図するのもおかしい。
カレーを注文した後、どのようなカレーにするかは料理人が決めること。
むろん、客の要望を聞くのは悪くはないけど。

ただ、カレーの注文を受けた後で、実は、私は、カレーをつくったことないんですと料理人が言えば、それはまた、違う次元の話になるけどね。

汚い仕事を覚えてはならない。

汚い仕事のやりかたを覚えると、一生祟るし。
自分だけでなく、自分の指導を受けた者や部下にまで巻き沿いにしてしまう。
仕事はただやればいいというのではない。
特に、プロはね。プロとして、つまりは「お金」の取れる仕事をしろと。
だから、プロは仕上げが大切なんだ。

最後の仕上げを手抜きにしたら、それまでの仕事も水泡に帰す。

大体、手抜きをする理由は、面倒くさい。

仕事というのは基本的に面倒くさいことをすることなの。
面倒くさいと手を抜いたら、仕事にならないよ。
面倒くさいと、決まったことを伝えなかったり、報告をおこたたり、聞かなかったり。
確認を怠ったり。そこから、抜け漏れが生じるのだから。

一か月間に決められるという事は、一か月かかる仕事があること意味している。
朝、なぜ、打ち合わせをするのか、それは、一日の仕事をきちんと整理し、効率よく、計画的にするためである。

仕事には、始まりと終わりがある。
最初に、仕事に対する方針や構想を立て、終わりには、それまでやった仕事締め、後片付けを、次の仕事の準備をする。仕事は途切れなく、間を開けづに継続していく事を心掛ける。

細切れにされた断片を集めるような仕事、思いつきの仕事をいくらさせられても、仕事の基本が身につくようになるわけではない。
通しで覚えないと仕事の全体も、一貫性も、身につかない。

仕事が回っているうちはいいけれど、仕事が回らなくなったらおしまい。

言い訳をするために、とりあえず、目先の仕事をやっておく。
アリバイ工作的な仕事。
間際になって、帳尻合わせにやる、やっつけ仕事。
こなし仕事。
後先のない仕事。
成り行き任せの仕事。
期日のない仕事。終わりのない仕事。
ゴールの見えない仕事。
ユーザーを無視した、自分勝手な仕事。
ユーザーは自分ではない。仕事には必ず相手がある。
誰のための仕事なのか。(誰がユーザーなのか。ユーザーがわからない仕事。)
目的のない仕事。
自分の考えのない仕事。
ただやれと言われたからやった仕事。
優先順位がわからない仕事。

これらの仕事は汚い仕事。

汚い仕事は、ヘドロ、ドレーンの様になって仕事の底にたまり、悪さをするようになる。
だから、常に、自分の仕事をクリーンにしておく。甘く考えない。

汚い仕事が怖いのは、自分まで自分に騙される事。
先ず、仕事の基本を身に着ける。
自分が納得のいく仕事をするように心がける。