「敵襲」と第一声を上げるのは誰か。
指揮官でも、司令官でも、参謀でも、いわんや、大統領でもない。
敵に気がついた一兵卒である。

司令官が「敵襲」と第一声を発しなければならない状況なら、その部隊は、戦うまでもなく全滅してしまう。
それは、第一声を発する以前の問題である。

直にお客さもに説明するのは、社長ではない。
現場、末端の社員一人ひとりだ。
社長だけしか会社の説明ができなければ、その会社の信用は保てない。
お客様の安全を守るのは、社長だけではない。
お客様に関わる、総ての社員だ。
社長だけが、安全管理に詳しくてもお客様の安全は守れない。

社長の力だけで会社は守れるものではない。

総ての社員が、安全のプロでなければ。

社長は、孫悟空ではないのだから、分身の術は使えない。
お客様に向き合うのは社員に一人ひとりで、自分一人の力で乗り切らなければならない。
投手は、自分の責任と力でボールを投げ。
打者は、自分の判断、決断でバットを振る。
その結果に対して選手一人ひとりが責任を負っているので、言い訳はできない。
結果を出すしかない。

災害が起きた時、それぞれの拠点をその拠点の社員が守らなければ、組織は瓦解する。
社長がセンターから叫んでも声は届かない。

敵が攻めてきた、最初に気がついた者が、「敵襲」と叫ばなければ、仲間は守れない。
後で、気がついていましたなんて、洒落にもならない。

人を採用すると方針を決めるから。採用のための作業にかかれるので。
採用するかしないかわからないと言われても、実際の作業にはかかれない。
少なくとも、就業時間内では。
就業時間外に趣味で、採用をするなら話は別だけど。
ただ、それでは、正式な仕事はできない。
当然、非公式に声をかけ、非公式に条件を提示し、曖昧な返事しかできない。
それはトップでも。
人材発掘、絶対的な事だから、常に心がけてはきたけれど、たとえ、社長であっても公式に方針を決めなければ手の打ちようがない。
それで、前任者、やりますやりますと口で言うだけで、時間が経てば解決すらさと。
それでどうにもならなくなったらヒステリーを起こしてやめていっただけ。
高額な退職金をもらって。
そのつけは若い人間がとる事になる。
やらなければならない事はやるんだよ。
自分達で片がつけられなければ。外人に来てもらって片付けてもらう事になる。
日産だって、セブンイレブンでも、フジテレビでも、東芝での、シャープでも、マクドナルドでも、みんなそうだ。
石にかじりつてでも自分達で解決するしかない。
俺たちはこの国から逃げられない。
昔の人、年寄がばかだったってほざいたって後の祭りなんだよ。
俺たちはこうしたい、だから任せてくると自分の口で言えなければ、任せられるわけがないだろう。
方針を決めるのは、借り決めで、最終的決定が下されなければ、何もできないなんてあほなこと抜かすな。
最終的決定が下されるときは大概な事は終わっているの。
敵が攻めてきた時、総司令官の決定がなければ反撃できなかったら。
戦う前から勝負はついてしまう。
攻められたら、速やかに反撃にうつれ。
ウクライナもロシアに攻め込まれて一年たってから反撃していたら、もうその時は国を失っていただろう。
いい人が見つかったから、採用活動をするのではないの。
いい人を見つける為採用活動をするので。
その為にはいいひと採用するという方針を決めなければ。

方針でやると決めてもやり抜けるとは限らないさ。
でも、方針を決めなければ、何も始められない。
やるか、やらないか曖昧では、責任なんて持てるか。

やると覚悟したら自分の口で言え。
たとえ他人に指示でもやる時は、自分で決めるんだ。
守ると決めたら、守り切るしかない。

やると決めたら、とことんやるさ。
とことんやってみて、自分が納得いくまでやってみて、それでもだめだったら潔くやめればいい。
ただ、それを決めるのも自分。
やると決めるのも、やめると決めるのも、最後は自分。
それが意気地というものだ。

半端な気持ちじゃあ決められない。
他人に言われたからって、戦えるか。
悔いなく戦えるのは自分で決めるから。

「敵襲」と声も出せず、反撃もできなければ、一兵卒は自分の身も守れないんだからな。