この十年で、組織の在り様が劇的に変化していると肌で感じるんだ。

組織は、人の集合だと言う事を前提として成り立っている事に変わりがない。
一定の属性によってグループ化する事が基本である事も変わっていないが、問題は、組織の形、構造、成り立ちが大きく変化してきた。

どの様に変化してきたかというとね。

第一に、閉ざされた空間から、オープンな空間に。
第二に、自己完結型組織からパーツ型組織に。
第三に、オンプレミスなシステムからクラウドへ。
第四に、ツリー型構造からネットワーク構造。
第五に、縦割りな、階層的構造からフラットな構造へと。
第五に、実物空間から仮想空間へと変貌しつつある。

ヒエラルキー、年功序列とか、長制度と言った権威主義的な組織構造から、ネットワーク型、機能、働き重視の構造へと変質してきている。

こういった組織の変化は、情報技術やインターネットの発達も深く関わっているんだ。
元々、組織は、情報系という性格を持っているからね。

今までは、組織に合わせてシステムを構築したけど、これからは、システムに合わせて組織を構築する様になる。
システムは、データベースを核としたシステムに大きく変化している。

意外とこの変化についていけないのは古参のシステム屋なんだな。
上っ面を見てビックデータとか、AIとか言っている人間は、本質が見えていない気がしますね。無論、ビックデータとか、AIを否定する気はありませんがね。
派手な言葉のわりに実体を見ていない。
いつの時代でもそうですけれど。
システムの現場を見ていると新しい世代の熱気が伝わってくる。
発想の転換が必要なのだと痛感します。

これまでの組織は、工学的な概念に基づいて構築されたが、これからは、生物学的な概念、さらにも量子力学的な概念で構築されるようになと考えますね。
即ち、従来の組織は、枠組みを作って、その枠組みの中に人を嵌め込んできたが、これからは、核となる人材が中心となってネットワークを作り。その中核となる人物を結び合わせる事で組織が構成されるようになる。

決められた回線、回路を情報が流れていくような機械的な組織から、自分で触手を伸ばして結びついていく。組織は生き物に変化していく。

本来、組織は主体であって、組織には、意志がある。

組織において重要なのは、位置と働きと関係でして。
その位置と働きと関係をどの様な構築していくかが、組織論の根幹なのです。

位置と働きと関係がどのようにして構築されていくか。
経済主体を構成するのは、個人、つまり、意志を持った主体だという事である。
人は、生き物である。個人も生き物である。人は生きる為に必要な資源を確保しようとする生物的な欲求がある。生きていくためには、食べていかなければならない。衣服を必要としている。住む処を必要としている。衣食住が、人として生きていくために最低限必要な欲求、基礎的欲求である。
人は、生き物であるから、経済的存在なのである。経済とは生きる為の活動を指すからである。

個人とは何か。人は主体である。人は、主体的意志を持って判断し、行動していく。主体的判断は、行動に方向性を持たせる。
個人は、生産主体であり、消費主体でもある。
また、個人は、間接的な認識対象である。他者との関係によって自己を認識していく。
人間は、他者を必要とする主体である。
個人は、人である。自己実現の欲求がある。自己実現とは、自分を社会の中に位置づけていこうとする欲求である。
人は、社会的動物であり他の人と結びついていこうとする欲求がある。他と結びついていくという事は、自己の存在、役割を他者との関係の中で構築していく事である。

個人は、必要に応じて集まり組織を形成する。
組織を形成する際、個人と個人を結び付ける、即ち、関係づける要素には、目的(利害など)、情報(「お金」も含む)、権限(力)、法(掟等)、役割(働き)、象徴などがある。

これの欲求が組織原則の基となる。